見出し画像

そもそも分子栄養学(オーソモレキュラー)って何?

この「note 」でお伝えしている予防のための栄養学は、分子栄養学(オーソモレキュラー)と呼ばれる、最強の栄養療法に基づいてます。

そこで、分子栄養学(オーソモレキュラー)とは一体何なのかを改めて解説します。
(記事の文末に動画を添付しています)

分子栄養学にはいろんな呼称が

私が運営しているYouTubeの視聴者さんからのコメントで、「動画を見て◯◯のサプリメントを買いました」といった声を、時々いただきます。

本当に嬉しい限りですが、同時に、懸念がなくもありません。
ベースとなる考え方、根っこの部分を十分に理解していないと、つまみ食い的な予防法になってしまわないだろうかということです。

それもあり、この記事では最初に戻って、分子栄養学の基本的な考え方、枠組みをお伝えします。

分子栄養学は国や公的機関から正式に認められた学問ではないために、さまざまな呼び方が存在します。

「オーソモレキュラー」「分子整合栄養医学」
それ以外の名称を使う専門家もいます。

細かな違いはあるかもしれませんが、基本的な考え方は同じです。

分子栄養学の基本的な考え方

共通するのは、以下の考え方です。
「身体の分子の栄養素濃度を最適な状態に保つことで、身体の機能を向上させて、病態の改善をする治療法、または予防法」
こういう意味です。

けど、少し難しいですね。

私たちの体は細かくしていくと、一つ一つの細胞という単位になります。
昔は60兆個とか言われましたけど、2013年に発表された論文では、人体の細胞数は37兆個だとされています。

そして、その細胞も細かく分けると分子という単位になります。
その分子の材料は、すべて栄養素です。

分子栄養学では、分子が必要としている栄養素を十分に満たすことが大切です。(分子が必要とする栄養素は、その場所によって違ってきます)
そして、
分子⇨細胞⇨臓器、器官⇨身体
の順にベストなコンディションを維持して、予防または症状の改善を実現する。

こういうイメージで考えてください。 

私が「note 」で記している各栄養素の望ましい摂取量は、厚生労働省の推奨量からはかけ離れています。

厚労省の推奨量は、その栄養素が著しく不足した場合に現れる欠乏症(壊血病、脚気など)は予防できるという量に過ぎません。

分子栄養学では、分子が、細胞がベストコンディションを維持することが目的です。
推奨量をはるかに超えて「大量に摂取する」ということが、一つのポイントです。

分子栄養学は個体差と状況差を加味した栄養学

もう一つ、分子栄養学のポイントがあります。

分子栄養学の創始者の一人であるエイブラム・ホッファー博士は、分子栄養学を次のように定義しています。

オーソモレキュラー療法とは、体内の細胞にとって至適量の栄養素を供給するように努める治療法である。 至適量とは、著しい個体差および時間とストレスによって生じる変化を考慮に入れた病態改善に必要な十分量である

この至適量という考え方が非常に重要です。
まずは、個体差に視点を当てます。

体は一人一人同じではないのだから、分子が必要とする栄養素の量も一人一人違って当然だということです。
必要とする栄養素の個人差は、思いのほか大きいようです。

分子栄養素創成期のもう一人の重要人物、ライナス・ポーリング博士は、
「個人差の幅は最大で20:1」だと言っています。

同一人物であっても、暑い寒いなど気候や季節によって、あるいはストレスがあるかないかによっても、必要な摂取量は変わってくる、ということも指摘しています。

分子栄養学は、個体差と状況差を加味した栄養学でもあります。

分子栄養学3大大家の本

勉強熱心な皆さんの中には、ホッファー博士やポーリング博士の本をぜひ読んでみたいという方もいると思います。
しかし、残念ながら新刊はほぼないのと、あっても高いのがネックです。

ホッファー博士の本は1冊だけ。
5,280円です。

ポーリングの本は中古です。
今でしたら、4,000円前後で手に入ります。

「もっと安い本はないのか」という人には、日本における分子栄養学の草分け的存在である、三石巌氏の書籍がお薦めです。

三石巌氏は、物理学が専門です。
物理学者らしく、事実を客観的かつ科学的に評価し、独自の理論を構築しました。

三石理論の分子栄養学は、
①メガタンパク
②メガビタミン
③活性酸素対策

の3本柱です。

三石氏の本も、15年ほど前はほぼ絶版になっていて、なかなか読むことが出来ませんでした。
が、その後復活が相次ぎました。

今、Amazonで検索すると20冊近く出てきます。

中には難しい本もありますが、文庫本になっているのが比較的読みやすいかもしれません。

ちなみに、なぜ「メガビタミン」があって「メガミネラル」がないのか、ということに関しては、下の記事で解説しています。


予防にこそ分子栄養学

分子栄養学は、従来の西洋医学(対症療法)に代わる栄養療法(根本療法)という形で発展してきました。

もちろん、予防にも適用できます。
むしろ、予防にこそ万人に向いていると、私は考えます。

というのは、
①オーソモレキュラーを導入するクリニックが全国にありますが、保険は適用されない。
自由診療であるために診療代が高い。

しかも、私が聞く限りでは
②治療期間が結構長い。2〜3か月で終わるケースは少なく、半年とか1年、長い場合は2〜3年掛かる。
当然、その期間分の治療費が掛かる。

さらに 
③予防に必要な栄養素の量と治療に必要な栄養素の量とでは、大きな差がある。
そのため、サプリの予算も相当にかさむ。

加えて、
④クリニックで薦める、またはクリニックオリジナルのサプリメントがとにかく高い。
※それについては下の記事で解説しています。

よって、オーソモレキュラーによる治療は、希望しても誰もが受診は出来ません。
受診し始めたけれど、予算が尽きて途中でやめてしまう例も、多々あります。 

だから、「予防」なんです。

治療に比べれば、予防のサプリ代はとても楽です。
必要摂取量も少なくて済みますし、クリニックのサプリメントを使う必要もありません。

私が「予防のための(分子)栄養学」を広げようとしているのも、それが大きな理由の一つです。
さらに詳しいことは、下の記事をご覧ください。

まとめ

分子栄養学(オーソモレキュラー)の基本概念は、
「身体の分子の栄養素濃度を最適な状態に保つことで、身体の機能を向上させて、病態の改善をする治療法、または予防法」
ということです。

私たちの体は細かくしていくと、一つ一つの細胞という単位です。
その分子の材料は、すべて栄養素です。

分子が必要としている栄養素を十分に満たすことにより、
分子⇨細胞⇨臓器、器官⇨身体
の順に、ベストなコンディションを維持して、予防または症状の改善を実現することが可能です。

そのため分子栄養学では、栄養素を「大量に摂取する」ことが、一つのポイントです。 

もう一つのポイントは、分子栄養学が至適量、つまり個体差と状況差を加味しているということです。

分子栄養学は治療の一つとして発展してきました。
けれども、サプリメントへの予算の負担が楽な予防への適用こそ、万人に向いていると、私は考えます。

この記事の内容については動画もアップしています。
合わせてご覧ください。


いいなと思ったら応援しよう!