AGEsによる体の糖化(老化)を防ぐ3つの改善策を提案します
体内でAGEs(最終糖化産物)が大量発生して体の糖化が進行すると、老化を促進させるだけではなく、あらゆる生活習慣病につながります。
糖化を促進する食べ物を減らすことと並行して、糖化を防ぐ改善策が必要です。
今回は、体の糖化を防ぐ3つの改善策を解説します。
(記事の文末に動画を添付しています)
糖化を促進させる食べ物ワースト3
糖化の恐ろしさと、体を糖化させる食べ物について簡潔におさらいします。
糖化は、
①余分な糖質がAGEs(最終糖化産物)となり、体内のタンパク質と結びついて、タンパク質が変性して細胞を劣化させる現象、
および
②すでに糖化してしまった食品を食べることによって、体の糖化が進行してしまう現象、
のことを言います。
糖化は、肌のシワやくすみ、シミなどの老化現象に留まりません。
動脈硬化や糖尿病合併症、骨粗鬆症、サルコペニア、アルツハイマー病、白内障など、病気の原因になります。
体を糖化させる食べ物、一つ目は、血糖値を急激に上昇させる食品。
とくに、ブドウ糖果糖液糖などの異性化糖には要注意です。
2つ目は、ホットケーキやトーストに代表されるこんがり食品。
3つ目は、魚のフライ、唐揚げ、トンカツなどの揚げ物です。
これらの食べ物を減らしつつ、これから紹介する3つの改善策を並行して実践すれば、体の糖化を概ね防ぐことが可能です。
調理法によってAGEsの量は雲泥の差
では、一つ目の改善策です。
調理法を工夫する、ということです。
同じ食材でも調理法によってAGEsの発生量は異なります。
AGEsは調理温度が高いほど大量に発生する傾向があります。
それをまとめたのが、下の図です。
生⇨煮る(ゆでる)⇨蒸す⇨(炒める)⇨焼く⇨揚げる、の順にAGEsは多くなります。
鶏胸肉で比較したのが、次の図です。
もっとも少ない「生」ともっとも多い唐揚げとでは、AGEsの発生量はナント12倍以上の開きがあります。
まずは揚げ物を極力減らす。
「焼く」と「炒める」はあまりにも減らすと食事が味気なくなるので、加熱時間を意識して短く、最少にすることが大切です。
ステーキ屋に行くと焼き加減を聞かれますが、AGEs的に言えば、ウェルダンではなくレアが好ましいということになります。
お酢かレモンを◯◯前にかける
体の糖化を防ぐ改善策2つ目は、お酢やレモン果汁など酸性の成分を“加熱前”にかけて調理することです。
これによって、AGEsを最大50%減らすことができます。
“加熱前に”という所がポイントですので、仕込みの段階で使ってください。
「加熱後では意味がないのか。
トンカツ定食や唐揚げ定食、焼魚定食にもレモンがついているではないか」と言うかもしれません。
しかしアレは、レモンに含まれるクエン酸によって、カルシウムや鉄の吸収を高めたり、揚げ物の場合は油っこさを和らげるのが、主たる効果です。
「定食にレモン」は昔からある組み合わせですが、糖化とかAGEsは、つい最近になって分かってきたことです。
少しはAGEs低減の効果があるかもしれませんが、ぜひ加熱前に肉や魚にかけてください。
レモンでも結構ですが、輸入レモンの場合は防カビ剤(OPP イマザリル等)が気になるので、(国産レモンでなければ)お酢がいいと私は思います。
お酢に関しても、記事を掲載しています。
多くの人が勘違いしている「実はお酢ではない3つの◯◯酢」というエピソードが盛り込まれていますので、まだ読んでいない方はぜひご覧ください。
抗糖化栄養素があった!
体の糖化を防ぐ改善策3つ目は、AGEsの生成を妨げる栄養素を摂る、ということです。
あるんですね、そういう栄養素が。
ビタミンC
ビタミンE
ナイアシン
ビタミンB6
αリポ酸
アスタキサンチン
以上6つは、この「note」内で解説しています。
それ以外にも、
ケルセチン(玉ねぎ)
スルフォラファン(ブロッコリー)
クルクミン(ウコン)
レスベラトロール(ブドウの皮、赤ワイン)
などに、AGEsの生成を阻害する効果があると考えられています。
ただ、AGEs自体がまだまだ分かっていないことが多いですし、今挙げた栄養素がどの程度AGEsの生成を阻害するのかも、これから解明されてくることです。
今の栄養素をたっぷり摂ることは大切ですが、摂っているから「揚げ物OK」なんてことは考えないで下さい。
完全になくなるわけではありません。
まとめ
体の糖化を防ぐ改善策、一つ目は調理法の工夫です。
AGEsは調理温度が高いほど大量に発生する傾向があります。
生⇨煮る(ゆでる)⇨蒸す⇨炒める⇨焼く⇨揚げる、の順にAGEsは増えます。
揚げ物を極力減らして、「焼く」「炒める」は加熱時間を意識して短くすることが大切です。
体の糖化を防ぐ改善策2つ目は、お酢やレモン果汁など酸性成分を“加熱前”にかけて調理することです。
“加熱前に”という所がポイントです。
体の糖化を防ぐ改善策3つ目は、下に挙げたAGEsの生成を妨げる栄養素を積極的に摂ることです。
ビタミンC
ビタミンE
ナイアシン
ビタミンB6
αリポ酸
アスタキサンチン
ケルセチン(玉ねぎ)
スルフォラファン(ブロッコリー)
クルクミン(ウコン)
レスベラトロール(ブドウの皮、赤ワイン)
この記事の内容については動画もアップしています。
合わせてご覧になってください。