最強の抗酸化＆解毒物質グルタチオンを体内で増やす２つのサプリは？

最強の抗酸化物質であり、解毒にも抗ウイルスにも働くグルタチオンという物質（タンパク質）があります。

このグルタチオンを体内でより多く生産することによって、間違いなく生活習慣病や感染症の予防に役立ちます。　

今回は、グルタチオンの正体、グルタチオンの健康効果を説明して、体内でグルタチオンを増やすと思われる２つのサプリを紹介します。
（記事の文末に動画を添付しています）

グルタチオンとは何か？

グルタチオンは、体内で作られるタンパク質の一つです。
タンパク質ということは、材料はアミノ酸です。

グルタチオンを構成するアミノ酸は、システイン、グリシン、グルタミン酸の３つです。

グルタチオンは、３つのアミノ酸が結合したトリペプチドです。
トリは３という意味。ペプチドはアミノ酸が２つ以上結合したタンパク質です。　

したがって、タンパク質の摂取が足りていないと、体内のグルタチオンが少なくなることは言うまでもありません。

グルタチオンが持つ健康効果

①超強力な抗酸化作用

グルタチオンは、過剰に発生した活性酸素から体を守って、病気や老化を防ぎます。
活性酸素は、ストレスや過度な運動、酸化した油や食べ物、飲酒、喫煙、紫外線などによって発生します。

もちろん、グルタチオンの強力な抗酸化作用は、美白、美肌等の美容効果にも役立ちます。

さらにグルタチオンは、活性酸素の除去に働いたビタミンＣやビタミンE（酸化型）を元の状態（還元型）に戻してくれます。
グルタチオンは、体内の活性酸素をマルチに取り除いてくれる優秀な抗酸化酵素です。

②解毒作用・デトックス効果

グルタチオンの薬物やアルコールの解毒作用は、おもに肝臓で働きます。
肝臓の解毒作用を強力に助けます。

グルタチオンの解毒作用、肝臓のサポート作用によって、肝機能障害予防やアルコール性脂肪肝予防に働きます。

また、グルタチオンは水銀などの重金属を抱合して、体外に排出することもします。

③グルタチオンの抗ウイルス効果

今注目されているのが、コレです。
グルタチオンは、ウイルスの複製を阻害して、ウイルス感染による重症化を防ぐことが分かっています。　

じつは、パンデミックが起こってまもない2020年４月25日に発表されたロシアの研究では、
「新型◯◯◯ウイルス重症化の要因として、グルタチオン欠乏の可能性が高い」
という結論が報告されています。

「可能性が高い」と断定してはいません。
この研究で分かるのは、
「一定数の重症化患者のグルタチオン濃度を測ったら低い人が多かった」
という事実関係であって、
「グルタチオンが少なかったから重症化した」
という因果関係ではありません。　

ですが、この研究報告のあと・・・
アメリカでは、このあと紹介するグルタチオンを増やすサプリが長いあいだ売り切れ状態になるという事態が起こりました。

因果関係が分かるまで待ってはいられない、ということのようです。
「このあたりがアメリカと日本の違いかな」と思い知らされます。

それ以外にもグルタチオンは、
抗炎症作用
放射線障害予防
白内障進行予防
等の効果が期待されています。

グルタチオンのサプリがいいのか

グルタチオンは日本では医薬品扱いであり、サプリメントは販売されていません。
購入するとしたら輸入品になります。　

「手っ取り早く、グルタチオンのサプリでいいではないか」
と思われるかもしれませんが、少し話がややこしくなります。　　

最初に、グルタチオンはシステイン、グリシン、グルタミン酸の３つのアミノ酸が結合したトリペプチド（タンパク質）だという話をしました。

であれば、それを飲んでも、消化管でアミノ酸に分解されてしまうので「効果がない」と一般には考えられてます。

ただし、トリペプチド結合は意外と分解されにくく、一定量はそのままの状態で小腸から吸収されることも分かっています。
トリペプチドは、もっとも吸収されやすいペプチド、タンパク質です。

けれども、海外の多くの研究では、
グルタチオンサプリを飲んでも、体内のグルタチオン濃度はあまり上がらない
という結果が出ています。
悩ましい所ですが、この点は、今後の研究でハッキリしてくると思います。

グルタチオンを体内で増やす２つのサプリ

NAC

グルタチオンサプリよりも　NACというサプリの方が、確実にグルタチオン濃度を上げることができます。
NACとは、N-アセチルシステインの略で、グルタチオンを構成するアミノ酸の一つ、システインのことです。

システイン単体サプリが有効である理由はこうです。

グルタチオンを構成するシステイン、グリシン、グルタミン酸の３つのアミノ酸は、３つ巴のような対等な関係ではありません。
その中のシステインが、圧倒的に中心的な役割を担っています。

システインを別名、含硫アミノ酸と言います。
硫黄を含むアミノ酸、という意味です。

この硫黄が、抗酸化作用や解毒作用など、グルタチオンの働きを支えています。そのため、システインを摂取することで、グルタチオンの体内生産が促進されるのです。　

αリポ酸

もう一つ、体内でグルタチオンを増やすサプリは、αリポ酸です。

αリポ酸は、それ自体も強い抗酸化作用を持ちます。
それ以外に、
ビタミンC、ビタミンE、コエンザイムQ10
そしてグルタチオンが、活性酸素の除去に働いて酸化型になったのを再生する役割を持っています。

αリポ酸は、予防のためにぜひ摂っていただきたい栄養素です。
健康な人（酸化ストレスが少ない人）であれば、１日に100mg程度摂れば、グルタチオン濃度を上げることが期待できます。

αリポ酸のサプリに関しては、下の記事をお読みください。

結論として、「NACとαリポ酸のどちらを飲めばいいのか」ということです。

基礎疾患のない健康な人であれば、αリポ酸だけ飲んでいればよいと思います。
一方で、すでに病気や症状がある場合には、NAC、またはNACとαリポ酸の両方を摂るのがよいと思います。　　

まとめ

グルタチオンは体内で作られる酵素で、システイン、グリシン、グルタミン酸の３つのアミノ酸が結合したトリペプチドです。

グルタチオンは、
超強力な抗酸化作用、
薬やアルコール、重金属の解毒作用、
抗ウイルス作用
などに働きます。

グルタチオンを体内で増やすサプリは、
グルタチオンそのもののサプリよりは　　　　　　　　　
①NACグルタチオンの骨格の中心であるシステインのサプリ
②グルタチオン濃度を上げるαリポ酸のサプリ
この２つがお薦めです。

この記事の内容については動画もアップしています。
合わせてご覧ください。