竹内浩太郎

Whims/maane

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千と千尋の神隠しのどこが名作なんだ

場内が明転し、皆パラパラと帰る準備をし始める。入場時には気が付かなかったが、平日の昼にも関わらずかなりの客が入っていたようだった。さすが駿である。 「何回観てもおもろいよな」 「やっぱ名作やな」 「最後なんで分かったん?」 観客は200人くらいいたはずだが、こんな感想しか聞こえてこなかった。漏れなく全員が陳腐な感想を吐き連ねていた。こいつらは親の前でも同じ事が言えるのだろうか?母親の前で「名作やったね」と言えるのか?親は泣かせるなよ。たまには実家に顔出せよ。 ぐだぐだと

    • 耐え難い匂いの中で

      自分の醜い嫉妬の感情の捌け口として書いた文章のため有料とします。読まれたくない文章を公開する矛盾については各々の解釈で想像してください。買った人はきっと後悔します。大した文章じゃありません。 とある駅ビルの7階に位置する場所に設けられたシェアオフィスは金欠でありながら怠惰を貪る我々にとって勝手がよかった。唯一の欠点は向かう道中のトレーニング施設から溢れ出す人間の充満した匂いが耐え難いものであることと、カフェで売られているハンバーグ定食が絶妙に美味しくないものの食べない程に不

      ¥1,000
      • 京橋の師匠とサングラス

        あくる日の土曜日。12月にも関わらず生暖かく、曇りとも晴れとも言い難い灰色の空の日。一通りの家事を終え、自分の作るパスタに舌鼓を打ちながら、さて自慰行為にでも勤しむかと妄想に耽っていた折に一本の電話がかかってきた。師匠からだった。 「報告がある」 電話で話そうとする彼を静止し、電車に飛び乗った。彼の住む京橋までは電車で20分。頭ではわかっていたもののいざ経路検索アプリで見てみると思っていたよりも近く、今まで会っていなかった事を少し後悔した。彼と会うのは今年の夏、心斎橋のサ

        • 『冗談』

          これは兼ねてより予定していたラランドの単独ライブを高校時代からの友人と観に行った日の話。充実感のある一日であった為パソコンを開いて認める他なかっただけの雑記である。あなたが読む必要はない。 今日は寝坊するところから始まった。私が代表を務める会社の定例MTGは11時から始まるのだが、気が付いた時には予定の時刻を5分程過ぎていた。大至急謝罪文を投稿し慌ててMeetに参加した。会議は滞りなく進み、そのままの流れで商談も済ませ、あたかも遅刻などしてないかのような顔で社員に挨拶をして

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        千と千尋の神隠しのどこが名作なんだ

          残高が646円しかなかった。

          残高が646円しかなかった。 大学に入学してから、友達のいない僕はアルバイトの虫だったので常に口座には何十万円とあった。その上物欲も食欲も性欲もない僕の口座残高に表示されている数字は、みるみるうちに膨れ上がっていった。それがいったいどうして22歳にもなって646円という悲惨な数字になってしまっているのか。改めて考えると全てあの忌々しいポーカー団体Whimsを立ち上げてからだなぁと気付いてしまった。 2018年4月、甲子園口のケンタッキー・フライド・チキンにて結成されたWh

          ¥646

          残高が646円しかなかった。

          ¥646