【レビュー】『5試合ぶりの無失点も、得点が奪えずに引き分け』~第9節ファジアーノ岡山VSロアッソ熊本~
試合結果
スタメン
マッチレポート
久々の無失点も、今度は無得点。互いに最後の質を欠いたスコアレスドロー。
今季初の連戦となる第9節、勝点11同士の岡山と熊本が対決した一戦は、互いに決定機を決め切れずに勝点1ずつを分け合った。
熊本が立ち上がりから攻勢を強めた。中2日で今節に臨んだ大木監督は前節と同じ11選手を送り出すと、流動的なパスワークで相手を押し込んでいく。平川と上村が中盤で起点を作り、後方からは江﨑がサイドチェンジを蹴って左右に揺さぶる中、粟飯原と松岡が果敢なドリブル突破からチャンスを作った。5分、粟飯原が反転から左足を振り抜いたシュートはGKに防がれる。14分に松岡が左サイドから切れ込んでシュートを放つも、枠を越えた。
中3日で今節を迎えた岡山は自陣でブロックを組み、堀田を中心にゴール前で粘り強く守ると、セットプレーとカウンターで反発する。25分には右CKから決定機を迎えた。ショートコーナーから河野が鋭いクロスを蹴り込み、柳がファーサイドから飛び込む。狙い通りの形からフリーで放ったヘディングシュートは右スミを突くも、わずかに枠を外れた。背番号5はピッチを強く叩いて天を仰いだ。
0-0で迎えた後半はホームチームのギアが上がった。システムを[4-4-2]から[3-4-3]に変更したことで相手を捕まえられるようになり、ボールを奪いに行く守備を発揮していく。中盤の選手を筆頭に球際を激しく戦ってマイボールにする回数が増えると、ビルドアップでも内側と外側を冷静に使い分けながら確実にボールを前進させた。55分に櫻川、63分には河井と高橋を投入してセットプレーを獲得しながらゴールに向かう中、74分、こぼれ球に反応した河井がダイレクトボレーシュート。上から落ちるシュートはバーに当たって得点とはならない。終盤は76分から出場したチアゴ・アウベス、木村が推進力を強めてゴールに向かうも、シュートが枠を捉えることができず得点に至らず。
後半は守勢に回った熊本だったが、機を見たカウンターからゴールに迫り、78分にはビッグチャンスを作り出す。PA左に抜け出した竹本のシュートはDFにブロックされるも、こぼれ球をゴール前でフリーの粟飯原が蹴り込む。しかし、シュートは右に逸れた。
岡山は5試合ぶりに、熊本は6試合ぶりに無失点で試合を終えたが、今度は最後の精度を欠いて得点を奪うことができず。昨年に昇格プレーオフに進出した両者は勝ち切れない状況が続く。
コラム
待ち望んでいたエースの帰還。チアゴ・アウベスの復帰が現状打破の起爆剤となる
76分、大きな歓声がスタジアムを包み込む。昨季に16得点を挙げたチアゴ・アウベスが今季初めてピッチに足を踏み入れた。サポーターが待ち望んでいたエースがついに戻ってきた。
パンツを捲し上げてソックスを低めに履いた背番号7は、両手を上に向けながら天を仰いで駆け出して行った。最前線に入ると、迷うことなくゴールに向かっていく。79分、ルーズボールを自陣で拾ったチアゴは相手を軽快に交わして左サイドに展開する。そしてゴール前に走り込んでいき、PA手前で左サイドからのパスを右サイドにターンして佐野に預ける。リターンパスをもらってPA右角から左足で突破を図った。85分に櫻川とのワンツーで右サイドから抜け出し、相手を弾き飛ばしながらCKを獲得してチャンスを広げる。87分には櫻川の縦パスを受けると、右回りにターンしてPA右へ突き進んでいった
相手がよりいっそう警戒を強めたため、ゴール前で強烈な左足を振り抜くことはできなかった。約2カ月にわたって試合から遠ざかっていたため、試合勘を含めたコンディションはまだまだ万全ではない。しかし、思い切りよくゴールに向かっていく姿がスタンドのボルテージを高め、チームに推進力をもたらした。ゴールに向けて猪突猛進なチアゴの復帰が5試合未勝利の勝ち切れない状況を打破する起爆剤となる。
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