【プレビュー】『気持ちと自信がみなぎる2人の大男』~第18節栃木SCvsファジアーノ岡山~

マッチプレビュー

波に乗るルカオ。待望の移籍後初得点で栃木撃破へ

岡山は今季2度目の連勝を飾って、勢いに乗っていきたい一戦になる。

前節・群馬戦は、外国籍選手が攻守両面で大きな力を発揮し、4試合ぶりの勝利をつかんだ。その中でも、ルカオが波に乗っている。開始2分にチアゴ・アウベスが先制点を奪うと、ベンチの前で選手が一列になった。その中心にいたのは、緑のビブスを着た背番号99。チームメイトが“ゆりかごパフォーマンス”をして、ルカオの第二子誕生を祝福した。さら85分、PAの深い位置でスローインを受けると、オーバーヘッドキックで折り返してステファン・ムークのゴールを演出し、見るものを驚愕させた。

3月に加入したルカオは着実に状態を上げている。スピードとパワーという持ち味を発揮してゴールに向かっていく姿は迫力満点。先発した第16節・長崎戦でも、強烈なミドルシュートを放ち、クロスにも飛び込んで際どいチャンスを作った。191cm91kgのブラジル籍FWがゴールに向かって走り出せば、何かが起こるのではないか。待望の移籍後初得点への期待感は高まっている。

今節に対戦する栃木は、現在4試合未勝利と2連敗中で、降格圏との勝点差『1』の19位に位置している。厳しい現状を打破するために彼らは必死に戦ってくるだろう。しかし、規格外のパワーをもつルカオで、相手の覚悟を上回っていきたい。栃木は前節・千葉戦で守備陣がロングボールを十分に跳ね返すことができずに後手に回り、苦しい展開を強いられている。後ろに逸らしてしまうミスも目立ち、少なくないピンチを迎えた。背番号99はロングボールを収める力も、前に突き進んでいく力にも長けている。パワフルな背番号ルカオが岡山でのファーストゴールを決めて、チームにさらなる勢いをもたらす。

コラム

苦しい時を脱した”熱血漢”柳育崇。古巣戦でも気持ち込めて戦う

絶対に勝ちたい。柳育崇は負けん気が強く、栃木に所属する頃から常に目の前の試合に勝つことだけを考えてプレーしてきた。

岡山に加入して2年目を迎える今季は主将を任されているが、メンタリティは全く変わっていない。大きな熱を発してチームメイトを巻き込み、背中で引っ張る力強さがある。

しかし、今季はチームとしてJ1昇格&J2優勝という昨季よりも高い目標を求めていく中、柳自身にも多くの役割が求められた。チームの成功と自身の成長のためにトライしてきたが、うまくいかずに苦しんだ。第11節・いわき戦では相手のミドルシュートが体に当たって同点を許すなど、粘り強くゴールを守るという本来の強みを失っているような試合もあった。

ただ、チームは柳の強みを出すためにCBの左右を入れ替えるなど試行錯誤をし、彼自身もトライを続けていくと、第17節・群馬戦の勝利を受けて柳は自信がみなぎっていた。

今節は柳にとって古巣戦となる。相手に負けたくない気持ちを誰よりももつ背番号5の気持ちのこもった熱いプレーが栃木の地でも見られるはずだ。

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難波拓未|サッカーライター
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