2018 オリンピック国立公園とカートコバーンの旅 (9)
July 30, 2018
High Divide Loop(7 Lakes Basin)の始まり
High Divide Loop:Sol Duc Hot Spring Resort→Trailhaed
いよいよ始まる、バックカントリー!
約28キロのループで、高低差1140m。最高地点が1625mということらしい。
トレイルの本を見ていると2泊3日がおすすめらしいが、スケジュールの都合とキャンプサイトが空いていなかったので、1泊2日で強行。
ホテルを早朝に出発することにした。ロッジの目の前に鹿がいた。
チェックアウトするにはまだメインロッジが開いていなかったため、Early Check out用のボックスを探した。そう言われていたが、結局見当たらなかった。悩んだあげくメインロッジの玄関にそっと置いておいた。メモ付きで。
そのあと、車で5分ほどのトレイルヘッドに向かう。後から知ったが、ロッジからも歩いて行くことは可能だった(その分距離は伸びるが)。
早朝のせいか、駐車場にはほとんど車がなかった。近くにキャンプ場もあるので、そこに停めている人も多かったのかもしれない。
High Divide Loop:Trailhaed→Deer Lake
緑が鮮やかな森を抜ける!
オリンピック国立公園のHigh Divide Loopは人気バックカントリーの一つ。複数のキャンプサイトはあるが、計画によって適切な移動距離で選ばなければならない。Lunch Lakeという複数のキャンプサイトがある場所はすでにいっぱいだったので、少し離れたラウンド・レイクというサイトを予約した。宿泊できるグループは1つということで、私たちだけになることは確実だった。
クマ注意の国立公園で、クマ注意のトレイルなので、ドキドキなのだが、出発する。
まずは熱帯雨林のような森を歩く。後輩は暑さを考慮し、珍しく短パンだった。ただ、アブが多いので、やはり長ズボンの方がいいかもしれない。
本当に高い木がうじゃうじゃと覆い茂っているのだ。
やはりコケがたくさん生えている!
シアトルは雨が多いことで有名だけど、そのためか、普段登っている山とは格段に違った緑色をしている。
大した距離は歩いていないのだが、写真を撮ったりしながらで、結構時間だけは過ぎていく。ペースをもっと気にしないといけなかったが、どうしても景色に見とれてしまう。
そこに現れた小屋。
シェルターということらしい。
ここで向かって右手方向に進むのだが少し進んだところに滝を見るスポットがあったので行った。
ものすごく綺麗。朝早いため、誰にも会わず、マイナスイオンだけを感じる。
もう少し先に進んだところから、再度滝をみて、先に進むことにした。
ここでループの分かれ道となる。
反時計回りに進む。
何か分からないものがあった。
でかい。。。
空気もひんやりしていて、気持ち良い。まだ人も少ないので、とってもリラックスできて気分が良いのだが、ふと気づく。
これはもしや、クマに一番遭遇しやすい状況なのではと。
なので、手をパンパン叩きながら、無理やり話ながら進む。一応クマ鈴は付けているけど、申し訳なさそうにたまにチリンとなる程度だ。
怖いねと話していたら向こうから人が来た。
こんな早くから歩いている人がいるね、良かったと思ったら、それは中年の男性で、道に迷って一晩山の中で過ごしたらしい。
熊が出るというこの山で!?
確かにそのおじさん、デイハイクのような小さなバッグにスニーカーでレインコートのような上着には少し血のようなものが付いていた。こういう時ってどうしたら良いか分からなかった。ヘルプした方がよいのかどうか。とはいえ、助けを呼ぼうとしてもいずれにしても圏外だし。。
おじさんが無事トレイルヘッドに到着したことを願いながら進む。
トレイルヘッドから割と近いテント場のCanyon Creek Camping Groundを通りすぎる。女子3人がちょうど朝ごはんを終えてテントを片付けていたところだった。水場が近くに見当たらないが、どこで水を得ていたのだろうか。
ちょうどその頃、後ろから男2人組がものすごい速さで追い抜いて行った。やっと人を複数認識することができたことに安心。
アメリカらしく、男子2人は女子3人に何か話しかけていた。
そのまま進んで、クリークを超えたら、Dear Lakeに到着。
High Divide Loop:Deer Lake→Round Lake Camping Site
虫が増えてきた
ここは複数のキャンプサイトが整備されていた。
トイレもある、ということだったが、驚くほど雑なトイレで、後輩が様子を見に行ったところハエが尋常なくらい飛んでいたとか。これまで結構綺麗なピットトイレを経験していたので、驚いた。
男子二人はこの湖で水を供給し(もちろんフィルターは必須)、私たちも湖を見ながら軽く休憩と食事(行動食)をとった。
水辺なのでとにかく虫が多い。
この時期のオリンピックは虫が多いとネットに書いてあったが(顔を覆うネットが推奨されるほど)、本当だった。
ずーっと虫が「ぶーん、ぶーん」と顔の周りを飛び回る。
特に刺してくるような虫はいないのだが、とにかく音がうるさい。
しかもたまに大きい虫が直進してくるので、困る。
もちろん虫除けは一時的にしか効果がない。
これも気になるのは最初だけで、口と鼻に入らない限り、途中からどうでもよくなってくる。
Deer Lakeを過ぎると比較的見晴らしいのいいトレイルに変わる。
森を抜け、景色がいいことを喜んでいたが、かなりの直射日光にあたり、体力の消耗が一気に加速した。
ここまでたった2時間ほどなのに、途中でまた休憩した。
日本からもってきたウィダーインゼリーがかなり美味しい。
水もかなりの量を飲んでしまった。
なかなかユニークな木に遭遇する。
Seven Lakes Basinとも呼ばれるだけあり、トレイルは盆地の裏側からはじまり、途中で山を超えて、盆地中央の凹んだところのキャンプ場を目指す。
なので、途中でトレイルが森の中に戻るのだ。
そして気づかない間に盆地の裏側に来ていた。
遠くに氷河が見え、崖の部分を通り過ぎて行く。
奥に見えるのは、オリンポス山なのだろうか。
崖沿いを歩くときは結構注意深く進む必要がある。
バックカントリーの荷物はそれなりに重く、疲れているときにバランスを崩しやすい。
いよいよ、ループのトレイルから方向転換し、盆地の中へ降りていく分岐点まできた。
もうすぐゴールだと思うと元気も出てくるし、景色を楽しむことができる。
この辺りは岩ばかりで、途中で足を負傷してるグループがいた。
おそらく捻挫だと思うが、そういう事故が起こりうる岩場だった。
改めて気を引き締める。
奥に湖が見えてきた。
この盆地をSeven Lakes Basinと呼んでいるが実際は7個以上の湖がある。
いくつかは枯れていたので、雪解けの水でできるものがあるのかもしれない。
急な石の階段をどんどん降りて行き(この辺りで足が結構だるくなってきていた)、本当に最後の最後に真っ平らな草の中を歩いてテント場に到着!
High Divide Loop:Round Lake Camping Site
休憩とテント設置
水はこの湖で供給できるし、複数のテントを張ることができるLunch Lakeサイトから0.5マイルほど離れており、プライバシーも確保できた(クマは相変わらず怖いのだが)。
さっそくテントを立てる。本当に暑いので、私たちの4シーズンテントで閉めきってしまうのはどうかと思い、フライをかけず、一旦休憩をとる。
なんか格好いい。
湖の水を使うよりは、流れている水の方がいいのでは、と、途中にわたったの小川に戻り、流れのある場所で水を汲み、フィルターを通し、飲み水を確保する。
一通りセットアップを終え、重いザックを置いて、軽いザックに持ち替え、盆地の内部にあるトレイルに向かった。
続く