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学校での不登校支援の難しさと支援者の葛藤と
「○○さんは、今日もお休みです」
小学校で相談員1年目の私は、日常的に繰り返されるその言葉に違和感を覚えていた。
だけどそれは、福祉職で相談員をやっている私と、教育を担う教職員との立ち位置や役割の違いなんだと、ようやく理解できるようになってきたのです。
実際、学校には不登校の子どもたちが、クラスに1人くらいいる事も多い。担任の先生に話を聞いてみると、
「○○さんは、家庭の事情で休みがちです」
「○○さんは、昨年から不登校です」
という話だった。その状況を聞いて、ふと疑問が湧いてきました。
学校で不登校支援を担当しているのは誰なのか?
学校をお休みした時、窓口になるのは担任の先生で、様子を聞くために保護者に連絡を入れたりしています。
これは、うちも息子が休んだり早退した時に、その日の夜になると担任の先生が電話をくれた事も多く、忙しいのに先生方ってすごいな、っていつもありがたかったです。
そしてお休みが続いた時、担任の先生が様子を聞く、というのは変わらないけれど、どうして休みが続いているのか?どうしたらそれが解決するのか?
を考えたり、解決に向けて動いているのは誰なのか?
という疑問がわいてくるのです。
私のような相談員やスクールカウンセラーは非常勤の勤務なので、相談があれば対応するけれど、点でしか関われないのが現状だったりします。
長期欠席児童担当の先生、特別支援コーディネーターや教育相談担当の先生はいるものの、それぞれ担任や担当課目を持っているので、それがメインではないんですよね。
なので実際のところは、相談があった時は担任の先生と話せる時は担任の先生に伝えます。または職員室にいる管理職の先生か、保健室にいる養護教諭に相談内容を引き継いだり、情報共有したり、といったところです。
その場での問題には対応できるけれど、子どもたちが抱えている本当の困り感は、課題として蓄積されている・・ような気がしています。
そして、不登校の相談を受けた時に、その子や置かれている環境を聞いた上で、一つの選択肢として校内教育支援センターというものを紹介することがあります。
こちらの中にも書いています。
校内フリースクールともいわれていて、私も初めて聞いた時は、時代が変わってきたんだな、と思いましたが、実際に関わってみると理想と現実のギャップを感じてしまっているのです。
学校内の居場所も運営は手探り
自治体によって違いはあるのですが、市区町村にある教育支援センターも校内教育支援センター(サポートルームと呼ばれている場合も)も、設置はされているものの、まだあまり知られていないというのが実際のところのようです。
私が勤務している学校では、昨年度から校内支援センターが設置されたようです。そして、校内支援センターの運営は各学校に任されているというのが現状。
学校に行けない、教室に入れない子どもたちにとっては、安心して過ごせる居場所。
本来はそうなのですが、実際に私が関わっていて感じているのは、
・利用する子どもたちが多くなると、個々に対応するのが難しい
・勉強が嫌だからという理由だけで利用を続けている場合との見極めが難しい
そんなことを、もやもやと感じているんです。
もちろん私が学校という場を理解できていない部分もあるので、あくまでも私が個人的に感じている事ですが。
学校の中で安心して過ごせる居場所ではあるのですが、1人で静かに過ごしたい子もいれば、集中力が続かずに動き回る子もいて。
はじめのうちは、担当指導員の先生と一緒に勉強をしていた子どもも、集中力が続かずに遊んでいる子どもと一緒に遊び始めてしまう、ということも多くなってしまうんですよね。
そして教室でゲームをしたり、時々外で遊んだりしていると、
「あそこの教室に行っている子は勉強しないで遊んでいる」という噂を聞いて、勉強したくない子が時々授業を抜け出して来る、という事もあったりして。
学校の中にある居場所の運営も難しい、というのを実際に子どもたちの様子を見て、先生や保護者の話を聞いて、感じる日々です。
チームで関わることの難しさ
最近は学校内外で色んな職種の方が関わる機会が増えていると思います。
学校の先生をはじめ、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、教育支援センター、市区町村の児童担当課など。
さらには民間のフリースクールや親の会など、私もまだ勉強中ですが色々な支援の場が増えているんですね。
でも学校からはその情報があまり伝えられていないんですよね。
もちろん学校側から、学校以外の選択肢を紹介するのは難しいのもあります。ですが子どもが不登校になった時に、親は目の前にいる子どもの生活の事を考えるだけで精一杯で、自分で選択肢を探す余裕がないこともあるかもしれない。そんな時に他にも選択肢があることを知るだけでも、少しは違うのかもしれない。
学校に行かせることが全てだと思っていた私の反省からも・・
本人の困り感を解決するために、まずは学校や市の窓口に相談する事で、解決できることもあるかもしれない。けれど、それだけでは解決できない事もあるので、もう少し先の見通しを立てられるといいのにな、と思う事もあります。
そのためには、子どもの支援に関わっている人同士の連携ができると、色んな視点でより良い選択ができるようになるかもしれない。そうやってチームで関わっていくうちに、今の学校や教育の現場に求められているものも、見えてくるんだと思います。
相談員になって手探りで子どもの支援に関わる中で感じていることがたくさんあるのですが、言葉にすることが難しかったり、どこまで発信していいのか考えながら今回も書いています。実際の支援の現場のことを少しでも伝えられたらいいなと思っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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ではまたね。