豊洲に通って思うこと
初めまして、臨時休業中につき、自分のためだけに毎日鮨を握って、飽き飽きしながらも、しっかり鮨を噛みしめている銀座の鮨屋で修業している黒木です。
コロナになってからほぼ毎日、お寿司のネタになる魚を求めて朝一番に豊洲に通っているのですが、そこで感じたことを書きたいと思います。
①もう、、ものすごく元気がない。。
コロナの影響もあり、飲食店が休業していることもあって、売り手がものすごく減っている状況で、仕入れた魚を売り切ることができない、余った魚は安値でスーパーに売るしかない、売り上げが上がらない、っと豊洲の仲卸も絶望的に厳しい状況です。
食のインフラとしての機能があるので、東京都の許可を貰わないと休めないそうですね。この状況の中も営業してくださることに本当に感謝しております。
市場内を見て回る中、4月中旬くらいまでは「大変だねー、売り上げ上がんねぇー」と冗談交じりの雑談みたいな声が聞こえてきましたが、ここ最近はそんな雑談もあまり聞こえてこず、しんどそうな顔で淡々と仕事をされている方が多く、もう活気がありません。
②殿様商大の癖は抜けない
こんな状況の中でも商売をしていかないといけないのが現状で、多少安くでも、少ない量でも真摯に目の前のお客様に魚を売っていった方がいいと思います。感情の問題はあるにせよ、店を開けている以上は仕入れた魚を売らないと始まりません。
そんな店の前を歩いている中、「安くしとくよ」「何ほしいの」とちょっと投げやり気味で高圧的な声掛けが多々あります。なんでこんなに上からくるのかなぁとすごく不思議な気持ちになります。発展途上国の市場より感じ悪いです。
恐らく、築地や豊洲というブランドに守られ、代々引き継がれてきた顧客を相手に商売していた癖が抜けないのかなーと。いい魚売ってやるよっといった感じの。飲食店側も豊洲にいい魚が集まるのは承知の上なので、いい魚欲しさに強いことも言えないまま、関係が成り立っていたのだと思います。
③とは言うものの、魚は買う
そんな中にも、若そうな見た目にも、大した金額買わないにも関わらず、丁寧に対応して下さる仲卸の方もいらっしゃいます。そういうお店で魚は調達しております。
結局、モノ自体のクオリティーや値段も当然大事ですが、人と人との関係性も改めて購入の決め手になるなーとしみじみ感じた次第です。
もうコロナのおかげで環境は激変しているので、飲食店のあり方も変わるし、それに合わせて仲卸の商売のスタイルも変わるのかもしれません。
各地方の漁港の状況や漁師さんにも同じように影響が出ているはず、どういう状況か、気になる昼下がりです。
読んでいただきありがとうございます。