ASDとして生まれて来た話。
18歳の時、親から、あなたは障害を持って生まれてきたんだ、と言われました。
どういった文脈だったか、詳しくは覚えてないけれど、口論してた最中に言われたことは覚えています。
「あんたは人の気持ちを考えられないんだ。だから人一倍人の気持ちを考えろ」と言われ、あまりにも断定的な表現だったので詳しく尋ねたところ、アスペルガー症候群であることを告げられました。
当時の僕はその名前すら耳にしたことはありません。その後僕はインターネットで症状や特性についてたくさん調べました。
どうしてそんな大事なことを18年もの間黙っていたのか。
親いわく、「言ったところで何も変わらないから」だそうです。その時聞いていなければ、一生知らずに生きていたのでしょうか。
確かに、昔から人と違う部分はあったかもしれません。症状などを見ていると、ああ、これはあの時のこれだ、など思い当たる節は多かったです。自分の個性の全てが障害によって片付けられるような気がして少し寂しかったのも覚えています。
でも、その特性を知った今ではかなり上手に生きられてると思います。親には知ったところで何も変わらないと言われたけれど、知ったおかげで色々と変わった部分も大きかったので、知れてよかった気持ちの方が大きいです。
アスペルガー症候群とは何なのか。知らない方のために簡単に説明します。
アスペルガー症候群は発達障害の1つで、広義には自閉スペクトラム症(ASD)に数えられます。
といったものが主な特徴としてあげられます。
一方で言語能力や学習能力の遅れなどはありません。むしろ学習能力に長けていることも多く、ASDと気付かず生きている人が多いのも事実です。
ASDの程度にもムラはあり、「変わり者」や「個性」の範疇に収まるような人も多いです。僕は恐らくここに属するでしょう。
普通に接していれば障害者とは思われません。ただ、症状を見ていると全てが自分に当てはまっており、自分がその障害を持って生まれたのだと確かに思い知らされるのです。
僕は幸いにして、高いIQを持って生まれてきたようです。それがギフテッドの領域に足を踏み入れているとは思いませんが、事実それなりのIQはあるのだと思います。
それゆえ、コミュニケーション障害をIQの高さで乗り越えられると幼少期に診断されたようです。それはある面では正しく、ある面では正しくないと言えます。そしてこの時の医師の言葉に僕は苦しめられることになります。
これ以降は詳しく叙述していきます。
この21年間、決して悪い人生でもなかったし、むしろ楽しいことの方が多かったです。でもその裏には常に障害が影を伸ばしていました。もちろん当時は気付いていません。また自分がASDであることを知った今、どのように生きているのか。
ASDの子を育てる親をはじめ、どこかの誰かに届けばいいなと思います。
少なくとも僕の親は、何も分かっていなかったのだなと思います。それゆえ、親と暮らした18年間はお互いが苦しみ合うような生活でした。
ASDについて様々なネット記事が存在します。でも、大半は当事者が書いたものではありません。当事者としてしか感じえないものがあるのだろうも思い、筆を走らせています。
僕や僕の家族のように苦しむ人が少しでも減りますように。
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