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実写比較 その2 iPhone15Pro と EOS6D

今回は、iPhone15Proと一眼レフEOS6Dの実写比較 その2 として、ちょっと厳しい撮影条件での比較結果と、RAW現像の前後をご覧頂きます。

下のnote記事ではiPhone15Proと一眼レフのEOS6Dで同じような風景を撮ってそれぞれRAW現像することで、昼間の風景などはiPhone15Proで行けそうとの結論になりました。


1.目的

今回は、より厳しい撮影条件でiPhoneとEOS6Dを比較するのに加えて、RAW現像前と現像後を比べてみました。

その違いやその効果を把握することで、iPhone15Proをメインカメラとして使いたいという考えです。
念願の「重たい一眼レフは必要なときに持ち出せばよい。」となるでしょうか。
  

2.比較方法

今回は、iPhone15Proと、明るさと解像力に定評のあるキヤノンマクロレンズEF 100mm F2.8L を装着したEOS6Dとの比較です。

上のnote記事で予告したように暗い場面(打ち上げ花火、昼夜逆転温室)での比較と、更にデリケートな被写体として花を撮影してiPhone15Proがどこまでマクロレンズに迫れるかを見てみようと思います。

iPhone15Proでの撮影は本体におまかせ(シャッター押すだけ)で、EOS6Dはマニュアルモードでf5.6に固定し、モニターで最適露出と判断されるようなシャッター速度とISO感度を選んでいます。

RAW現像は、これまでどおりiPhone15ProはアドビのLigtroomで、EOS6DはキヤノンDPP4を使って、EOS6Dで調整した適正と思われる画質にLigtroomで近づけるという方法を取りました。
  

3.結果

① 打ち上げ花火

そもそも一連の実写比較は「iPhone15ProでRAW写真が撮れる。」というところから始まっています。

昼間はさほど差が無くても、夕方の打ち上げ花火ではiPhone15ProのRAW撮影はかなり厳しく(シャッター速度が3秒程)モニター上に「動かさないように持って下さい。」と警告が出ます。

この表示にちょっとイラッとしますし、固定しろということだと思いますが、それだと軽いiPhoneを使う意味がありません。

打ち上げ花火はiPhone15ProでRAW撮影は無理と思います。
写真もとてもお見せできないので、iPhone15Proの通常撮影(.jpeg)したのを下に示します。

iPhone jpeg撮影

jpegではあまり調整ができません。

iphoneの名誉のために付け加えると、動画は迫力満点に撮れます。


この打ち上げ花火では、EOS6D+マクロレンズとの差がハッキリしました。

EOS6D RAW撮影 撮って出し
シャッター速度:1/80 ISO:2000
手振れせずに、画質が荒れない条件を選択
EOS6D 上の画像をRAW現像した後

 

② 昼夜逆転温室

京都府立植物園の温室内には「昼夜逆転温室」があって、室内を薄暗くして夜に咲く花を展示しています。

下の写真は、夜に咲くサボテンの花(ヒロケレウス属の仲間)で、暗めのLED照明が当てられていました。

iPhone15Pro RAW撮影 撮って出し
上のiPhone15Pro画像のRAW現像後
薄暗い中で咲いている雰囲気に調整
EOS6D RAW撮影 撮って出し
シャッター速度:1/60 ISO:1250
手振れせずに、画質が荒れない条件を選択
上のEOS6D画像のRAW現像後

EOS6Dでは画質の低下や手振れの懸念からシャッター速度やISOを選んでいるので画面が暗くなっていますが、RAW現像することで暗がりで咲いている様子を再現できていると思います。

また、へーっと思ったのがiPhone15Proの明るいRAW画像です。
内部で調整して画面を明るくしていると思いますが、後でRAW現像するので、撮ったときの写真を画面で確認するのには良いかも知れません。

一方、EOS6DではRAW撮影で暗くても、RAW現像で十分明るく表現できて、破綻もしません。
(iPhoneの方の雄しべは少し質感が足りない感じです。)
  

③ 熱帯スイレン

京都府立植物園の温室前の池には熱帯スイレンが何鉢かあって、ちょうど花期を向かえていたのでこれでデリケートな差を比較してみました。

iPhone15Pro RAW撮影 撮って出し
上のiPhone15Pro画像のRAW現像後
アスペクト比を3:2にトリミング

昼夜逆転温室と同じようにiPhoneの撮って出しの写真は明るくて、更に全ての被写体にピントが合っています。
また、花の中心部分が白飛び気味で雄しべの様子が分かりません。

そこで、その2点に注目してRAW現像してみると、その右上の葉っぱは適度にボケ、花の中心もクリアになりました。
iPhone15ProのRAW現像の能力は、評判通りと言えます。
  

EOS6D RAW撮影 撮って出し
シャッター:1/800 ISO:100 絞り:5.6
上のEOS6D画像のRAW現像後

EOS6DのRAW現像では花色を少し調整したくらいで、花の中心もハッキリ写っていて、安定のマクロレンズ品質です。
   

④ オミナエシ

同じく京都府立植物園の「四季 彩の丘」に秋の七草のオミナエシ(女郎花)が咲いていたので、その花で比較してみました。

iPhone15Pro RAW撮影 撮って出し
上のiPhone15Pro画像のRAW現像後
アスペクト比を3:2にトリミング

RAW現像では中心部の花の焦点を少し調整しています。
また、バックの草むらが鬱陶しいので、RAW現像で大きくボケるような操作をしても思うようにボカスことが出来ませんでした。
  

EOS6D RAW撮影 撮って出し
シャッター:1/500 ISO:100 絞り:7.1
上のEOS6D画像のRAW現像後
ハチを強調した

今回意外だったのが、iPhoneのRAW現像でバックを上手くボケさせられなかったことです。

考えるに、手前の花の間に背景が点在していると、背景と認識できないのかも知れません。(あくまでも素人の推定です。)

結果として、そう言うことがある事が分かったのは収穫です。

EOS6Dでは被写界深度を稼ぐため、今回だけ絞りを7.1に増やしました。
それでもバックは十分にボケています。
  

4.結論

やはり、一眼レフで撮影が厳しい条件では当然iPhone15Proにも厳しく、問題の無い通常撮影との境目を明らかにする必要があります。

打ち上げ花火のような暗い状況ではiPhone15ProではRAW撮影ができない、例え撮影しても品質の良い写真は得られませんが、若干明かりのある場面(昼夜逆転温室)では全く問題がなく、これから試行錯誤を重ねて限界を知る必要がありそうです。

二つ目として、iphoneのRAW現像のボケ操作は万能ではないことが分かりました。
これも境目を知るための経験が必要です。
  

最後に、今回の撮影を通じて感じたことは、直射日光下ではiphoneのモニターが見えづらく、構図を上手く決められないことです。
見えづらさは撮影後も同じで、陰に移動しないと確認できません。

直射日光を遮るアイテムが必要と感じました。
一眼レフはファインダーを覗き込むのでその心配はありません。



ここまでご覧頂き有難うございました。


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