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だくりや
2021年1月8日 23:20
僕が30代後半のころまで、ばあちゃんはまだ生きていた。 ばあちゃんは毎朝仕事に出かける僕を、玄関で見送ってくれた。 うちの玄関は広い。靴が好きな僕は、毎朝ていねいに時間をかけて靴を履く。そのあいだばあちゃんは、玄関の少し離れた場所に腰掛けて、僕のことをにこにこと見守っていた。 そのころの僕は、毎朝ばあちゃんがそんなことをするのがあまり好きではなかった。少しうざかった。母はばあちゃんに