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初めての技術広報:勉強会イベント開催編

こんにちは。DevEnable室(以下、DE室)の吉野高一(@tkkz1009)です。
Timee Advent Calendar 2023」のCトラックの9日目のエントリーです。12/1の1日目に続き2記事目となりますがバトンツナギしてやっていきたいと思います。
1日目エントリは以下参照。

昨日(12/8)までですでに24記事が配信されてます。まだ3分の1とは、先が長いですね。アドベントカレンダーの企画発起人としては、お忙しい中期日通りに発信してくれたみなさんには本当に感謝しかないです。

今回は「初めての技術広報:勉強会イベント開催編」をテーマにお話しさせて頂けたらと思います。


今年から技術広報に関わるようになりました。

正直私は、人事の経験はあっても広報に関わること(採用広報や技術広報)はこれまでやってきていませんでした。
タイミーに入社した時は、エンジニア向けの制度を中心に活動していくことが期待値と揉められていましたので広報が必要という認識はまだありませんでした。しかし、開発組織のスケールにあたり広報は必須であり、特にエンジニアに「開発組織がある」ことを認知してもらうわなければならないと気づきました。
今年は5月以降、コロナ禍も明けるということと、狂気のDevRelも入社してくれたので毎月2〜3回程度のペースで自社開催の技術イベントを開催してきました。
これらの活動をしていく中で、よく「勉強会イベントってどうやっているの?」と他の人事や技術広報の方に言われるようになりました。この数をこなしていくのは企画力ありきなところもありますが、そもそも開催ノウハウがないので右も左もわからない!という声もよく聞くので1年も経ってませんが運営のアウトラインや注意点を学びの整理も兼ねて簡単にまとめられればと思います。またここでは特に断りのない限りオフライン開催のイベントを軸に話していきます。
より詳しいこと知りたい場合は、以下の本を参照することをお勧めします(また再販する機会はあるのかな)。


勉強会イベントの目的

会社それぞれだと思いますが、通常は会社の技術、知見を発表、還元することでテックブランディングの向上であったり、登壇することで学びの言語化を促しエンジニアのプレゼンスを高めていく(優秀なエンジニアがいることもテックブランディングに繋がる)ことが目的になっていることが多いと思います。このテックブランディングの向上がエンジニア採用に寄与するため、ぶっちゃけ多くの企業が「エンジニア採用」を目的とした認知活動に勉強会イベントを開いているのかなと思います。なので本来は「技術広報」なのですが、「採用広報」に寄った意識で企画しているところが多いと思います。個人的にはここはあくまで学びを発信することで世の中からFBをもらいさらなる学びへ繋げていくことで「人・組織のプレゼンス向上」にフォーカスしていくべきと捉えます。結果としてテックブランディングの向上→優秀なエンジニアが集まってくるきっかけとして採用広報に繋がるが良いかと。

多くの競合企業がいる中、転職候補に自社を選んでもらうにはまず「認知」してもらうことが大事です。一方で、採用イベントというのが透けて見えてしまうと、転職意向が顕在化している人以外はイベントに来てくれません。なのでエンジニアが行きたくなるテーマ、興味を持つコンテンツ作りが必要になってきます。

注意点として「採用目的」でも良いのですが、リクルーター視点だと、直近の数字を追っているため、イベントに来てくれた人が自社に興味を持ってくれたらカジュアル面談に進めて母集団に繋げたい気持ちにかられると思います(その気持ちすごくよくわかります)。ただ基本的に今すぐ転職を考えている人は多くなく、企業側が望んでいる優秀なエンジニアは通常は優秀ゆえに現職で活躍しているので何かしらの理由や事情がない限りすぐに転職するという選択肢は発生しにくいです。短期的な成果に捉われず、今後転職を考えることになった際に自社のことを頭の片隅に覚えていてもらうといった中長期的な視点で活動していくことが望ましいと思います。

勉強会イベントの指標

目的次第になりますが、中長期的なテックブランディングの向上と採用を目的とした場合、自社のファンがどれだけ増えているかが重要かなと思います。多くの勉強会イベントはconppassで告知、集客をしているかと思いますので認知を得ている、集客可能性のバロメータとしてconnpassでの自社のグループ人数は参照しやすいかもしれません。一方で「認知」は単発だけではなかなか浸透しないため、一定の継続性が求められます。最初のうちは継続していくことを指標にすることも良いと思います。

イベントの企画、テーマについて

最初にイベントの企画を考えます。
ここについては正直私から皆さんに価値提供できるものはほとんどないのですが、大きく以下3点で考えることになると思います。

  • どんなテーマで企画をやりたいか?

  • どんなテーマの企画なら自分たちで実現できるか

  • 採用観点だとどんな技術領域、ロールの人にアプローチしたいか?

企画を決めてから登壇者を決めるのか、登壇者を決めてからテーマを考えるのかどちらでもOKだと思います。企画が固まっていくと自然と構成(セッションなのか、対談なのか、LT会なのか)が決まっていきます。
タイミーでは企画を決めてから登壇者を募っていくことで月数回というペースをこなせていたと思います。
すごいね、kawatamtaさん!
企画にお悩みの方は以下の記事をご参照ください。

またイベントは自社だけでやる必要はなく、複数社(2〜4社)で行うで良いと思います。(ほとんどがそうかと)

どこで開催するのか?

自社に開催できるオープンスペースがあるところはそんなに困らないかと思いますが、2020年以降、コロナによってオフィス環境は一変しました。

長期間、外出を控える時期があり、その間リモートワークが急速に普及しました。それにより、それまでのオフィス環境(特に広さ)を必要としなくなったために、オフィススペースを縮小したり、移転するところも多くなりました。なので、自社のスペースで開催できなかったり、長期間、技術イベントはオンラインが主流だったためにどこなら貸してもらえるかがわからなくなっているケースもあります。

場所がないために開催ができない、エンジニア間の交流の場が減ってしまうというのは非常にもったいないですね。最近ではそんなニーズに応えてか、技術コミュニティに対してイベントスペースをオープンにしているところも増えているので各社問い合わせてみてはいかがでしょうか?

イベントの告知、集客

企画、テーマ、登壇者、開催場所が決まったらイベントを告知しましょう。
前で触れた通り、エンジニア系のイベントであればconnpassがほとんどだと思います。告知したらSNSで拡散していきましょう。

懇親会準備

イベント(セッションやLT)終了後はエンジニア間の交流を目的に懇親会を開くことが多いと思います。
社内で発注稟議が必要なところは開催の1週間前には手配を始めたほうがいいでしょう。共催する場合、懇親会費の費用感や各社折半の取り決めは事前に行っておきましょう(お金のことなので後で揉めないように)。

懇親会のあるイベントで特に注意なのが「タダ飯」目的でイベントに参加する方々です。イベント界隈でもよく問題の声が上がっているのですが、懇親せずにご飯だけ黙々と食べている方々がいるようです。集客のために懇親会の食事をお寿司など豪華にしている場合などは特に。

これについてはブラックリスト化しても違うアカウントを作ったりしてイタチごっこにもなっているようです。

対策はまだまだ模索中だと思いますが、考えられる方法としては参加費を少額でも徴収するなどが考えられると思います。
弊社では現時点ではそういったケースはまだ発生していないのですが、工夫としてはお寿司やピザといった全体で分けていくものを選ぶのではなく、小分けされたもの(〇〇サンドや、お弁当)を一人一個ずつ配布するという方法です。これによってひたすら食べるだけというムーブはできなくなるので一定の制限はかかると思います。

これは「タダ飯」対策というよりは、お寿司やピザは開けたり小皿やお箸を配ったりする準備にそこそこ手間があり、参加者にも手間を強いるケースがあるのでそういった準備コストや懇親会までの流れをスムーズにすることが目的でした。


イベント当日の運営準備

当日の運営はやることがいっぱいですが、大体以下の作業があると思います。

  • 会場の設営

  • ケータリングや飲みのものの買い出しまたは受け取り

  • プロジェクターやマイク等の接続確認

  • 受付の準備

  • 懇親会用の名札準備(名刺か名札カードに名前を書いてもらう)

運営についてはできるメンバーでやる、共催する会社間でうまく分担するのがいいと思いますが、なかなか見つからない場合はconnpass上で運営サポートしていただける方を募るのも良いと思います(イベント運営大好きな方や運営を勉強したい方もいたりします)。
受付についてはイベント開始後も15分くらいは遅れてくる方のために残っておいたほうがいいでしょう。その後離れる場合、遅れた方がすぐに来れるよう連絡先を書いた案内を受付に残しておくことを推奨します。

イベント運営

主にモデレーターがいて、アジェンダに沿って進めていくかと思います。
接続や機器トラブルがないか気をつけましょう。好みによりますが進行スライドと各登壇スライドは統合しておくとスライドの切り替えなどがなくスムーズです。

アンケート

イベントの運営がどうだったかなど、改善をするためにもアンケートはとりましょう。最後の進行スライドでアンケートのQRコードを用意しておくことが一般的かと思います。カジュアル面談への導線も必要に応じて作ります。
タイミーではアンケートの後、懇親会なので
「働くものは食うべからず、参加して頂いた方々にとっての労働はアンケートに答えること」という案内でいくと回答率がかなり高いです。

懇親会

タイミーでは懇親会は立食ではなく、着席型で行っています。(もちろんイベント規模にもよりますが)
これは、2つの理由があり、私がおじさんなのもあるのですが長時間
立っているのは結構きつかったりするので座っていたいお気持ちもあるのと、もう1つは、立食だとバラバラで島を作ったりして積極的にコミュニケーションをとる人とそうでない人に別れてしまいがちだからです。
私自身、陰キャなのでいろんなグループにどんどん入っていくのは結構ハードルが高かったりします。
各テーブル(元々座ってたところ)で島を作るという意図的に閉じた設計にすることで、その中でコミュニケーションをとる必要があるので知り合いだけで話すという分断が避けられるメリットがあります。
一方で流動しにくいので、定期でシャッフルを促す工夫は必要となります。

撤収にあたり

終了時間になったら撤収作業があるので、懇談の途中で心苦しくはあるのですがスペースを借りている場合、制限時間もあるため、撤収準備にはなるべく早く着手する必要があります。
工夫としては「蛍の光」のような終了・閉店の雰囲気があるBGMを流すと格段に流れがスムーズになります。

さいごに

いかがでしたでしょうか?
企画より運営の方が中心かつ結構当たり前の話も多いので「知ってるわ」案件かと思いますが知らない方にとっての知見になると幸いです。

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