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【映画記録】2024/6 鑑賞映画報告

 気が付いたら六月が終わっていました。今月は映画もあまり観れず、本も碌に読めず、何もできない一ヶ月でしたが、人生で初めて新型コロナウイルスに罹患し死ぬ思いで復活するという偉業を成し遂げたので、総合点は満点です。高倉、よく頑張ったね。偉いね。

 さて、六月に観た映画の記録です。


リップヴァンウィンクルの花嫁

 脚本が天才。美しくて残酷。夢のように澄んだ景色ばかり映し出されているのに、画面の端に金と欲ばかりがとぐろを巻く現実が見切れている。
 衝撃のあまり、視聴後しばらく立てませんでした。得体の知れない何でも屋、安室を演じる綾野剛が本当に本当にヘキに刺さります。怪しい綾野剛が好きな人はみんなみてください。

 本当のことを言い出せずにこんなところまで来てしまった記事を書きました。

エルム街の悪夢

 夢は現実の記憶でできているけれど、その逆はあり得ない。夢は現実になれない。現実だと思って見ていたものが実は夢だったと気付いた時の、足元の危うさといったらない。この浮遊感を恐怖と絶望の演出にフル活用したのが「エルム街の悪夢」で、不気味と安楽に活用したのが「パプリカ」だと思っている。

ポゼッサー

 ターゲットに近しい憑依してターゲットを殺害するタイプの暗殺者の物語。他人に憑依されて自分の意図しない行為をさせられることを、寄生虫に寄生されると例えたのが印象的だった。
 ロイコクロリジウムという寄生虫は、カタツムリに寄生して、天敵の鳥に見つかりやすいようにカタツムリの行動を操るという。カタツムリ自身の意思で鳥の前に姿をさらしたのか、寄生虫による行為なのか、カタツムリを解剖してみるまでは分からない。
 自らの意思による行為か否かを寄生虫の有無で証明できるぶん、寄生虫の方がいくらか優しいかもしれない。憑依する魂は不可視だ。私が私であることを、君が君であることを、どうやって証明したらいい?

新幹線大爆破

 世界一カッコイイお仕事映画です。登場人物の全員が、自分の信念に忠実です。いつか、倉持運転指令長のような仕事人になりたい。
 あまりにもカッコよすぎる!という記事を書きました。

死刑にいたる病

 こう言うと見識を疑われるかもしれませんが、「死刑にいたる病」はかなり快適な映画でした。人心掌握の天才、榛村の掌の上で転がされているという安心感。たどり着くどの真実も、深読みも、榛村によって導かれた筋道なのでどれもこれも信用が置けなくて、最後に「あぁもうこれは無理だな」という安らかな諦念が心を満たします。何もかも諦めたい人におすすめです。



 今年もとうとう折り返しですが、視聴映画本数はというとまだ半分を満たしていません。とてもやばい。数を観たら偉いということではないが、それでも掲げた目標くらいは達成したい。後半戦も頑張ります。
 6月時点で観た映画、40 本。100 本まで残り60 本です。

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