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パフラヴァに合うナッツ-クルミ vs アーモンド-
自宅で作る料理のレパートリーに、中央アジアおよび周辺地域で食べられるお菓子「パフラヴァ」というものがあります。
ナッツや砂糖を乗せたパイ生地を何層にも重ねて焼く、いわば中央アジアのパイで、砂糖、はちみつも絡んでくるので焼いている最中は部屋中が甘い香りに包まれます。
起源は諸説ある中、トルコやイスラム文化の関わりを指摘する意見があり、その地域圏ではバクラヴァと呼ばれています。
私が開催している料理教室ではこのパフラヴァを取り上げているのですが、自宅・教室ともに普段はクルミを使って焼いています。
はじめて挑戦した時に参考にしたレシピはクルミを使っていて、かつ現地(カザフスタン)のマーケットで見かけた際や参考資料を読んだ際もそうだったので、パフラヴァ=クルミのイメージが強いのですが、参加者の方から「他のナッツを使うと味は変わりますか?」と聞かれました。
自宅含めると何度も作っていますが、クルミしか使用してこなかったので今回、思い切ってアーモンドに取り換えて作ってみました。
クルミを使ったパフラヴァ
・甘みがでる
・焼き上がりサクッと、冷めるとヌガー感(のっぺり、心地よい噛みごたえの意)がある
アーモンドを使ったパフラヴァ
・すっきりとした甘み
・焼き上がりはサクッとするが、冷めた時にヌガー感は出づらい
いずれにせよ甘みがあることは間違いなく、見た目に反し一口(1ピース)あたりの満足感が大きいことに変わりはありません。
しっかりした噛みごたえもあるので、パフラヴァとしての特徴がクルミでもアーモンドでも失われませんでした。
ただ、冷めた時のヌガー感...この感覚を伝えるのが難しいのですが、温度が下がったためサクッと感の代わりにキャラメルのような心地よいかたさ、ちょっとお下品な言い方をすると歯につくような感じ、これもまた魅力なのですが、それがアーモンドにすると減退するな、という印象を受けました。ちなみにどちらのナッツも素焼きなので塩味はなし。
ちなみに「ヌガー(ヌガークラッセ)」もまたクルミやアーモンドを使い、パフラヴァ同様にアラブ文化に起源を持つようです。ロシアや中央アジアでも食べられる、「ハルヴァ」がその親戚にあたります。(先の出典にも記載)
ということで、個人的にはクルミを使ったパフラヴァが好み、タイトルに倣うと"勝ち"とします。
またパフラヴァの料理教室を開くときは、引き続きクルミを使ったレシピでご案内しようと思います。