国立能楽堂「小督」
京都を主舞台とする金剛流を観ることは珍しく、舞金剛という力を体感したかった
仲国がシテの扱いだが、小督とダブルシテという印象。
小督の疎外と、仲国による同情が主軸か。小督の仲国を迎えての「余りの事の心乱れ」という言葉は象徴的。
枝折戸のツクリモノがある間は外と内に領域があるが、ツクリモノが運び出されることで、内の領域が拡大するという融通無碍。
また、感情も固定的ではなく無碍ということが日本の印象。
「言の葉もなし」「言の葉もなき」という繰り返しが、ことばというものの持つ力への信頼を意識する。
また、「心も勇める駒に」で、仲国が後見の力も借りて袖をまくる姿が印象的。
最後、小督と仲国が立ち上がる。小督が橋掛かりを見て、中正面を見る。何を見るのか、感情が籠る。観ている側の感情を揺さぶる。
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