なぜブリージングが大切なのか３歳児にもわかるように説明せよ

最近のクラスでは、みんなにちょっと意地悪な質問をしています。

「なぜシステマではブリージングが大切なのですか？」

呼吸をするのは生きるため。それで十分なはずなのに、なぜあえて鼻から吸って口から吐くというちょっと不自然な「ブリージング」をしなくてはいけないのか。

するといろんな答えが返ってきます。「リラックスするため」「緊張を取り除くため」「パフォーマンスを発揮するため」などなど。

でもなぜリラックスしなくてはいけないのか。なぜ緊張を取り除かねばならないのか、なぜパフォーマンスを高めるためにブリージングが必要なのでしょう。それを３歳児にもわかるように説明してください。そうやって内心、意地悪な質問をして申し訳ないなあと思いながら、どんどん問い詰めていくのですが、するとだいたいの人は答えに詰まってしまいます。

システマをそれなりにやっていれば呼吸が大事だなんて当たり前ですし、バーストブリージングだのライトブリージングだの第二の呼吸だの色々と練習しているはずです。だからブリージングの重要性ややり方については詳しい割には、肝心の「なぜそれが必要なのか」という根本的な部分が意外に抜け落ちてしまっているのです。これがわからなければ、目的地を決めずに車を走らせるようなもの。どれだけ運転がうまくたって、立派な理屈をこねられたって、どこにも行くことができません。目隠しをしたまま車を走らせ、自分の運転に間違いがないか、方向があっているかどうか、たえず誰かに聞きながらノロノロ前に進むしかありません。

答えは自分で見つけてほしいので、意地悪な誘導をします。スタティックプッシュアップなどで負荷をかけるのです。すると間もなく筋肉がプルプルし始め、汗を流し歯を食いしばりながら一生懸命、ブリージングをし始めます。とても性悪な僕はさらに尋ねます。「いま、なぜあなたはブリージングをしてるんですか？」「ブリージングしてどうなりたいんですか？」

するとポロッとこんな言葉が漏れてきます。