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甲子園の教育論① 苦手は世界を狭くする
◆「育ってきた環境が違うから 好き嫌いは否めない」
SMAP、人によっては山崎まさよしの名曲『セロリ』の冒頭の一節である。
この曲を初めて聞いたのはたしか、小学校の高学年だった。『青いイナズマ』の方が当時は分かりやすくカッコよかったが、いまではこの曲の方が「染みる」。
人間だから好き嫌いがあることは仕方がない。むしろ好き嫌いを「悪」としてその克服を強いる正義こそが偽善であるとすら思う。
(10年ぐらい前に当時の彼女が旅行先で私の嫌いな納豆を食べるように「強制」してきたことに腹立て、半日口を利かずに過ごしたことを思い出す……小さいとか言わないこと!)
◆苦手なものが世界を狭める
しかし、納豆が嫌いな私が納豆巻や納豆そばなどのおいしさを知ることがないように、苦手であることは確実に世界を狭める。
狭い世界に安住することも一興だが、個人的には若い人には広い世界を見てほしい。そのためにも苦手なものは出来る限り少ない方がいい。セロリだって、納豆だって食べれることに越したことはないのだ。
これはプロ野球のファン心理も同様なのだ。
今年のタイガースファンは久々に、場合によっては初めて味わう緊張感がある。
それは、「追われるもの」の恐怖。
一昨年のシーズン終盤にはCS(クライマックスシリーズ)出場ラインの3位に届くのかを我々タイガースファンは日々手に汗を握っていた。
詳しくはこの動画をご覧あれ。
昨年のシーズンは2位だったが、首位争いというものはそこにはなく、3位にならないため戦いの結果であった。
その理由はただ一つ。読売ジャイアンツ(以下「巨人」)の存在である。
巨人との開幕戦。西をなぜか早く降ろして、吉川尚にスタンドに逆転弾をぶち込まれ、そこからボーアも呪われたように打たず、なんだかわからないけれどキャッチャーは3戦とも違う、、気づけば開幕3連敗。
そこから開幕12戦で2勝10敗という、今年の横浜も真っ青な戦績。
しかし、終わってみれば60勝53敗7分。しかも、4球団に対して3つ以上の勝ち越しを得ている。ん?計算が合わない。
そう。開幕三連敗を食らった巨人に8勝16敗。こうなると、去年は巨人戦はスポナビの一球速報すら見なくなる。他球団と巨人当たっているときはその球団が勝つことをひたすら祈る日々。しかし、そんな状態では追いつくことは決してないのだ。
そう、見える世界が2位以下の世界なのである。現に一度も首位に浮上しなかった2020年の見える世界は狭かった。
翻って今季。あの巨人に1つとはいえ勝ち越している。もちろん他球団にも。ヤクルトには1敗しかしていない。(その負け方があまりにもひどかったが。)この強さは2008……いや、2003年以来の勢いを感じる。そして気づく。いや、思い出す。首位から見るセ界ってこんなにも広いのね…。
◆受験においても苦手はない方がいい
さて、大学受験である。大学受験は科目数が多い。特に国公立大学の受験生は。
共通テストレベルで大きな穴を作ってしまうと、やはり出願できる大学の選択肢が少しずつ狭まってしまうのだ。
二次試験は大学によって配点の傾斜が大きいところがある。何を隠そう私の出身校である一橋大学は、社会学部であれば数学の配点はかなり低い。そこに合わせた戦略を立てなくてはならない。とは言え、苦手科目を放置して受験することはその大学への冒涜ですらある。
私は数学が苦手で社会学部に合格したが、入学後同じ学部の同級生は数学もそれなりに得点していた。つまり、大穴が出来ている人間は合格する可能性が非常に低くなる。
一橋で同様の事態があるのだから、況や東大や京大をや、である。
さらに言うと私大専願で苦手科目が……とか言っている場合ではないのである。
受験生も苦手科目を無くす、または苦手の度合いを変えることが大事なのだ。
だって、今年の阪神は巨人という苦手を少しずつ克服しているから首位にいるのですから。
さて、交流戦が始まる……(これも苦手領域なのだ)
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