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国公立大学分析⑦ 秋田大学(2016-2019)

こんにちは。

今回は東北シリーズ第三弾、秋田大学です。




なお、ここ最近、世の中の自粛解禁ムードに連動するように私の仕事量も増加しているので、この自己研鑽も「ペースを落としつつも必ず毎日少しずつ進める」というスタンスになっております。ご容赦ください。


〇2016年の分析

①文章の分析
【出典】佐藤健二『ケータイ化する日本語』
 → 同年の大阪府立大学、高崎経済大学で同一出典の文章から出題。
【字数】4,100字
→ 国立大学としては標準的な字数。
【文章テーマ】言語論
→ 言語理解の方法を翻訳などを例にして論じている。
【文章難易度】★★★☆☆
→ 比喩理解がどこまでできるかがポイント。

②設問の分析
【設問数】 7問
【記述量】 字数指定問題は問7以外ない(が、250-300字程度)
【難易度】 ★★★☆☆
【総評】  傍線の引き方が秀逸。内容理解ができているかが確認できる。

<各設問分析>
  問1 換言記述
【根拠探索】★★☆☆☆
【字数調整】★★★☆☆
【難易度】 ★★★☆☆(2.5ぐらい)
【コメント】 
  ・本文中の定義をまとめる問題。二つ目の翻訳のほうがまとめやすい。

  問2 抜き出し ★★☆☆☆
【コメント】
  ・探す範囲も決まっているので追いやすい問題かな…と。

   問3 換言記述
【根拠探索】★★★☆☆
【字数調整】★★★☆☆
【難易度】 ★★★☆☆
【コメント】 
  ・根拠の確定もやや戸惑うが、それ以上にまとめる際に少し苦心しそう。

問4 空欄補充 ★★☆☆☆
【コメント】
 ・論理展開から考えると…そんなに難しくない。

問5 換言記述
【根拠探索】★★★☆☆
【字数調整】★★★★☆
【難易度】 ★★★★☆(3.5ぐらい)
【コメント】 
  ・具体化記述。抽象内容の根拠は確定しやすいが、表現が難しい。
  ・引っ張るべき具体例をミスすると…と考えるといい問題だ。

問6 理由記述
【根拠探索】★★★★☆(3.5ぐらい)
【字数調整】★★★★☆
【難易度】 ★★★★☆
【コメント】 
  ・「空間的」の解釈ができないと根拠の探索がぶれる。
  ・具体例の挙げ方は複数あるので、気づけば問題なく解けそうではある。

問7 自由記述
【難易度】 ★★★★☆
【コメント】 
  ・自分の意見の表明は難しくないが、具体例を挙げるのが本当に難しい。
  ・いい問題出しますねえ…。


〇2017年の分析

①文章の分析
【出典】國分功一郎『民主主義を直感するために』
【字数】3,600字
→ 国立大学としては標準的な字数。
【文章テーマ】哲学
→ 「消費」と「浪費」の違いを論じつつ、現代社会を批判している。
【文章難易度】★★★☆☆
→ 定義をちゃんと押さえることができるのか、が問われている。

②設問の分析
【設問数】 6問
【記述量】 字数指定問題は問6以外ない(が、250-300字程度)
【難易度】 ★★★☆☆
【総評】  引き続き、問題設定が秀逸。
      國分功一郎を題材にした問題の中でも屈指の名作。

<各設問分析>
  問1 換言記述
【根拠探索】★★☆☆☆
【字数調整】★★☆☆☆
【難易度】 ★★☆☆☆
【コメント】 
  ・サービス問題。基本的な作業も確認できる。

問2  換言記述
【根拠探索】★★☆☆☆
【字数調整】★★☆☆☆
【難易度】 ★★☆☆☆
【コメント】 
  ・これもサービス問題。対比をまとめることができればOK。

   問3 換言記述
【根拠探索】★★☆☆☆
【字数調整】★★★☆☆
【難易度】 ★★★☆☆(2.5ぐらい)
【コメント】 
  ・具体化記述は秋田大学頻出。具体例まで理解が必要である。

問4 選択肢 ★★☆☆☆
【コメント】
 ・まあ、迷わないかなあ…。

問5 換言記述
【根拠探索】★★★★☆
【字数調整】★★★★☆
【難易度】 ★★★★☆
【コメント】 
  ・「社会的な意義」を換言するのがなかなか難しい。
  ・いいところに線を引くなあ…と。

問6 自由記述
【難易度】 ★★★★☆
【コメント】 
  ・自分の意見の表明は難しくないが、具体例を挙げるのが本当に難しい。
  ・毎年、いい問題出しますねえ…。

〇2018年の分析

①文章の分析
【出典】『集合知とは何か』 西垣通
 → 2019立教大学、2015静岡大学、他、頻出。
【字数】3,300字
→ 国立大学としてはやや少なめな字数。
【文章テーマ】現代社会論
→ 現代社会における知について論じている。
【文章難易度】★★★☆☆
→ 論理展開が明確。しかし、受験生には読みにくいかも…?

②設問の分析
【設問数】 7問
【記述量】 字数指定問題は問7以外ない(が、250-300字程度)
【難易度】 ★★★★☆
【総評】  
 この三年間の流れは秀逸。この設問の並びは美しいが厳しい。

<各設問分析>
  問1 換言記述
【根拠探索】★★☆☆☆
【字数調整】★★☆☆☆
【難易度】 ★★☆☆☆
【コメント】 
  ・これはサービス問題。解けないとダメ

  問2 換言記述
【根拠探索】★★★★☆
【字数調整】★★★★☆
【難易度】 ★★★★☆
【コメント】 
  ・「権威主義」の言い換えは非常に難しい。語彙力も問われる。良問。

  問3 換言記述
【根拠探索】★★★☆☆
【字数調整】★★★★☆
【難易度】 ★★★★☆(3.5ぐらい)
【コメント】 
  ・範囲が決められているが、その中で表現を決めていくのに苦心しそう。

  問4 理由記述
【根拠探索】★★★★☆
【字数調整】★★★★☆
【難易度】 ★★★★☆
【コメント】 
  ・意外と根拠も表現もしづらい問題。
  ・文章内容をもとに考えていく必要性がある。

  問5 選択肢 ★★☆☆☆
【コメント】
 ・論理展開から考えると…そんなに難しくない。

  問6 換言記述
【根拠探索】★★☆☆☆
【字数調整】★★☆☆☆
【難易度】 ★★☆☆☆
【コメント】 
  ・ここにきてのサービス問題。これはあっさり答えないと。

  問7 自由記述
【難易度】 ★★★★☆
【コメント】 
  ・自分の意見の表明は難しくないが、具体例を挙げるのが本当に難しい。
  ・毎年毎年、いい問題出しますねえ…。


〇2019年の分析

①文章の分析
【出典】リスク化される身体 美馬達哉
【字数】3,800字
→ 国立大学としては標準的な字数。
【文章テーマ】現代社会論
→ 現代社会におけるリスクについて論じている
【文章難易度】★★★☆☆
→ 論理展開がそんなに難しくない。ちゃんと追っていけるもの。

②設問の分析
【設問数】 6問
【記述量】 字数指定問題は問6以外ない(が、250-300字程度)
【難易度】 ★★☆☆☆
【総評】  
 ・昨年の難しさからの反動?あまりにも拍子抜けの問題が多い。

<各設問分析>
  問1 換言記述
【根拠探索】★★☆☆☆
【字数調整】★★☆☆☆
【難易度】 ★★☆☆☆
【コメント】 
  ・サービス問題。簡単すぎる。

問2  換言記述
【根拠探索】★★☆☆☆
【字数調整】★★☆☆☆
【難易度】 ★★☆☆☆
【コメント】 
  ・これもサービス問題。昨年の反動か?

  問3 換言記述
【根拠探索】★★☆☆☆
【字数調整】★★☆☆☆
【難易度】 ★★☆☆☆
【コメント】 
  ・いくら何でも…簡単すぎない?

問4 客観系 ★★☆☆☆
【コメント】
 ・まったく難しくない。昨年やや難しく作った反動?拍子抜け。

問5 換言記述
【根拠探索】★★★★☆
【字数調整】★★★☆☆
【難易度】 ★★★★☆(3.5ぐらい)
【コメント】 
  ・「単純な科学」について言い換えるのが難しい
  ・この年唯一のちょっと悩む問題。

問6 自由記述
【難易度】 ★★★☆☆
【コメント】
  ・この問題すら、今年はそんなに難しくない。

〇分析結果~見えてくるもの


 ・ 文章量は標準的。現代文しかないのは…どうなのか。
 ・ 文章テーマは哲学、現代社会論が多い。
 ・ 具体化、意見記述など記述のバリエーションもあり、良問。
 ・ 弘前大、岩手大よりも一段難しい。


以上です。次回は、同じ秋田の「国際教養大学」の問題を扱います。

それでは。

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