首都圏最難関高校入試についてのお話〜早慶附属高校編②
こんばんは。月が替わって11月。本格的にnoteの投稿も再開していきます。
嘘にならぬよう…。すこしずつ。すこしずつ。
月曜日は高校入試、特に首都圏最難関高校入試についてのお話を少しずつしていきたいと思います。
◇<枕>見える世界の違い
昨日、佐々木俊尚氏のTwitterでとある「はてなブログ」の記事が取り上げられていた。
ここで語られているのは地方と都市部の様々な格差であった。この記事で言えばまさに「恵まれた」文化資本の中で育った私は、少し愕然としてしまった。(とはいえ、記事の主は勉強によってなんとか階層移動ができた時点で幸せなのだとも思うが。)
そして、記事の中に以下のような記載があった。
他にもある。勉強する環境だった。彼らは小学校から塾に通って勉強をして私立中学高校の一貫校に行っていた。
なるほど。私はまさにこのパターンである。
しかし、首都圏にはこれ以外にもほかの地方にない教育環境がある。
それが、早慶附属高校の存在である。
◇早慶附属高校に進学するということ
大学付属の高校は各地に存在しているが、付属大学にそのまま進む、というよりも内部試験を突破したり、他大学への進学を前提としている高校が多いように思われる。
それに引き換え、早慶附属高校、とくに高校から入学するところは、すべての高校が附属大学に進学することを前提としており、実際にほぼ100%の進学率を誇る。
そして、進んだ先は早稲田大学であり、慶應義塾大学である。おそらく学歴で困ることはない大学だ。
つまり、早慶附属高校進学者は16歳の春に自分の学歴をほぼ確定させるのである。
◇混迷の時代の学歴の意味
コロナウィルスの影響で多くの企業が副業を認め、それは中小企業にとどまらず大企業までその波に呑まれている。時代が一気に進んだと言えるだろう。(これは教育業界も同様かもしれない)
私が新卒で某不動産デベロッパーに入社した時、朧げに自分が定年になるまでは大企業での働き方は大きく変わらないのではないか、と思っていた。それは中にいる人間たちの優秀さや、企業体質の強靭さなどを考えるとそうそう崩れるものではないだろう、と感じていたからだ。
しかし、その思惑は崩れようとしている。学歴よりもスキルが大事となる時代はもうすでに到来しているかもしれない。
すると、早稲田大学卒業、慶應義塾大学卒業、ということの意味は今後は相対的にどんどん低くなっていくのかもしれない。
◇だからこそ受験勉強そのものの意味を問うていきたい
私が高校受験を担当していた時に、ここまで社会は混迷を極めていたわけではない。しかし、早慶附属高校志望者に接するときに常に伝えていたことがある。
「高校受験は、君たちにとって最後の受験になる。だからこそ、全力で受験に向き合ってほしい。学歴よりも『もうこれ以上できなかった』と思える経験を積んでほしい。そのことが未来の君たちの支えになるし、それをもとにさらに成長できるから」
これは早慶附属志望者に限ったことではない。むしろ高校受験のみならず大学受験にも通ずると思っているし、それは常々伝えている。
しかし、あらゆる受験のフェーズの中で早慶附属高校受験者には特に強く訴えてきたつもりだ。
かれらは中学受験組、大学受験組という高校受験よりもレベルの高い、そして競争の激しい層と大学で合流する。そこで彼らに負けないと言える経験を高校入試でしてほしいのだ。
だから私は、早慶附属高校の入試においては合格校数という結果にもこだわりが強くある。ここら辺は、また来週に。
それでは。