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小説家を目指す私がこだわりの名刺を持つワケは
何かを始めるときに、カタチから入るタイプの人間がいる。まさにそれだ。まず、手元に名刺を置きたくなる。学生の頃からそうだった。新しく挑戦する自分を、誰かに認識してもらいたいのかもしれない。
名刺作りにおけるこだわりの点は二つある。ひとつは「二つ折り名刺」であること。もうひとつは「顔写真を入れること」だ。
名刺は初対面の相手に自然に受け取ってもらえ、絶対に目を通され、それでいて捨てられる可能性が低いアイテムといえる。それって、自分を知ってもらい、後々見返されながら、思い出してもらえる可能性が高いツールともいえるのでは。
だから、これ、はじめましてで受け取ってもらったときにひとネタでもふたネタでも話題になるとっかかりにもできるのだ。と、仕事の関係から出会った人に教えてもらった。以来、少し高価になったとしても、自分で名刺を作るときは必ず「二つ折り」にしようと決めている。
それから、名刺を受け取り、別れたあと、一体どのくらい相手の顔を覚えていられるだろうか。元々顔や名前を覚えるのが得意でないのもあり、ほとんど記憶から薄れてしまう。人との出会いで「顔」は重要な情報のはずなのに、それが刷られている名刺は少ない。
数年前までは流行病もあり、マスク着用の生活が当たり前だった。その頃に出会った人が、次にマスクなしで現れたとしたら。余計に誰だか思い出すのに難しい。顔写真はあった方がいいと、個人的には思う。
最近実際に刷った名刺がこちらである。表紙は思い切ってシンプルにした。印刷してもらうお店の料金プランが片面モノクロだと少し安かった、という理由もある。
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中面は左に「コトデル」の説明を、右に連絡先やSNSのアカウントの情報を載せた。名刺を差し出すときは、相手へこちらの面を見開きで渡すようにしている。
「コトデル」とは別に、肩書きを「小説家」とした。受賞歴があるわけではない。が、ここははじめから名乗りきっていた方がいい気がした。
「小説家さんなんですね」
と、相手が受け止めてくれたら、そうであろうという気持ちも高まるかもしれない。
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連絡先交換の名刺とは別に、このnoteに誘導するためのカードも作ってみた。これは今後なにかの出展型のイベントに参加したときなどがあれば活躍させたい。飲食店のスタンプカード感覚で、気軽に手に取ってもらえ、渡せたらいいと思う。
社会人になって、もう「何者か」になることなどに悩み苦しむことはなくなった。そんな暇がないほど、毎日働いているという状況なだけかもしれないが。
でも、名刺を自分で作るときは、相手に自分という存在を知られることよりも、自分で自分という人間が何であるかを認めたい気持ちが強いような気がするのだ。
頑張る自分と同じくらい、励まし合える仲間とも出会いたい。熱を込めて名刺を手にする。
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