プロット書かなかった私が「書き方」を変えてみたらなんだか執筆がラクになった?
執筆時間と文字数を記録するようになってから、以前より意識して、机に向かえるようになった気がする。
その甲斐あり、四〇〇字詰十枚程度の作品なら、四日もあればエンドマークをつけられるようになった。時間数だけで言えば、たった五時間半程度の作業量だ。我ながらだいぶ書き上げる力がついてきたのではと思う。
記録しているのはあくまで「本文の執筆時間」であり、その前にはストーリーを考えたり構成を組んだりする時間がある。作業の中に「プロット」という工程があるのだが、これがどうやら重要だと気がついたのは最近だ。
今までは、物語を「起承承承承承転結」という八つの枠に事件を順番に当てはめながら、構成していた。私は「ハコ書き」と呼ぶが、業界的に正しい呼び名なのかは知らない。「ハコ書き」はストーリー全体の展開バランスを考えるのに便利な方法だと思う。今でも四〇〇字詰十枚程度であれば、簡単な設定とこれだけで本文執筆に入ることがある。
しかし、それ以上長くなると、この「骨組み」だけでは進行が危うい。承①から承②に向かうまでの主人公の行動やエピソードに、迷いが出る。地図に目的地が書いてあるにも関わらず、寄り道が生まれ、筆が止まるのだ。
「でも、詳細にストーリー構成を書くのなら、その労力そのまま本文に費やせばいいのでは」
以前の私はそう考えた。そもそも「プロット」に書くべきことがなんなのかを知らなかったからだ。小説教室に通い、どの講師からもくり返し「プロット」の重要さを説かれ、ようやくその役割を理解した。
「時系列で事件を並べるのがプロットではない」
主人公の行動、事件が「なぜ」起こったのか。人物の心情や背景を時系列を無視して思いつくまま書く。それが私の「プロット」だ。そしてそこに書いたエピソードを、本文のどこに書くかどうかは私の自由で、書かないという選択もできる。このスタイルでさっそく作品づくりに取り組んだ。
そうしたら、なんと四〇〇字詰三〇枚の作品を二週間で書き上げることができた! 時間数にしたらたぶんもっと少ない。一〇〇枚を半年以上かけて書いていた筆の遅い私にしては、超高速仕上げである。
まあ、ダイエットも一気にいろいろ取りかかると「一体どれが原因で痩せたのだろう?」となるから、これ以上は筆を早めるためにスタイルを変えるのは一旦やめておこうと思う。とりあえず「文字数と時間の記録」「なぜをプロットに書く」を、しばらく続けていく。