紙の原稿を送っていた世代ギリギリの私、WEB応募におっかなびっくり
「第二四回女による女のためのR18文学賞」へ、小説を応募した。ひとり三作品までの応募ができるため、この賞のために書いてきた一編と、過去に書いたものに推敲をした一編の二作品を出している。
一次選考通過作品から、しっかり氏名とタイトルを発表する賞なので、たいへんありがたい。自分の力量が、現在どれほどかを知ることができる。
見えずに曖昧にしていたことが、突如目の前に現れ押し寄せることは、心臓をひゅっとされるような寒さを伴うが、そんなことは言っていられない。まずは一二月下旬、ありのままを受け止めていこう。
ところで、賞への応募時に、初めてWEB応募というものを経験した。応募が正常に完了すると、メールが届くので、おそらくちゃんと届いているのだろう。
最近では、どんな賞も当たり前のようにWEB応募を取り入れてきている。R18文学賞の原稿ファイル形式はテキスト形式なので、比較的レイアウトの崩れや文字化けの不安は少ない気がするが、おっかなびっくりの応募となった。
人生で初めて公募に自分の作品を送ったのは、大学時代のフジテレビヤングシナリオ大賞だ。
その時は、まだまだ紙ベースでの応募スタイルで、プリンタを詰まらせながら六〇枚程度の脚本を印刷し、綴じ紐で結び、封書で送っていた。現在はこの賞も、WEB応募のみである。
手間はかかるが、自分の思ったレイアウトで確かに印刷した紙が、しっかり相手に届いたという配達記録が残っていると、何かと安心だ。印刷の際には、純正インクを使い、より白さが際立つコピー用紙を選んだりと、謎のこだわりも生まれた。
実際にはそんなところ、評価の基準にはならないのだろう。ただ、原稿が読みやすいものであるかどうかの点で言えば、気配りは大切だ。
手書き原稿可な公募が減っているが、手書きなだけで「読んでもらえるチャンス」を失っている人がいたのでは。手書き文字が、物語の雰囲気を演出するすてきな材料にもなり得るのは間違いない。が、それがきっかけで「読んでももらえない」可能性があるのなら……
手書き原稿を送った経験はないが、もし手書きの理由が独りよがりなこだわりであれば、それよりも公募の場合は少しでも目に触れられるスタイルをとっていた方がいいのかもしれない。WEBが主流になる今、応募に対する意識もアップデートしたほうがいいなあと、アナログな自分に感じる。