そんなに難しくない?わかれば簡単!モードスケールの世界をチラ見してみよう!
今回はスケールの種類の中で少し特殊な存在であるモードスケールの紹介になります。モードスケールのイメージって
難しい
分かりづらい
使いづらい
というのが多いです。確かに、一般的なメジャーとマイナーのスケールからみると複雑に見えます。ただ、モードスケールの見方や特徴を理解すると意外と納得することが多いんですよ!では、張り切ってまいりましょう!
・そもそもモードスケールって何?
このスケールで1番混乱しやすい部分はモードってなに?というところですかね。
そもそも“モード”という言葉は日本語で“旋法”という意味があります旋法というのは、“技”という感覚で理解すると分かりやすいですかね!(ちゃんとした意味を説明すると長くなるので割愛です)
なので今回モードスケールは
モード(技)スケール(音階)
という風にイメージをしてもらえたらいいと思います!そしてこれには、それぞれ技名(スケールの名)がついています。その名前の紹介をしていきましょう。しかし、それぞれのスケールの名前を覚える前に!!まずはモードスケールの構造を知っていきましょう!
・モードスケールの構造の紹介
モードスケールはスケールというだけあり、メジャーとマイナー同様音階が存在します。ここでは、その音階の覚え方を見につけましょう!実はメジャースケールを覚えているとモードはすぐに理解できるんです!!
例えばある曲のキーがCメジャーだとしましょう。となると、その曲で使えるスケールはCメジャースケールだということがわかります。まずは、メジャースケールの各ダイアトニックコードとディグリーネームを書き出してみましょう!(ディグリーやダイアトニックコードがわからない方は下の記事を参考にしてください)
https://note.com/tkbass95kyoto/n/n6f521e4fe8f3
コード
CM7|Dm7|Em7|FM7|G7|Am7|Bm7(-5)
ディグリー
ⅠM7|Ⅱm7|Ⅲm7|ⅣM7|Ⅴ7|Ⅵm7|Ⅶm7(-5)
このように、なります。そしてモードスケールはこのスケールの中のそれぞれの音で構築されていくスケールなんです!なので、メジャースケールが分かっているとモードスケールの構成音は分かってきます!
難しいという方!ここからさらに噛み砕きます!
“それぞれの音で構築されていくスケール”というのはメジャースケールをディグリーで表します!
ⅠM7|Ⅱm7|Ⅲm7|ⅣM7|Ⅴ7|Ⅵm7|Ⅶm7(-5)
となるのがCメジャースケールの2度の音Dから始めると
Ⅱm7|Ⅲm7|ⅣM7|Ⅴ7|Ⅵm7|Ⅶm7(-5)|ⅷM7
(8は次のスケールの1の音であり、1のオクターヴ上の音です。あまり8で表さないのですが、今回はあえて8で表しました)
そして、CメジャーからみたDのダイアトニックコードを覚えてますか?Dマイナーでしたよね!そして、マイナーコードは3度と6度と7度がフラットします。では、そのDの音(Cメジャースケールの第2音)から始めたスケールを正式なディグリーで表してみましょう!
Ⅰm7|Ⅱm7|Ⅲ♭M7|Ⅳ7|Ⅴm7|Ⅵm7(-5)|Ⅶ♭M7
ここで気づかれた方もいると思います。6度の音がフラットしていません。これこそがモードスケールの特徴なんです。モードスケールは普通のマイナースケールやメジャースケールにはない音を含むという特徴を持っています!
これがモードスケールの正体で、モードの音階の見つけ方になります!
もちろん、2度から始まるパターンだけではなく、3度から4度から5度からとそれぞれで始まるパターンがあるので覚えておきましょう!そして、これから言えるのは1度から始まるスケールもモードの1種になるということがわかります。そして、それぞれのスケールにはメジャー系とマイナー系で分けることができます。次にスケール名とそれぞれの構成音とディグリーをみていきましょう!
・それぞれのスケールの種類と名前
では、具体的にモードスケールの名前とその種類をみていきましょう!スケールにもメジャー系とマイナー系があり、判別の仕方は3度の音がメジャー3度かマイナー3度かで判断するのがわかりやすいでしょう!今回はCメジャースケールから展開させていきましょう!
Cアイオニアンスケール(メジャースケール)
構成音CM7|Dm7|Em7|FM7|G7|Am7|Bm7(-5)
ディグリーⅠM7|Ⅱm7|Ⅲm7|ⅣM7|Ⅴ7|Ⅵm7|Ⅶm7(-5)
Cメジャースケールの1度の音から始まるものです。一般的にメジャースケールといいますが、ジャズの世界ではアイオニアンスケールと呼ばれています。3度の音がメジャーになるのでこちらはメジャー系のスケールになります
Dドリアンスケール
構成音Dm7|Em7|FM7|G7|Am7|Bm7(-5)|CM7
ディグリーⅠm7|Ⅱm7|♭ⅢM7|Ⅳ7|Ⅴm7|Ⅵm7(-5)|♭ⅦM7
Cメジャースケールの2度の音で始めるスケールです。3度の音がフラットしているのでこちらはマイナー系のスケールになります。その他にも6度の音がメジャーの6度の音であるというのも特徴になります
Eフリジアンスケール
構成音Em7|FM7|G7|Am7|Bm7(-5)|CM7|Dm7
ディグリーⅠm7|♭ⅡM7|♭Ⅲ7|Ⅳm7|Ⅴm7(-5)|♭ⅥM7|♭Ⅶm7
Cメジャースケールの3度の音から始まるスケールです。3度の音がフラットしているのでマイナー系のスケールになります。このスケールはフラットしてる音が多いスケールになります。
Fリディアンスケール
構成音FM7|G7|Am7|Bm7(-5)|CM7|Dm7|Em7
ディグリーⅠM7|Ⅱ7|Ⅲm7|♯Ⅳm7(-5)|ⅤM7|Ⅵm7|Ⅶm7
Cメジャースケールの4度の音から始めたスケールになります。3度の音がメジャーなのでメジャー系のスケールになります。4度の音がシャープしている特徴があります。
Gミクソリディアンスケール
構成音G7|Am7|Bm7(-5)|CM7|Dm7|Em7|FM7
ディグリーⅠ7|Ⅱm7|Ⅲm7(-5)|ⅣM7|Ⅴm7|Ⅵm7|♭ⅦM7
Cメジャースケールの5度から始まるスケールになります。3度の音がメジャーなのでメジャー系に入ります。7度の音がフラットしておりマイナー7度になっているのが特徴になります。このスケールはメジャー3度とマイナー7度というコードの響きを決定する音がメジャーとマイナー両方入っているという大きな特徴もあります。
Aエオリアンスケール(ナチュラルマイナースケール)
構成音Am7|Bm7(-5)|CM7|Dm7|Em7|FM7|G7
ディグリーⅠm7|Ⅱm7(-5)|♭ⅢM7|Ⅳm7|Ⅴm7|♭ⅥM7|♭Ⅶ7
Cメジャースケールの6度から始まるスケールになります。3度の音がマイナーなのでマイナー系のスケールになります。このスケールは一般的なマイナースケールの音の並びになります。正式にはナチュラルマイナースケールと呼ばれています。
Bロクリアンスケール
構成音Bm7(-5)|CM7|Dm7|Em7|FM7|G7|Am7|
ディグリーⅠm7(-5)|♭ⅡM7|♭Ⅲm7|Ⅳm7|♭ⅤM7|♭Ⅵ7|♭ⅦM7
Cメジャースケールの7音目から始まるスケールになります。3度の音がマイナーになっているのでマイナー系のスケールになります。このスケールもフリジアン同様フラットしている音が多いのが特徴です。
以上がモードスケールの構成音とディグリーになります!これらの名前の覚え方はそれぞれの頭の文字を取って
アドフリミエロ
と覚えるのが一般的です!では、さらに理解を深めていきましょう!
・簡単に覚えれるモードスケールの構成音
いくら構成音がわかっても多くてなかなか覚えづらそうですね。ではモードスケールをメジャーとマイナーで分けて、おさらいしましょう!今回はあえてみやすいようにローマ数字ではなくアラビア数字で表します!
メジャー系
アイオニアンスケール
1|2|3|4|5|6|7|
リディアンスケール
1|2|3|♯4|5|6|7|
ミクソリディアンスケール
1|2|3|4|5|6|♭7
マイナー系
ドリアンスケール
1|2|♭3|4|5|6|♭7
エオリアンスケール
1|2|♭3|4|5|♭6|♭7|
フリジアンスケール
1|♭2|♭3|4|5|♭6|♭7
ロクリアンスケール
1|♭2|♭3|4|♭5|♭6|♭7
と分けられます。メジャー系は数も少なくとてもシンプルで覚えやすいですね!マイナー系は結構な数がある上にフラットする音がたくさんあります。しかし、今上にのせた表のマイナー系のスケールの並び方には法則があります。これ実は
フラットがどんどん増えるという法則
があります。
この法則に従ってまずは、ルートが同じ音のスケール(Cドリアン、Cエオリアン、Cフリジアン、Cロクリアンという感じ)をなぞって弾いてみると感覚的にも馴染みやすいでしょう!スケール練習は反復練習も大切なので知識だけでなく、たくさん弾いてくださいね!
・ゆっくり自分のペースで!
今回はモードスケールについての解説でした!モードはパッとみると難しいですが、噛み砕いて理解していくことによりしっかりと理解することができます。まだまだ使い方や効果的な瞬間なども存在するので少しずつ学んでいくのがマストです!しかし、それをするにはまずはスケールを覚えることが大事です!スケールをなぞる練習、ジャムのトラックで使ってみる練習、色々な練習方法で試してみてくださいね!