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ベースラインを作ってみよう!流れるようなアレンジ!アプローチノートの解説

ベースラインを考えるときにコードトーンやスケールトーンを使う、ルートのオクターブを変えるなどな考え方があります。今回はその中でアプローチノートというものの紹介になります。

※今回はこちらの知識が含まれています。

・和音について
https://note.com/tkbass95kyoto/n/nacd2ac558be1?magazine_key=m33ba4889401c

・ディグリーネームについて
https://note.com/tkbass95kyoto/n/n89ec7961e112?magazine_key=m33ba4889401c

・ダイアトニックコードについて
https://note.com/tkbass95kyoto/n/n6f521e4fe8f3?magazine_key=m33ba4889401c


アプローチノートってなに?

そもそもアプローチノートというのは1つの音をさしているわけではありません。今なっているコードの次のコードにアプローチをかける音のことを言います。アプローチというのは日本語で

対象への接近の仕方

という意味があります。そして、その対象というのが今なっているコードの次のコードになります。この音をターゲットノートと言ったりもします。なので、アプローチノートの考え方は

対象(ターゲットノート)
接近の仕方(アプローチノート)

という感じですね。このアプローチの仕方はたくさんあり、ジャンルによってもマッチするかどうかがあるので、それらも紹介します。

アプローチノートの種類と使い方

クロマチックアプローチノート
アプローチノートの中でもより一般的なものになります。ターゲットノートのコードの半音下にするというものになります。

例えばコード進行が

GM/Am

というものがあるとします。GMからAmに変わる最後の1音にA♭の音を使うというものになります。また、このアプローチノートの半音上のパターンもあり、その場合はB♭の音を弾きます。

・クロマチックアプローチノートの使い方
この音はコードの構成音、またはキーになるスケールにない音でも使うことができます。しかし、スケールアウトした音になるのでジャンルで使用できるか、どうかを判断しましょう。ジャズ系のウォーキングベースやファンク、R&B、ソウルではキー以外の音でクロマチックアプローチノートをよく聴くイメージはあります。ロックでも使われることが多いのですが、メロコアのバンドのレコーディングの際スケールアウトしたアプローチを使ったアレンジをした時に指摘された経験があります。なので、スケールアウトジャンルによっては注意しながら使ってみましょう。

スケールトーンやコードトーンをしっかり使ったものなら、音は外れることなく使うことができます。
例えばキーがGMでコード進行が

Em/GM

というものがあるとします。この時にターゲットノートGにクロマチックアプローチをかけるとしたらG♭の音になります。このG♭という音はキーGMからみるとM7thの音になることが分かります。なので、このクロマチックアプローチノートはスケールから外れていない音になっているのが分かります。このように外れていないサウンドはどのジャンルでも使用可能です。

②ダブルクロマチックアプローチノート
このアプローチノートは➀のアプローチノートの音を2音にしていったものになります。
なので、GM/Amのコード進行の時G.A♭と全音下から半音ずつ上げていくものになります。こちらも全音上から半音ずつ下げていくものもあります。

この音を半音ずつ上げていく(または下げていく)アプローチノートは無限に作ることができ、ハービー・ハンコックのカメレオンのベースリフなんかはG♭から始まり半音ずつ上がり次のコードのB♭に着地します。

・ダブルクロマチックアプローチノートの使い方
基本的にはクロマチックアプローチノートと変わらないので、使用の仕方はクロマチックアプローチノートのような感じです。ダブル以上(2音以上)のアプローチを使う場合ターゲットノートにしっかり着地できるようにしましょう。コードチェンジの時に行き過ぎてしまう、少し前に着地してしまうといった現象が起きやすいので注意です。

全音下(全音上)からのアプローチノート
このアプローチノートはターゲットノートに全音下からアプローチをかけるものになります。クロマチックアプローチと同等に一般的なアプローチノートの1つです。

GM/Amのコード進行の時にAのコードに全音下G(または全音上のB)からアプローチをかけることになります。

・全音下(全音上)からのアプローチノートの使い方
全音を利用するアプローチはハンマリングと共に利用されることが多いです。例えば、Amのコード内でオクターヴ上のAの音に繋げたい時、Aの全音下のGの音を鳴らし、ハンマリングでAの音を鳴らすという使い方があります。

④次のコードを挟んだアプローチノート
このアプローチノートは先ほど紹介した3つのアプローチノートと違ったものになります。

例えばキーがGMのときで

GM/CM

といったパターンのコード進行があったとし、CMをターゲットにしてアプローチノートをかけていくときCの全音上(D)を弾きそのあと、Cの半音下の(B)を弾き最後にターゲットノートのCMに着地するといった形になります。なので、原理的には➀と➂のアプローチをどちらも使うということになります。

・ターゲットノートを挟んだアプローチノートの使い方
ターゲットノートを挟んだアプローチノートは使用するとより、スムーズで尚且つ表情豊かに次のコードに繋げることができます。

このアプローチは上記した使い方が多いです。この選ばれた2音にはある特徴があり、そこを理解しているとベースラインの発想はしやすいので分析していきましょう。

まず、上記のコード進行GM/CMの時に使うアプローチノートのD音とB音はGMの3和音の5thとM3rdであるということです。3和音はコードは安定したサウンドなので外すことはありません。さらにこの2つはCMからみると2ndとM7thでもあります。この2つの音は共通してスケールやコードのサウンドということになります。なので、とても響よく聴こえます。このように2つの音で挟むときはコード進行やコードがどのようになっているのかを意識すると色々なサウンドが見えてきます。

⑤5thの音を使ったアプローチノート
アプローチノートは全音半音を利用したものが多いですが、5度を利用したものもあります。どのようなものかというとアプローチノートをターゲットノートの5thの音にしたものになります。

GM/Amというコード進行がある時、Aのターゲットノートの前にAmの5thの音(E)を弾くということになります。

・5thの音を使ったアプローチノートの使い方
このアプローチノートの5thは考え方が2つあり、ターゲットノートのオクターヴ下のスケールの5thを使うのか、ターゲットノート内の5thを使うかです。

例えばターゲットノートのオクターヴ下のスケールの5thを使う時はそのまま5thの音を鳴らしても、違和感はないです。しかし、ターゲットノート内のスケールの5thはときおり、その音の変化が急に感じる時があります。その時は5thの前に1音別の音を鳴らすのをオススメします。

例えばキーがCMでコード進行は

CM/Dm

というものがあったとします。この時にDmに5thのアプローチノートかける前に一旦全音下のG音を鳴らしてから5thのアプローチノートを鳴らすし、ターゲットノートを鳴らすと落ち着いて聴こえます。この5th前の音の選び方コード進行によっては半音下からするのが適している場合もあります。キーやコード進行に注意して使用しましょう。

まとめ

アプローチノートはコツを掴むとベースラインの考え方が見えてきます。そしてそのコツは

・各アプローチノートのサウンドを覚える
・楽曲の表情に応じて使う
・現在なっているコードと次になるコードの関連性を読み取る

といったことができるということです。例えば5thのアプローチノート場合5thの前に全音、または半音下の音を置くと馴染みやすいと述べましたが、必ずしもそうである訳ではありません。僕の場合バラードの曲でそのセクションの空間が空いている(ギターやドラムなどの音が詰まっていない)時はあえてコードを鳴らし5thのアプローチをかけ、ターゲットノートを鳴らす時があります。これは上記した”急に感じる”という変化を逆手にとり、ベースラインを前に出すために行なっています。

アプローチノートは用途が様々です皆さんも好きなベーシストのベースラインや楽曲をよく聴いてみてください。今回紹介したものが潜んでいるかもしれませんよ。


【筆者紹介】

土田 航(つちだ こう)
京都でベース講師をやっております。
Youtubeにて弾いてみた動画やレッスン動画掲載中
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