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予断を許さない余談 2016年4月号

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小説家・片野朋起のエッセイです。 あなたの必要としている言葉が見つかればいいのですが。
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#エッセイ

4月26日 第20号 香辛料

 香辛料と書きたいのに更新料と出てきました。スパイスの効いた料理を食べ続けていると、刺激の小さい食事には物足りなさを感じてしまうものです。弱り目に祟り目で、辛い時にこそどんどん災難はやってきます。いつも通りに人生を生きているはずなのに、急に悪いこと、想定外のハプニングが起きたりします。最高のサプライズという名にふさわしい、素晴らしい出来事は突然にはやってきません。そのいい出来事とは無関係に思えても

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4月25日 第19号 うわっつら

 うわっつらの言葉をつかうと、自分の中になにか淀んだものが溜まっていく気持ちになります。誰かを傷つけてしまうような言葉であっても、それを言わずにはいれないものがあってもいいのだろう。人に優しく接する、されていやなことはしない。それはおそらくそのとおりだろう。相手が嫌がるかもしれないけれど、それをせずにはいられない。理由なんて知らない。とにかくするんだ。そんな自分勝手な気持ちをたまには解放してみても

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4月24日 第18号 アイロンがけの話

 そういえばLINEは直りました。誰も気にしていないでしょうが。ソフトウェアアップロードは時間があるときにやってしまいましょう。面倒くさがりは少し損ですね。勤勉さがときに自らを救うのでしょう。

 毎日毎日、同じことを当たり前のようにこなすことができるのは、ある種の職人といえるでしょう。ひとつの分野を極めるという意味での職人も私には魅力的ですが、いつでも同じことをできる、つまり再現性のある成果につ

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4月23日 第17号 子育てのファッション化

 最近、SNSを中心として、子育てしている自分を他者に押し付ける傾向があります。見ていると不愉快なので、そういうものはあまり見ないようにしています。不愉快になりたければ、キラキラ女子を気取っている子育てママのInstagramを見ればいいわけです。

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4月20日 第15号 ファイティン

 昨日は少しだけと言っておきながら、少しではなかったかもしれません。気をつけます。

 小学生のころ、算数の教科書の問題で「~~である数をいいなさい。」というものがありました。答えを書けばいいだけの話なのですが、本当に言う、つまり発言している人がいましたね。かように、子どもは素直なのです。言葉の通りに受け取るのですね。

 大人になると、発言の裏にある背景や事情やらを察して、言葉通りにはなかなか受

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