異文化を味方にするコツ
日本国内で仕事をする場合と、海外(世界)で仕事をする際の最大の違いは
「異文化」の度合いにあると思います。
この異文化をどのように味方につけるか。
これが駐在するときの1つの肝になると思います。異文化はまさにダイバシティーです。
ダイバシティの中では、各々が持つ違いを尊重し、その価値観・背景・考え方などの違いを仕事を進める中でパワーに変換していく必要があります(これがインクルージョンです)。
ダイバシティーは違いだけで成立するものではなく、ダイバシティー&インクルージョン(D&I)で1セットです。
(D&IにEquity(平等ではなく公平性)やBelonging(帰属意識)なども追加することもありますね)
異文化は、自分とチーム・組織が強くなれるチャンスです。
そこで、この異文化をチャンスにする肝を3つにまとめてみました。
1. 自分を知る
2. 共創する
3. Whyを何度も丁寧に伝える
1. 自分を知る
異文化というとついつい相手のことばかり考えてしまいます。
相手の文化を知ろうとか、相手の習慣などを学ぼうなど。
もちろんそれも大事なのですが、それよりも重要なことがあります。
それは、まずは自分のことを知ることです。
異文化を味方につけるということは、決して相手に合わせるものではありません。自分自身の文化も相手に尊重してもらうことでもあります。
自身の文化も尊重してもらうためには、自分自身で周囲に伝えることが必要です。
(自分は何も言ってないのに)「相手がわかってくれない」(それはそうです、自身は何も周囲に伝えていないから)、とか、「自分が言わなくても察してくれるだろう」と思わないことが重要です。
誰しも超能力者ではないからです。
自分自身が何度も何度も自分のことを伝えていくからこそ、周囲のメンバーも自分のことを理解してくれます。このプロセスこそが最も大事です。
そのためにも、自分はどういう価値観を持っていて、何を大事にして仕事しているのか。自分は日頃どんな判断軸をもってビジネスの判断をしているのか。相手にどんな期待としているのかなど。自分自身のことを自分がまずはよく理解する。そして、「なんとなく」ではなく、言語化しておく。
これには相当な時間がかかり、労力もかかります。しかし、惜しまず行うことで後々その時間と労力以上のものを得ることにつながると思います。
2.共創する
次に重要なことは、上記でも少し触れましたが、「相手に合わすのではなく、自分の文化も尊重し、相手の文化も尊重して、新しいその場でのルールを作っていく」ということです。
ビジネスの現場において異文化は、「考え方の違い」に現れ、時に意思決定の仕方・仕事の進め方にも大きく影響を及ぼします。(さらに学びたい方はぜひ「異文化理解力」という本で学んでください)
相手にとって当たり前となる進め方と、自分の進め方がことなることというシーンはグローバルでは日常茶飯事です。
その場合、相手に無理やり合わせなくてよいと思っています。
自分が我慢することが異文化ではないからです。
互いに認めて新しいものを作り出していくことそこが(まさに共創)が異文化の本来のパワーです。
互いがそれぞれ持っている「自分のいつものやり方、進め方、考え方」をまずは理解した上で、今回のケースではどのような判断軸の決め方がいいのか、進め方がいいのかを議論する。
どちらかの方法を選ぶだけではなく、時には互いに協力して新たな進め方を作っていく。これがまさに共創だと思いますし、異文化の中で仕事をする醍醐味の1つだと思います。
3. Whyを何度も丁寧に伝える
そして最後が、Whyをしっかり伝えることです。
なぜこういう判断をしたか、なぜこの戦略が重要なのか、なぜこれをお願いしているのかなど。
これらのことは、自分にとっては当たり前すぎて、わざわざ言語化しない。つまり、自分の言動の前提になる部分は割愛して話すことが多いのが普通です。ですが、前提をしっかり相手に伝えることは、異文化における相互理解の上で最も重要になります。
しかも、1回伝えただけでは、相手にほとんど理解されていないと思ったほうがよさそうです。
何度も何度も。
自分にとっては飽きるほどに同じことの繰り返しになるかもしれませんが、相手にとっては(あたかも)初めて聞いたかのような話かもしれません。
自分の前提の共有の際には、決して「前にも言ったよね」と思わないことも重要ですね。
ただでさえ忙しい海外事業。そんな中で、上記を行う時間を捻出するのは大変です。
多くの人はこの大事な部分を割愛してしまいますが、ここに「異文化を味方につけられる人」とそうでない人の違いが生まれるのかもしれませんね。
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