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会社人事(昇進・配置)は、優秀さを評価するものではない!?

今日は「組織の役職(ポジション)についての意思決定」について書きたいと思います。

このテーマを書こうと思ったきっかけは、このテーマは、組織トップと組織メンバーの間で前提が大きく異なる性質があると最近思ったからです。

かくいう私も私自身も、自分が東南アジア拠点の社長を務めさせていただいたときに初めてわかったことでした。

自身のキャリアの中の早い段階で知っていたら良かったと思う点でもあります。

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会社の人事の中には、採用・評価・報酬・育成・配置(役職・ポジションなど)等などいくつもの側面が含まれます。

今日はその中の「配置」について。
特に、役職やポジションについての意思決定についての話です。

役職(主には管理職以上の昇進など)を組織内で決めるということは、
1年の業績評価や能力評価をするものではなく、
・組織のどのポジションに誰に就いてもらうべきか
、という議論をします。

この議論の結果に一喜一憂する人も多いのではないでしょうか。
昇進という側面もありますし、多くの人は「優秀であれば必ず昇進できる」と考えています。
もっと言うと「昇進できる人は優秀な人」という思い込みもあります。

現実には、そういう面も多分にありますが、昇進・役職・ポジションの意思決定をする際には、実はもっと大きな検討事項があります。

それは、「その役職に求められる役割にマッチする人は誰か」という観点です。

その人の優秀さや業績の評価とは「別物の評価軸」を重要視します。

会社人事の中での「ポジションの決定」というのは、優秀さの順位とイコールではないからです。

それゆえ、時々、とあるポジションに就くことができなくて、「あの人より自分の方が優秀で実績も出ているのに」と思う人がいますが、そのように思わなくてよいのではないかと思います。

「昇進などを含めた役職アサイン」は、優秀さの順位ではなく、平たく言うと「マッチング」。

今年の戦略からするとこのポジションにはこういう役割が与えられるので、それにふさわしい人はだれか?ということで決めることが多いです。

つまり、戦略や方向性が変われば、そのポジションのロールも変わり、求められるものが変わり、マッチする人も変わります。

必ずしもその組織やチームの中で、最も業績を出せる人が、上のポジションを務めるとは限らない。

もし、ポジションに就かなかったとしても、落ち込むことはありません。

あなたの優秀さは変わらないのですから。

ただ、もし目標が「とあるポジションに就く」ということであれば、
そのポジションに求められることを理解し、その役割が全うできるようにポイントを押さえて努力するとよいと思います。

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組織の中で健全な人事を運用する際には、注意点もいくつかあります。
今日はその内の3つほど挙げたいと思います。

【ポイント1】
健全な人事をする場合には、組織側(上司を含む)の説明力と言語力が大きく問われます。

どういう期待値があってそのポジションを選ぶのか、なぜその期待値なのか、その期待値はどのように変化しているのか(変化すべきです)という明
確な説明を社員にする必要があります。

その説明がしっかりをされることで、組織メンバーの理解と納得感がより深まります。

【ポイント2】
「役職の意思決定」と、「業績の評価」は分けて行うほうがわかりやすいと思います。組織がそのような制度を持っているかどうか。
(役職には就かなかったけれど)業績貢献度が高かったメンバーに対しても、しっかりとした報酬が出ていることも重要です。

【ポイント3】
そして、もし皆さんがあるポジションに選ばれた側である場合。
自分が他の人と比べて優秀だから選ばれたのでがなく、求められる役割にマッチする何かを持っていたからこそその役職に抜擢されたことを理解し、謙虚に仕事に励みたいですね。


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