人生のサバティカルから学んだこと
前回は、人生のサバティカル中にやっていたことを書きました。今日はそこからの学びです。
学びはたくさんあります。そしてすでに忘れてしまった(笑)学びもあるかもしれませんが、多くのの学びから、6つほどまとめておこうと思います。
1.人と違うことをするのはストレスである。けれどそれが自分らしさでもある
人と書いたのは「世間一般」という意味です。
世間とは違うことをするというのは、最初の頃は、非常にストレスです。
例えば・・・
人と話していると大体の会話が、「世間で人々が当たり前にやること」を大前提で会話が進みます。
私の場合、誰かに合うと「(前職辞めて)どんな仕事しているんですか?」
とほぼ100%聞かれました。
「仕事していませんよ。旅ばかりしています。」というと、何度も怪訝な顔をされました。
多くの人にとって、「前職辞める=次の仕事をするため」という前提なんですよね。40代半ばで、ガンガン働いていて、これから!というときであればなおさらそのような前提を持たれるのは普通だと思います。
でも、私の中では「仕事をやめる=人生のインスピレーションをさらに受ける機会」こと。
持っている前提に良いも悪いもありません。ただ前提が異なるという事実があり、だからこそなかなか理解されづらい世界観なのだろうなと、日々感じていました。
しかし、周囲に理解されづらいということは、別の見方をすれば「新しいことをしている」ということでもあるので、私にとってはワクワクする要素でもありました。
もちろん、ものすごく共感してくれる人々もいて、それはそれで嬉しいですね。
2. 毎日をやりたいことで満たすというよりも、やりたくないことをやらない選択をしていくと、最高の時間になる。没頭し、寝食忘れる体験ができる
サバティカルの期間中、やりたいことをやっていたことはもちろんのこと、やりたくないことをやらない選択をしていました。
世間体を気にして(本当は気が進まないのだけど)やらないといけないかなと思うことは、「一切やらない」と決めていました。
これは、言うは易し、行うは難しであることも事実です。
最初の1週間くらいは悩みましたが、それ以降は私の場合は難なくできたように思います。
世間体を気にすることなく(他人に迷惑をかけることをやっていたというわけではありません)とことん自分のやりたいことに没頭していました。
今までは組織に勤務していたので、「重要度×緊急度」マトリックスなどに当てはめて、優先順位をつけ実施することが日常でした。
これは組織の中で働く中ではとても重要でした。何かをやる際に「意味があるか」「目的は何か?」「優先度は?」を議論し、決定し、進むというステップです。
しかし、サバティカル期間中は、この慣れ親しんだ思考をあえて取らずに、「ただやりたいから」という理由だけで、頭に浮かんだことを片っ端から実行しました。
最初の頃は、慣れ親しんだ思考を変えることは難しかったですが、ある程度時間がたつと慣れました。
思考が変化して、新しい習慣になるとこまでやっていれば、そのあとは難なくできるという実感が持てました。
そして、この「やりたいかどうか」だけで意思決定する思考を続けていくと、この思考のおかげで、没頭し、寝食忘れるほどに夢中になる経験もたくさんしました。
夜型人間だと思い込んでいたにもかかわらず、朝も早朝に目が覚めて、「さて!やるか!」という意気込みで1日がスタートする。夜もあっという間に時間が過ぎ、「もうこんな時間か!」と、慌てて寝る準備に入る。
こういう感覚は、もちろん社会人をしていた時にもあったものではありますが、毎日ではありませんでした。サバティカル期間中はこういう毎日が続くというのは最高でした。
やりたい・やりたくないだけの軸で1日やることが選べるというのは最高の贅沢。特に「やらない」という選択肢は重要だと再認識しました。
社会人を長くやっていると、「やるべこと」「やらないといけないこと」に囲まれる時間が長くなるので、改めて、何の制約もなしに「やりたいこと」をやることは重要だと思いました。
3. これまでの人生でやってこなかったことを始めるのは恐怖でもあるが、充実した人生の始まりでもある
一方、この半年は、今まで生きてきた中で、経験したことのないことをする半年でした。
会社を辞めたときは、「無期限」にサバティカルをしようと思っていました。しかし、自分で決めたことにもかかわらず、少しばかりの不安もありました。
これでいいのか?とか、社会から取り残されるんではないか、とか、色々思うことも少なくはなかったです。
でもその不安も、最初の1週間だけで、あとは、自分の選択は正しかったと実感しましたし、こんな面白い期間を人生の中で(しかも体力も気力もまだまだ十分は40代半ばで)過ごすことができた幸運に毎日感謝していました。
無期限のサバティカルと書きましたが、当初は「いつまで」と決めずに、気が済むまでサバティカルをエンジョイしようと思っていました。
おそらくこの後もサバティカルを取り入れた人生を過ごすと思いますが、そろそろ仕事もしようかと思ってます。
私にとっての、サバティカルは、休養ではなく、次の未知なる世界に飛び込むためのギアチェンジの時期であり、インスピレーションを得る期間。
しっかりとサバティカル期間をとったおかげで、次への活動のヒントをたくさん得たと思います。
自分の今までにしたことない選択・行動というのは、不安がつきものです。
この不安と向き合い、不安を持っているからこそ、その先もさらに楽しめると思いました。
4. タイミングというものがある。うまくいくときはするするとうまくいくし、行かない時は行かない。時の運。あまり焦らず、時には間合いをとることも大事
私は極度の人見知りです。かなり親しい人とは良く話すのですが、そこまで親しくはない方とのコミュニケーションには非常に緊張します。初めて会う人となれば余計です。
そのため、この半年は、無理には人にお目にかからない、ことを徹底していました。
親しい人たち数名とは何度も遊んでいましたが、それ以外の人で、この半年の間に、自分からお誘いした人はほんのわずか(1-2人程度)。
しかしながら、なぜかかなり多くの方々と会う機会にも恵まれました。
とても不思議なご縁で、「そういえばあの人どうしているんだろう?」とか「最近●●に興味があるけど、そういえば、あの人がその分野に携わっていたかな?」と思った瞬間、なぜか先方から連絡をくださるという幸運が続きました。
そしてある時には、飛行機の隣に乗っていた人とたまたま会話が弾み、その人が、私の関心領域に従事されている方とわかり、カンファレンスに誘われ、ヨーロッパのカンファレンスに出席ということもありました。
あの時、隣の方と機内で会話を始めたきっかけというのも不思議なご縁で(飛行機は良く乗りますが、普段は隣の方と会話することは多いわけではありません)、私がその時にバックから取り出して食べたチョコレートが、隣の席の方のおじいさんが始めたブランドだったことから、会話が始まりました。
しかもそのチョコは、私が買ったチョコではなく、前日に宿泊していたホテルでたまたま頂戴したチョコでした。
誰かと話すと、なぜか共通の友達を発見するに至り、またつながっていくという・・・偶然も何回かありました。
そういうことで、非常に多くの方と話す機会があったのですが、初めて会う方も含め、とてもリラックスして楽しい会話ができました。
このような出会いが続く中で、誰かが言っていた「仕事でもなんでもうまくいくときは、サーっと進む。タイミングが悪い時は、なぜだか、なかなか進まない。だから「時の運を待つ」というのは非常に大事で、それは努力とは別物だ」という言葉を思い出しました。
努力ではなく、時の運というのがある。
うまく進むときはタイミングが応援してくれているとき。
進むのに時間がかかるときは、今ではないということ。
時にはいったん待ってみることも大事だと思います。
5. 自分が満たされると、周囲に目が向く
そんなこんなで、毎日毎日、朝起きるのが楽しみで、寝るのも楽しみな毎日を送っていましたが、自分自身が満たされるとどんどん自分以外のことに目が向く感覚がありました。
人と会話して、人のために一言かけることや、人の喜びを一緒に味わうこと、誰かに喜んでもらいたいと思い行動することなどが自然にできるようになります。
まずは自分自身が最高の状態でいるということが、やはり一番大事だと思います。(以前書いた「酸素マスク理論」の実践をしたと思います)
6. 自分の好きな事に囲まれる環境を積極的に選択していると、やりたいことの解像度が上がる(たとえ徐々にであっても)
そして半年ほど自分の好きなことを没頭してやったおかげか、好きな事に囲まれると、自分がやりたいことも、より一層解像度が上がってきました。
やりたくないことをやらない選択をしていたことが、「やりたいことを明確にイメージ化する」ことに役立った気がします。
今後やっていきたいことは:
日本発のビジネスメンタルコンディショニングスキルで世界一を目指す
日本のホテル(+サービス産業。スポーツビジネスも含)を世界一にすることに貢献する
日本がさらに(精神的にも)豊かになり、そこで暮らす日本人がもっと活躍し、その源泉となる日本の文化を世界に広めることで、日本と日本人が世界中で活躍することを応援する
この3つを秋から徹底的にやっていこうと思っています。
私は、人生の中で遊びたい!という欲求が強いわけでもなく、仕事をしたくないと思っているわけでもありません。
(だからと言って、遊ぶことを否定しているわけでもありませんし、仕事をしないという選択肢を否定しているわけでもありません)
そんな自分が、サバティカルをとっていたということはとても意味があると思っています。
私自身が願っていることは、
自分のしたいことを、したいように、自由にしていきたいということです。
そしてそこに「旅」が入っていることです。「旅をしながら仕事したい」とも思っています。
それをしながら、社会の進化や変革のために自分の人生の時間を使っていきたいと思います。
私がやりたい範囲は社会活動のごく1部の限られた部分でしかないと思います。他の分野はまた他の人がやっているわけですので、まずは自分の持ち場をしっかりとやっていきたいと思います。
I will do my own part in this society.
Cleared to take off.
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