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失敗するほど上手くなれる。だから相手を尊敬できる。
サマーリーグ予選の1勝1敗、本戦での初戦敗退を経験し、我々は次に隣県のマイナーな大会に呼ばれた。
呼ばれたというか、優勝旗を返してほしいけど、返すだけじゃなく、出るなら出てもいいよ、というやつだった。
強かった時代は、是非来てくださいと言って呼んだくせに、弱くなると途端に手のひら返し。
根性悪いなって、正直思った。
そう思った理由は、大会だけじゃなくて、運営側でここに泊まってと、指定された宿が、めちゃくちゃ古くて、カビ臭くて、増築いっぱいしてて、料理不味くて、労働者の飯場または連れ込み旅館だったんだろ!?っていう雰囲気の宿だったからっていうのもある。
これはないだろう!!!!!
ラブホ旅館的な所に女子中学生を泊まらせて平然としている運営側に、めちゃくちゃ腹が立った。
まあまあ、落ち着いて。
1泊2日にわたる大会で、初日の予選で強い半分は翌日新しい体育館で決勝トーナメント、弱い半分はふっるい体育館でリーグ戦。
初日に3チーム中、2敗して、翌日は古い体育館で4試合して、最後に1勝してブービー賞?
最下位だけは免れた。
実力的に、私の見積もりでは、初日弱い方に1勝してもおかしくなかった。
2日目は1勝したけど、2、3勝してもおかしくなかった。
そこを勝ち切れるかどうかは、やっぱり彼女たちのサーブ力、その一点にかかっていたと思う。
サーブがミスで終わるか、弱々しくても相手コートに入るか。
その差は雲泥の差。
月とスッポン。
天国と地獄。
大学生の時、週3回は200球以上1人サーブを打っていた私からすると、なぜミスるのかわからない。
いろんな指導を手を変え品を変え、やってみても、どうしてもいいところでミスが出てしまう。
それこそ、1本目サービスエースを取ったのに、次のサーブが大ホームラン、とか、ネットにも届かないとか。
私からすると、なぜそんなミスになるのか、もっと惜しかったな〜みたいにならないのが、不思議で仕方なかった。
でもね。
怒らないよ。
そんなことでは。
失敗したくて失敗するヤツなんていない。
なんで失敗するのか、自分だってわからないんだ。
それって、今、猛烈に急な坂道を登っていて、必死だから、脇目も振らず、とにかく目の前に一生懸命だから、そうなるんだよね!
君たちの真剣な顔つきを見たら、わかるよ。
チームのみんなに申し訳ないっていう気持ちとか、恥ずかしいなーっていう気持ちが。
でもさ、最初っから上手くて、ミスしないで登って行った人なんて、絶対いないんだって!
今日対戦したたっくさんの選手たち、みんな、すごいミスの山の上に今立ってるはず。
いっぱいミスしたから、レギュラーになってるはず。
ミスがくれた経験を、克服しようって頑張って来たからこそ、コートに立つ権利がある。
だからね、昨日今日の2日間、いっぱいミスしたことは、すごく良い経験だったよ。
コーチは、どうやったら上手くボールが上がるか、そういうことばっかり教えて来たのかもしれない。
つまりは、いかに初心者の君たちに、成功体験を与えるか、どうしたら成功するか、そればっかり教えて来てしまったのかもしれない。
でも、昨日今日、みんなは失敗体験をものすごい数、経験したんだよ。
それはこの後、君たちのプレーを形造る糧となるはずだ!
そんな経験をくれたたくさんのプレーヤーたちに感謝しよう。
たくさんのミスを経験してきた、その時間と努力に敬意を払おう。
素晴らしい技術を惜しみなく見せてくれた、その潔さに感謝しよう!
これからの人生、君たちもきっと、そうして感謝されることがあるだろう。
いや、感謝されない人もいるかもしれない。
どんな分野に進んだとしても、失敗しなかった人の言葉は響かない。
失敗したことがある人からの、実感のこもったアドバイスほど、心に響くものはないからね。
失敗したことない人からの指摘なんて、屁でもないのさ。
試合が始まる時の「お願いします」と終わった時の「ありがとうございました」って、そういう意味だからね。
覚えておいてね。