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主語が大きくなっていないか気をつけたい。

ストレスマネジメントも含めたメンタルヘルスは、現代人の幸福度アップにかかせない。
これは色々な意味で必須スキルになっているように思われる。

会社勤めをしていると、仕事そのものからくる疲労蓄積よりも、組織的な課題解決や目標達成の不透明感にストレスを感じがちである。
僕自身がそうだ。

今日、ある本(太田肇『「自営型」で働く時代』)を読んでいて、インスピレーションを得た。
この本では、企業が雇用ではなく、業務委託で労働者を確保するケースが増えていることを紹介している。
この業務委託で働く人は、分業でタスクを割り当てられるのではなく、自営業の人のように一連の仕事を担う。

「雇用」労働の場合は、従業員は企業側(管理職)の指導監督のもと仕事に従事する。
企業側の方針や評価と従業員自身の考え方や自己評価が相反する時、従業員はストレスを受ける。
また、組織のメンバー間の利害不一致による衝突もストレスの種だ。

一方、「自営型」の場合、業務プロセスの進め方の裁量はワーカーに委ねられている。
一連の業務を任されているため、分業が原則の企業組織の従業員のような部署間調整や関係者との人間関係にストレスを感じることはない。

僕自身会社組織で働く身としては、「自営型」はとてもうやましい。
将来目指すべきキャリアのスタイルとも思った。

一方で、この考え方は、組織労働者として今受けているストレス軽減のヒントにならないかとも考えた。

会社に所属して働かざるをえない間も、自営的なマインドで働くこと自体は可能なのではないか。

会社で働きながら、「この仕事は持続可能なのだろうか」「本来やるべき部署があるはずなのになんでおれが」「このままでは会社が潰れる」「後継者がいないのにこの先どうするのか」などの雑念がよぎり、心の声となる。

でも待てよ、自分は経営者でも役員でもない。つまり企業側のこうした課題に向き合うべき役職者ではない。
なんでこんなことに心を揺さぶられているのだろう。

昭和生まれの日本人には「メンバーシップ型」の思考が根付いているから、そうなってしまうのだろう。
「新入社員であっても、常に経営者目線を持って課題に取り組め!」なんてことを言う就活コンサルに洗脳されていたこともある世代なのだから。
(令和の若い人には信じられない話だと思いますが、本当にこんなこと言う人いたんです。)

いずれにせよ、そんな自分に言いたい。

「お前さ、それ、主語でかくね?」と。

いち被雇用労働者にすぎない自分が、なんで会社の経営陣になったかのようにスケールの大きい課題の心配をしているのだろう。

実は僕は、会社を辞めたいと思っていて、できれば転職ではなく自営業者になりたいと思っている。
にもかかわらず、自分の目指す方向性と矛盾した心配事に、心を揺さぶられている。

とりあえず、こうした自己矛盾に対する気付きは得た。
ここで思考を止めず、行動に繋げていくことが大切だ。

まずは、会社の持株会から退会する。(株主だから会社の将来を心配してしまう。また、会社にコミットしている見返りとして出世を意識してしまう。)

つぎに、会社(部署)のあるべき姿は、しかるべき役職者に委ねる。
アドラーの解説で有名な『嫌われる勇気』の組織版だ。
「それはお前の課題ではないのだよ」と、課題の分離を自分に言い聞かせよう。

そして最後に、自分の職責の範囲内の裁量は行使する。
自分が請け負う仕事については、忖度せずに、自分の理想を追及して進めていこう。

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