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第25話 多分はじめての彼氏の話
親友・小泉の自殺から逃避するためにシンナー中毒になっていた私は、親友・リナのお叱りによってシンナーから離脱することを心に誓った。
しかし時すでに遅しだった。
塗装業を営む祖父の目を盗んで倉庫から連日シンナーを盗んでいたのだが、耳の悪い祖父と鼻の悪い祖母にはバレていないものだと鷹を括っていた16歳の私。
リナから叱られた後日、部屋にはもうシンナーはなかったが…いやまだあったのかもしれない、そこはよく覚えていないが、我慢の限界を迎えた祖父に私は怒られる。
そういえば小泉の居候で怒られた時には包丁を突きつけられ危険な目に遭ったが、この時は包丁こそ登場しなかったもののもっと切羽詰まった感じで、遂に「出て行け!!」と迫られた。
思春期真っ只中の私は素直に詫びる事ができず、強がって「じゃー出てってやるよ!」みたいな事を吐き捨てたような気がする。
そんな風に強気になれたのは、ちょうど仲良くしていた2つ3つくらい歳下の恵介(仮)から「健ちゃんみたいな兄貴がいたら良かったのに」と言われていたからかもしれない、この事を話せば「じゃーうちに来なよ!」と言ってくれるに違いないと分かっていたのだ。
そしてやっぱり迎えに来てくれた恵介は、キラキラした目で私を家に迎え入れてくれた。
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