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#14 それぞれのターニングポイント

第26話と第27話、『グレンダイザー』初の前後編エピソードは、昨今の東映さんなら、この2回分だけで夏休み映画にしちゃうかも、と思えるくらいに劇的な展開。そしてついに我らがブラッキーが!
<▼前回の記事はこちら>


第26話「スカルムーン総出撃!」

脚本/上原正三

◉宇宙科学研究所の本分は宇宙開発にあり
宇宙科学研究所は秘密裏に準備してきたロケット<しらかば1号>を発射し、衛星軌道上に宇宙ステーションを建設するプロジェクトをスタートさせます。何もこんな時に・・・と思うのですが、これが本来の研究所の役目だそうですし、まあいろいろ事情があるのでしょう。搭乗していた甲児くんと研究所員・林さんは、予定通りに地球周回軌道上で小型宇宙ステーションの建設を始めます(ロケットそのものが展開して、ステーションのパーツになるという斬新な構造!)。

スカルムーン基地でその様子を監視していたガンダルが「叩き潰せ!」と計画の妨害をブラッキーに命じると、すかさずレディガンダルがパッカーン!と現れます。

命綱だけを切り、宇宙を漂流させろ。
そうすればデューク・フリードが必ず助けに出てくる。
地上にはミニフォーを監視させておけ。
奴らの秘密基地が発見できるというものだ。

レディガンダル

と言うレディガンダルですが、ホワイター少尉の一件や、ナイーダの一件で宇宙科学研究所にデュークが出入りしているのは解っているはずなので、とにかくピンポイントでグレンダイザーの居場所を特定して破壊もしくは奪取したいようですね。

◉博士の機転で今回も発進場所は特定できず
レディガンダルの予測通り、円盤獣ギドギドによって宇宙空間を漂流することになってしまった甲児くんを、グレンダイザーが救助に駆け付けます。しかし肝心の出撃位置は、宇門博士の機転による電波攪乱のため察知できませんでした。それにしてもそのために<しらかば2号>を犠牲にするとか、宇宙科学研究所は金に糸目をつけないなあ・・・。

ミニフォーのビーム直撃なのに気絶するくらいで済む甲児くん。
宇宙服の防護性能が優れているのだろうか

2体の円盤獣による挟撃も虚しく、デュークはまんまと甲児くんを回収して基地へと連れ帰ってしまいます。後を追っていく二体の円盤獣に加え、宇宙科学研究所を監視するために、もう一体の円盤獣ハドハドも出撃。ブラッキーもグレンダイザーを取り逃がしてしまった始末をつけるために地球へ向かいます。

◉ひかるちゃん、大量輸血が必要で大ピンチ!
デュークらが地球に戻るとハドハドによって、研究所だけでなく白樺牧場も甚大な被害を受けていました。それだけでなく、ひかるちゃんが吾郎のペットのウサギを助けようとして被弾。重傷を負って研究所の医務室に担ぎ込まれていたのですが、緊急に必要なO型の血液が不足しており、宇宙から帰ったばかりの甲児がTFOで街の病院へもらいにいくことになります。そうした状況を知らぬまま、デュークは円盤獣ギドギドとウルウル2体を相手に孤軍奮闘します。

▶円盤獣ギドギド

円盤獣ギドギド

スペースサンダーでも倒せない防御力を誇り円盤獣。甲児くんを宇宙へ救出に来たグレンダイザーは取り逃がしてしまい、ウルウルと共にグレンダイザーを追って地球へと向かいますが、スペイザーのメルトシャワーで円盤部分の自慢のトゲトゲを溶かされてしまい戦力ダウン。最後はダブルハーケンで腹に穴をあけらた上で、体内にスペースサンダーを受けて爆散しました。


第27話「猛反撃!グレンダイザー」

脚本/上原正三

◉甲児くん、今日も安定の冷静さ欠如で大失態
ギドギドを倒したのも束の間、加勢してきたハドハドとウルウルによって再び2対1の劣勢に追いやられるデューク。隙を見つけて離脱するも、各秘密ルートは既に破壊されるなどして基地へ戻ることは叶わず、地下洞窟内にグレンダイザーを隠すことになります。

一方、甲児くんは真っ直ぐ病院へ行けばいいのに、いつもの熱血突撃バカキャラが災いして、ハドハドに立ち向かっていって返り討ちにあってしまいます。これによってTFOはバラバラに大破。脱出装置からも叩き落されて、満身創痍で研究所へ戻ってきた甲児くんに、もはや病院に行ける体力は残っていません。悲嘆にくれる団兵衛さん。

◉ひかるちゃんにデュークの血が!!
コンプレッサーが故障したグレンダイザーを洞窟に残したまま、ようやく研究所へ戻ってきたデュークは、ひかるさんが危険な状態であること、O型血液の輸血が必要なことを知ります。しかし適合者がいないのだと宇門博士がこぼすと、

僕のを使ってください。

デューク・フリード

とさらっと言ってのけるデューク。

お前の?! 宇宙人のお前の血をだって?

宇門博士

と驚く博士。ま、そりゃ博士だって驚きますよね。拒絶反応とかも心配ですし。しかし背に腹は代えられないということで、血液型も分からないまま輸血を実施。お医者さんも呑気に「今度キミの血をじっくり調べさせてもらいたい」とか言うてる場合じゃないと思いますが、無事にひかるちゃんは危機を乗り越えて回復に向かいます。デュークの血を分けてもらったことで、ひかるちゃんはますます特別な感情をデュークに抱くようになるのでしょう。

◉ひかるちゃん、大回転の大活躍!
その頃、ブラッキー率いる本体が大群を引き連れて研究所に押しかけてきました。デュークは一足先に洞窟へ逃れ、残った宇門博士以下、研究所所員、居合わせた団兵衛さんや甲児くんは拘束されてしまいます。ブラッキーはグレンダイザーとデュークの居所を聴き出すべく、宇門博士を拷問にかけますが、博士はしらを切り続けます(博士がタフ過ぎる!)。

こんなグルグル回転する機械にかけられちゃう博士
三半規管バカになっちゃいそう

医務室で難を逃れていたひかるちゃん。デュークの血のおかげか早くもピンピンどころか見張りのベガ兵もひとひねり。博士の伝言を持ってデュークのもとに行くと、代用コンプレッサーを運び出すための囮役を買って出ます。ブラッキーを偽の場所に誘導していると、援軍にやってきたガンダルが現れブラッキーを叱責します。

馬鹿者!ブラッキー! お前はどこまでマヌケなんだ。
こんな小娘にかつがれよって。研究所は既にもぬけの殻だった。
今頃グレンダイザーは修理を終えておるわ!

ガンダル司令

騙されたことに気付いて、怒りのあまり、ひかるちゃんを崖から突き落とすブラッキー。落下していくひかるちゃんを、不意に現れたグレンダイザーが手で救い上げます(このシーンが最高にカッコイイ!)

▶円盤獣ウルウル

円盤獣ウルウル

胸から延びる長い触手が特徴的な円盤獣。この触手がベーゴマに巻く紐のようにくるくると本体に巻き付いて円盤型になるという面白いデザイン。スリムなボディはこれも機械獣チック。再戦では巨体のハドハドが入ってこれない洞窟内で1対1に持ち込まれてしまい、ハンドビームでトドメを刺されます。

▶円盤獣ハドハド

円盤獣ハドハド

重爆撃型の巨大円盤獣。最初見た時は『勇者ライディーン』の要塞・ガンテを思い出してしまいました。研究所や白樺牧場を破壊し、ひかるちゃんに重傷を負わせたのもコイツなので、団兵衛さんにとっては目の敵とも言える円盤獣。5本の首は分離して巻き付いたり個別行動が可能。
ウルウルが誘い込まれた洞窟ごとグレンダイザーを押しつぶそうとしますが失敗。最後はマザーバーンにぶつけられて爆発し、その煽りでマザーバーンも大破・炎上してしまいます。

◉壮絶なるブラッキーの最後!
スカルムーンの総力戦だったはずの本作戦で、全ての円盤獣を失ってしまいマザーバーンも大ダメージを受けてしまったブラッキー。炎上する指令室でガンダルに退去を勧め、自分は残ってマザーバーンでグレンダイザーへの特攻を図ります。なんかガルマ・ザビのようです。

燃え盛るマザーバーンにグレンダイザーは武器総動員で対抗

結局、ブラッキーの命は巨大な閃光と共に宇宙に散り、グレンダイザーとデュークはなんとか死線を乗り越えることができました。ガンダルは大やけどを負いながらも無事に逃げ延びたようですが、スカルムーン基地はひとつの大きな節目を迎えたということでしょう。

また、地球側も、それまで「UFOちゃん、UFOちゃん」と懲りずに騒いでいた団兵衛さんが、今回の件で"UFO憎し"のスタンスに明確に変化を見せたり、甲児くんはTFOを失ってしまったり、ひかるちゃんはデュークの血を受け継いで心身ともに影響がありそうだし、次回以降の展開に大なり小なり影を落としそうな出来事が数多くあったエピソードでした。

※今回も長くダラダラ書き過ぎたなー・・・反省。もう円盤獣を描くだけでいいかなーと思い始めています(笑)


次回、第28・29話に続きます!


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