#11 兜甲児が熱血突撃バカである理由
『グレンダイザー』の出演そのものが急遽決まったという兜甲児くん。デュークの主人公ポジションを明確にするために、三枚目の役どころに追いやられているといった評価もあるようですが、見ようによっては甲児くんにしか出来ない役どころを、ちゃんと演じている気がします。
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第21話「決戦!オーロラの輝き」
◉地球SOS! 北極の氷ぜんぶ解かす大作戦 ⇐意味なし
北極の氷を太陽熱を利用して溶かし、北半球に大洪水を起こそうという作戦を計画し、熱線装置を北極上空に送り込むガンダル。目的はあくまでも大洪水を脅迫材料にしてデュークとグレンダイザーを降伏させることのようなので、大洪水を起こすことは本意ではなさそうですが、またレディガンダルが無茶を言い出しそうで怖いです。
そもそもの話、学のある皆さんは承知かと思いますが、南極ならいざ知らず北極の氷を溶かしても海水面は上昇しません(笑) ブラッキーに、どんだけ頑張っても大洪水なんか起こせないぞと教えてあげたい。
一方、白樺牧場ではデュークが我が子のように可愛がっている馬・タローが肺炎に罹ってしまい大騒ぎ。デュークはストックが尽きたペニシリンを街で入手するものの、雪崩に巻き込まれてペニシリンは台無しに。そこへベガ星連合軍によって国連の北極基地が破壊されたという一報が。タローのことが気がかりで仕方がないデュークですが、やむなく北極に向かうことにします。
急用で帰ってこれなくなったというデュークに、団兵衛さんやひかるちゃんは不満タラタラ。正体を知られないようにするためとはいえ、毎回毎回デュークは損な役回りです。早くこの重荷から解放されて欲しい。
▶円盤獣ゲドゲド
今回もブラッキー自ら操縦しているゲドゲド。当時いわゆる"葉巻型"と呼んでいたタイプの形状ですね。蓋が開いて頭が出てくるのは、なんかマヌケで可愛らしい感じもあります。
◉やっぱり学習してない愛すべき熱血突撃バカ・兜 甲児
熱線装置を使って順調に氷を解かすミッションを進めていたブラッキー。先んじて現場に着いた甲児くんは、宇門博士の静止も聞かずミニフォー部隊を率いたゲドゲドと交戦。やっぱりこれまでの教訓は活かされてませんね(笑) 我らがヒーロー、熱血突撃バカ・甲児くんは誰にも止められないです。まあ、毎回ミニフォーとの戦闘は上手くなってる気はしますが。今回も善戦するものの結局被弾、墜落した衝撃で気を失ってしまう甲児くん。
フルスピードで北極へ着いたデュークをブラッキーが出迎えます。北極の氷を溶かされたくなければ降伏しろというブラッキーの要求を断るデューク。そりゃこれまで何度も約束守らなかった連中ですからね(というか洪水なんか起こせませんから(笑) もしかしたらデュークは知ってたのかな)。ゲドゲドも熱線装置も、甲児くんが意識を失っている間にキレイさっぱりグレンダイザーに破壊されます。
体力の消耗も顧みず、再びフルパワーで日本に戻り、タローへペニシリンを無事に届けたデュークは力尽きて馬小屋の藁の上(!)で爆睡。団兵衛さんはいまだに怒りが収まらない様子でしたが、まあ、タローが助かって良かった良かった。
第22話「花一輪の勇気」
◉ようやく存在を確認できた地球の対ベガ星連合軍勢力
珍しくベガ大王が危機感を募らせる原因、磁力線収束装置を強奪する作戦に着手するスカルムーンの面々。ベガ大王直々の命とあって「失敗は許されんぞ」とガンダルから釘を刺されるブラッキーさん。それさっきベガ大王がガンダルに言ってたやつだし。なんかベガ星連合軍って古臭い役所みたいな組織ですよね。
立花研究所が開発している磁力線収束装置は、磁力線ネットを張ることができる装置だそうで、お披露目デモを見にきた政府や軍部関係者から
という反応が。前々から気になっていた"ミニフォーや円盤獣が来てもグレンダイザーたち以外の対抗勢力がまったく現れない問題"ですが、ようやくここにきて、地球人側でも、ちゃんとベガ星連合軍への対策を検討しているのが解りました。戦闘機などの出撃がこれまで確認できなかったのは、戦力的に太刀打ちできないから、あえて交戦しないということだったのかもしれません。・・・あるいは憲法ン条に書いてあるからとかかも(笑)
◉ピンポイントでアブダクションされた立花博士
ブラッキーは円盤獣ギロギロを使って、立花研究所を襲い、博士と装置をアブダクションします。逃げ回る大勢の所員の中から、よく立花博士を特定したなーと感心するのですが、ホームページとかで事前に調べていたのでしょう。
連れ去られる博士を取り戻しにデュークが出撃するものの、今回もまた勇み足で被弾して墜落する甲児くんを救うため、ギロギロの追跡を諦めるデューク。大怪我をして「俺のためにすまねえ・・・」と呻く甲児くんですが、だったら熱血突撃止めなさい、とイヤミのひとつも言いたくなってしまいます。文句ひとつ言わず、笑顔で看病に行けるデュークって、なんて人間が出来ているのでしょうか。見習わないといけません。
▶円盤獣ギロギロ
レディガンダルの思い付きで、拉致した立花博士をその頭の中に、盗んだ磁力線収束装置は頭の上に取り付けられたギロギロ。再度の出撃ではスキー場で大暴れしてデュークを誘き出そうとします。磁力線収束装置を使ってグレンダイザーを動けなくして捕獲する算段だったブラッキー。思惑通りに事が運んで
と過去イチくらいのテンションで悦に入るブラッキーでしたが、宇門博士たちが急遽完成させた磁力線分解装置を積んだグレンダイザーによって、磁力が中和されてしまいます。
そればかりか、人質として頭の中に閉じ込めていた立花博士も、デュークが地中からの不意打ちダブルハーケンで頭ごと救出。捨て台詞を吐いてスカルムーンに戻ってきたブラッキーは、ガンダルともどもベガ大王直々にお叱りを受けるのでありました。
◉雪割草のような勇気とは?
今回、物語の本筋とは別のところで、デュークがあるきっかけで吾郎くんの信頼を失い、そして取り戻すまでの物語が織り込まれていて、それがサブタイトルの理由になっています。憧れの大介さんはいつだってカッコ良く、強くあって欲しいと願っていた吾郎ですが、
というデュークの言葉に本当の意味での"強さ"について、理解したような感じでした。物陰で盗み聞きしていた甲児くんが
と言ってますが(本当にそう思ってるのか、甲児!)、エピソードの中で
という甲児くんのセリフがあります。あの頃はこんなふうに男らしさ、女らしさのような価値観が、ごく当たり前のように語られていました。僕たちも男らしくありたいと思ったり、女子たちにも女らしさを期待したりしていましたね。いやはや、隔世の感ハンパないですね💦
次回、第23話に続きます!