日本病の原因は、BIS規制に加えて厳密に定義された不良債権の比率を下げることを行政側が銀行に強要することで、貸せば貸すほどBIS自己資本を銀行が棄損してしまい、信用創造が一定以上にできないようにしている貸出総量規制が日本経済に掛けられていることです。
つまり民間企業の借金が増えない=国内投資が増えない=名目GDPが増えない(経済のパイが増えない)=給料が増えないという人工的な経済抑制策を政府自身が行っている事なのです。
調べると、この事実を20年余りも前、極めて初期段階で指摘している経済学者の方とバンカーの方を今更ながらに見つけました。
しかしこの意見は、全く報道や議論されないどころか、社会的に黙殺され、以後人口減少や、構造改革が足りない、反緊縮、MMTなどの空を切る誤った原因ばかりがとりだたされ、いつまでたっても日本病が解決できない事態になったと私は考えます。
この2名の20年前の日本経済に対する警笛を2回にわたりご紹介したいと思います。(この意見がメジャーになり、マスコミが活発に取り上げて議論が進めばとっくの昔に日本の経済停滞は解決していたと思います!)
不良債権処理策とBIS規制 小嶋康生先生
この論文ではまず、90年代当時日本中が当時大騒ぎした銀行の不良債権について、不良債権という概念そのものが疑わしいことが論じられます。
不良債権問題というものが政策主導でクリエイトされたというこの説得力のある意見自体、知っている人は小泉改革以来25年たっても日本においてほぼ皆無です。
それでは、氏は日本経済停滞の原因を何だと考えているのでしょうか?
つまり、BIS規制こそが問題の根源で、不良債権処理がそれと一体となることで、中小を潰し、信用拡大が起こらなくなり、銀行が国債ばかり買うような体質になるという事です。これは私が言っていたことと同じです!!私はそれを再発見していたことになります。
※倒産した企業の負債総額推移
※貸しはがしによる企業負債額の総額が200兆円レベルで2000年前後から小泉政権(竹中金融相)時代に低下しているのがわかります。
「対米公約を優先して国民に損失と混乱を与える政策が続いていること」
その通り、、、、今でもそうだし、より露骨になってきていません?
そして政府は経済成長の為と国民に嘘をつき続けている。これが日本の現実だという事が、ほとんどの方がわかっていないと思います。
政府はバカではありません。素晴らしい知能で対米従属しつつ、国民にそれを実施するために損害を与えているのを極めて巧妙に隠し、そしてあろうことか協力までさせているのです。
↓小嶋康生先生の怒りに満ちた労作である論文は下記のリンクから読めます。
https://www.i-repository.net/contents/osakacu/kiyo/DB00011607.pdf