愛されてるからなんだってんだ

愛されてるからなんだってんだ
愚痴をこぼす口すら剥ぎ取って

愛以外何もいらない？
愛以外には何もない。

退院まであと三日になった
両親、看護師、先生、僕

あなたをとりまくみんながあなたを愛していますとすすり泣く

僕は目を合わさず下をむいていた
「何か言いたげだけど大丈夫？」

「あなたの愛はいらない」なんて
「あなたの言葉は響かない」なんて

「退院後は好きにしてていいから」
「退院後」っていつまでですか

好きが許される期限までに
僕の心は治っていますか

「だからどうにかお願いだから」
「自分で命は絶たないで」

僕以外の視線が僕に集まる
僕はうなずく曖昧に

愛されてるからなんだってんだ
愛されてるからなんだってんだ

愛されることが意味になるのは
僕があなたを愛したときだけ

「退院後の予定を決めましょう」
(■■■■《重要な情報の為、検閲済》だけは空けとこう。)