ただいま、あなたに言いのこし
あの日、少年が大人になるまいとした日
大好きな本と、お気に入りのコートを着て改札を抜けたのは人生の通過駅
急行に乗り遅れ1年が経った頃に
もうどこにも行き場をなくし
誰かの急行を止めてやろうと踵を返し
それでもあのとき正面からかけられた言葉に
膝をついて折れる音がしたのは僕の心意気
「ほら、帰ろう?」
この道に終点がないなら19歩も100歩も違いを放り出し
あったとしてもいずれ終わる事実が孕む悲しみに
どっちでもいいよと伴奏してくれた
少なくとも思えた私はあなたと行きたい
「おかえり」
やっぱり僕は終わりだけを切り取る
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