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5/20の詩

起きたのは暮六つ
線路と列車の摩擦に起立
ああそうか 窓を開けていた 暑いから

のっそりと動いても背中は痛い
ケトルの横にはつけっぱなしの炊飯器

ゆず茶を淹れる
おでこがじんわりあたたかくなったら
それはあの時に似ている
どうしようもなくなって
幸せの薬が切れていた日

私は死を渇望してはいない
もう私に詩は書けない

歌人の彼は言っていた
「今が致死量の幸福度で逃げたくなる」と
ほんとにそうだったらいいのにね
幸せゲージを貯めたら次のステージに行くシステムならね

私に詩は書けない
素敵な風も吹かないで
私の心は既に幸せで埋め尽くされてしまった
コップの底に溜まったゆずの皮をこそいで
そんなふうに言葉を紡ぐ

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リズムの書き遺し
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