東京銭湯リスト(サウナ有無付き)
ここ数年は空前のサウナブームだったと言っていいのではないでしょうか。しかし、最近になってこのサウナブームはいったんの落ち着きを見せているように感じます。新規のサウナオープンやリノベーションなども少し減ってきたし、毎日通っている肌感としては混み合い方が落ち着いてきました。まぁここ数年がちょっと異常だった感はあります。
全裸のおじさんが汗かくために並ぶのとかどう考えても異常でしょ。
私については過去のnoteをみていただくと、どんな人間かが分かると思います。年間400−500回くらいサウナに行くただのサウナ好きです。
また北欧サウナ旅行は行きたいな。
自分にとっての新規サウナがもうない
サウナにはまってからというもの、家の風呂は5年以上入ってないし、土日も車を出していろんなサウナに行ってたら新規開拓できるところが関東圏ではあまりなくなってきてしまいました。。。
一時期はスーパー銭湯の「湯楽の里」を全部回るという狂気としか思えない行動にでていましたが、それももう終わりが近いです。
「銭湯まわりはじめたらもう終わり」
サウナにハマり始めた頃に言われた一言です。曰く、銭湯は数がめちゃくちゃ多いがゆえに終わりが無い。銭湯巡りは完全に底なし沼で禁断の一手。たしかにヨッピーさんとか見てたらヤバいもんな。しかし、私はもうここに踏み入れるしかなくなってきてしまいました。
ということで東京の銭湯の全リストを作成してみました。最後にリンクつけておくので興味ある人は買ってみてください。(他は全部無料で読めます)
サウナという事業モデル
そもそもサウナ事業はあまり儲からない事業モデルでしょう。けっこう頑張って事業計画を引いてみたりもしましたが、爆発的に儲かるものではないと思います。少なくともファンドが投資するような案件ではなさそうです。
箱のキャパが決まっていることで入れる人数が決まってしまい、売上にも明確に上限があります。一方で水風呂も必要だし、サウナ室も必要ということで水道光熱費はそこそこかかってきてしまいます。女性用を用意するとなるとあまり女性はサウナには来ないので難しさが増します。
ここから淘汰がはじまると予想
おそらくここから数年で、最近のブームに乗ってオープンしただけの特徴の薄いサウナは潰れていくのではないかと私は予想しています。
実際、高級ラインとして少し話題になった小規模なプライベートサウナ系のM&Aの話は私にもよく持ち込まれるようになった印象があります。(港区に〇〇っていうプライベートサウナがあるんだけど買いませんか?的な話)
サウナブームの終わりは、サウナが空いてくれるのでユーザーとしては嬉しい反面、「最近のブームに乗ってオープンしただけ」とはいえサウナ自体のクオリティでそんなに悪いところはないのでサウナ自体が減ってしまうのは残念な感があります。まぁでも自然淘汰でしょうか。
ブーム終焉後の淘汰にも負けないサウナとは
メルカリで昨年10周年企画として実施したARIGA湯は結果的にとてもいいタイミングで世に出すことができました。まぁこういうのは運もあるけど、やっぱり企画には熱ってあります(サウナだけにね)。ただ、いまの状況を考えると最高のタイミングで実施できた施策と言えると思います。
ARIGA湯の内容はこちらにも書いてますので是非どうぞ。
ブームの終焉は寂しさを感じる部分もありますが、サウナが全部なくなるとは思えません。ブーム終焉後の淘汰に勝つサウナが絶対にでてきます。それが何かということを考えた際、3つの形態が残るのではないかと思います。
宿泊事業に関連するサウナ
会員制のサブスクサウナ
銭湯サウナ
この3つが今後残るのではないかと考えています。
宿泊事業に関連するサウナ
まずはカプセルホテル形態です。私がほぼ毎日行っている大塚のカプセルイン大塚(CIO)も金曜、土曜は満室なことも増えています。インバウンドも明らかに増えており、ダイナミックプライシングで価格も動かしやすい。宿泊事業は今後かなり見通しが明るいのではないかと思います。宿泊事業は収益としてはメインが宿泊でサブがサウナですかね。
カプセルホテルの特徴としてめちゃくちゃいい場所にあるのに安いという点が挙げられます。CIOもJR山手線の大塚駅から徒歩30秒程です。外国人観光客からしたらめちゃくちゃ便利です。ちなみに最近ストーブをプチリニューアルしまして、異常なことになってます。CIO激しくオススメです。
また、飲み会が増えてくるとカプセルホテル利用は更に増します。マーケティング的に考えると、タクシーの競合はライドシェアや深夜稼働のバスとかではなく、カプセルホテルだったりするわけです。
だって5,000円とかで泊まれて風呂にも入れて、場所も便利だったらわざわざ帰る必要ある?と考えるのは割と当たり前。タクシーの行列を見たらなおさらそう思う人は多そうです。
また宿泊事業関連でいくとカプセルホテルではない高級ラインもかなり筋がいいのではないかと思っています。京都のような場所や温泉地なんかも良さそうです。価格を思いっきり上げられればインバウンド狙いでも環境さえよければ全然人は入りそう。実際こういった形態で一泊10万円を超えるようなものが成功してきています。
会員制のサブスクサウナ
まだ成功例がちゃんとでているわけではないですが、オールドルーキーなんかはこのスタイル。私もオールドルーキーの会員ですが、サブスクリプションモデルの良いところは客層です。
一定以上の価格帯になると客層がめちゃくちゃ良くなります。マナーも良いのでトラブルもなく、収益も安定させやすいように思います。(実際オールドルーキーは岡村さんがめちゃくちゃ現場で働いているというのもあるので楽じゃないとは思いますが)
オールドルーキーは従業員を減らす(≒固定費としての人件費)を削減しようという努力がとても感じられます。
ちなみに、オールドルーキーはyoutubeが最高に面白いのでオススメです。
ずっとタバコ吸ってるのマジで最高。
銭湯サウナ
そして最後が銭湯です。銭湯は実は既得権益。
例えば、これは水道料金の例ですが、銭湯の水道料金は異常に安いです。こちらは上水道の料金ですが、一般利用だとメータ口径が大きくなると高くなりますが、公衆浴場は例外で一律です。また、従量課金も使用料が多くなると高くなるのが一般ですがそれも一律。しかも価格は1/4程度。
下水道料金も爆安でこちらは1/10程です。
公衆浴場法で公衆浴場指定されていない事業者と公衆浴場では「水」の仕入原価が違うんでなかなかキツイです。一方で価格はほぼ一律で東京都だと入浴のみだと520円くらいだったりはしますし、サウナ込でも1,000円程度です。
じゃあみんな銭湯やればいいじゃんて話なんですが、そうはいきません。銭湯は既得権益であるがゆえに新規開業ハードルがクソ高いです。
もともとは公衆衛生のためにみんなに安価に風呂に入ってもらって清潔を保ってもらう。そのために銭湯は優遇する。というのが基本思想です。ポイントは公衆衛生だからみんなという点です。なのでスーパー銭湯ではNGなことが多い入れ墨、タトゥーもOKなところがほとんどです。
しかし、もはや風呂のない家なんてほとんどない令和のいま、「銭湯やりたいです」と言われても、「風呂屋がやりたきゃ銭湯じゃなくて勝手にスーパー銭湯でもやれよ」という話でしかありません。
なので、いま銭湯をやりたかったら既存店舗を買うしかありません。(たぶん)
個人的には銭湯の購入(事業承継)興味あります。
銭湯が残るといいな
私は既得権益だからずるいとか言うつもりは一切なく、銭湯が文化として残ってくれるといいなと思ってます。街の真ん中にでっかい風呂があって色んな人いるのって普通にエモいじゃないですか。個人的には下町の銭湯が好きです。
寿湯さんと含めた銭湯の経営者の方々ともお話する機会があって、けっこう若い方が「銭湯文化を残そう」と活動されていて時代の変化を感じます。
ばーちーの好きな銭湯ベスト3(東京)
オススメを聞かれるとめちゃくちゃ迷うのですが、あえて選ぶならというと私はこの3つでしょうか。他にもいっぱいイイとこはありますが、あえての選定。
堀田湯
足立区の銭湯で、サウナ業界でもトップランナーだと思います。銭湯コラボ的なことでもよく知られています。メルカリの湯でもコラボさせていただきまして、とにかく外観のビジュがいいので映えまくりです。SABONとコラボとかしててびっくりしちゃった。
もちろん外観だけではなく、サウナが最高です。ストーブの上に吊るしてあるやかんから爆発するようなロウリュのスリルが堪りません。こだわって作られたサウナ室の椅子は幅もちょうどよくて座りやすいです。
また、最高なのが水風呂です。とにかく深い。水風呂で一番大事なのは実は深さなんじゃないかと最近は思っています。冷たくて浅いよりも、深いほうが全然いいです。最高。
ちなみに堀田湯のあとは長興屋という焼肉がおすすめです。
湯どんぶり栄湯
台東区三ノ輪の銭湯。渋いです。サウナ室の改装をする前からかなり良かったのですが、改装を経てめちゃくちゃ良くなりました。サウナストーブが日本では珍しいHaloのストーブでこれがかなりいいです。三段目に座るとかなり熱いです。
水風呂は美泡水風呂で細かい泡が出ていて気持ちいいです。露天風呂も変わった雰囲気で最高。場所柄か和彫りのおっさんが多いのもポイントかな。言葉にしにくいけど、随所にこだわりを感じてとても好きです。天然温泉なだけあって水質も超いいです。かなりオススメ。
巣鴨湯
名前の通り豊島区巣鴨の銭湯です。2022年にリニューアルした銭湯ですが、かなりいいです。浴室の床が畳になっていてこれもすごく珍しい。畳といってもビニールの畳です。
サウナはけっこう熱くて桶シャンロウリュウという謎にサウナストーンの上に桶がピラミッド状になっていてそこからこぼれるような感じのロウリュです。20分に1回でけっこう熱い。
水風呂はそんなに冷たくないけど、深くて長く入れる感じ。隣にある美泡湯が私はけっこう好きで20度ちょっとのぬるめの水風呂で外気浴とかではなくここに長く浸かるのが好きです。外気浴もあります。
シャワーがリファだったり、ところどころにこだわりを感じます。
脱衣場に「ぼでーどらいやー」という謎の仕組みの風が出る狭い部屋があってその名の通り身体を乾かせるのですが気持ちいいです。おしゃれに振った感じではないこだわりを感じる素晴らしいリニューアルでかなり好きな銭湯です。
銭湯リスト
とまぁ、前置きが長くなりましたが、銭湯リストを作りました。正しく目標を定めることで成果への到達は早くなります。これは何事においても同じ。そう、銭湯も然り。
東京都のすべての銭湯を洗い出し、それぞれサウナの有無について調査しました。サウナが一番好きではありますが、サウナがない銭湯でも味があるところは沢山あります。いい銭湯ってけっこうあるんだぜ。
リストをちら見せするとこんな感じ。
銭湯分析
おそらく誰しもが東京都の銭湯をすべてデータ化して集計・分析したいと一度は思ったことがあるのではないでしょうか。東京都で一番銭湯が多いエリアはどこなのか、そのうちサウナはいくつあるのか等々をパッと見られたらどんなに便利か。。。
その気持ち、分かります。
「〇〇のあたりは銭湯がいいんだよ」
と言われてもムカつきますよね。わかります。
「まず、主観じゃなくて定量で言ってくれない?」
安心してください。これからはデータがあるので大丈夫です。自分で自分の切り口で定量的に銭湯を語ることができます。
例えば、
東京都に公衆浴場は437軒、そのうちサウナがあるのは261軒でした。最も銭湯が多いエリアは大田区で33軒、そのうち84.8%つまり28軒にサウナがあります。
ちなみに全銭湯をチェックしたところ、私はまだ41軒しか行ったことがなく、うち40軒はサウナありの銭湯でした。
こんな分析はだれでもすぐできるわけです。
データ作成自体は簡単ですが、ここからどう考察を得るかというのは皆さんの解釈次第です。
「所得があまり高くないエリアは昔から大きく変わることはなく、当該エリアは風呂がない家も多かったことは容易に想像される。その影響もあってか〇〇エリアには銭湯が多い。」
というようなこともデータからみえてきます。データは正しく接すると色々と語ってくれます。
もし需要があればリスト化だけではなくこのデータもちゃんと分析してみようかと思います。
下記にデータ置いてありますので必要な方はどうぞ。
ここから先は
¥ 1,000
サポートいただいた場合とくに収入とするよりは書籍購入やセミナー参加等してその内容をまとめるなどの方法で還元予定です。