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【社内研修資料】化粧品業界の歴史について①

ノインでは今年は新入社員が3名いて彼女たち(今年は全員女子)にむけて研修みたいなことをやりました。とはいっても私より確実に彼女たちのほうが化粧品自体には詳しいので、私からは化粧品業界について私がこの1年ちょっとで学んだことを共有しました。その内容を外部にも出せる形にして複数回に分けて自分の頭の整理もかねて書いてみようと思います。

化粧品について色々と使い方や特徴についての知識を学ぶことはできるのですが、化粧品業界について学ぶのはなかなかいい教材がなく、個人的にはとても苦労しました。超入門編で内容はこんな感じです。デパコスとその他ブランドの関係みたいなところの理解がとても難しかったし、今でも正しく理解できていない部分はあると思います。

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化粧とは

まずそもそも「化粧」という言葉の意味について知っていますか?

「化ける」=「死ぬ」

「粧」=米の粉を塗って装う

という意味で死んだ人を現世と同じ状態にしてあげるという文化的な意味合いの非常に強い行為でした。まぁそんなことは知らなくてもどっちでもいいっちゃどっちでもいいんですが、こういうかなり古くから行われてきたと思われる行為なわけです。一方で現在のような化学合成の成果を化粧品として扱うようになったのは1950年代以降と割と最近なのです。意外じゃないですか?

ファッションと化粧品

化粧品メーカーのハイブランドは割とファッションと被っています。例えば、DiorやCHANEL、イブ・サンローランの様にファッションハイブランドはコスメに進出していることが高確率であります。もともとはファッションのエントリーとして始めたコスメでしたが、現在ではコスメが主体となってきています。女性が初めて手にするのはDiorのバッグではなくDiorのリップです。価格でいうと10倍以上違いますが、コスメで憧れを醸成してファッションにつなげるというのがこれまでの戦略でした。しかし、ファストファッションの流行により服が売れなくなってきていることもあり、当初のファッションのエントリーとしての立ち位置からコスメに軸足を移してきているというのが実際でしょう。

伊藤忠商事が我々と資本業務提携をしたのもこの文脈と重なります。今回出資をしているのは伊藤忠グループのVC機能を持つITVではなく、伊藤忠商事本体の繊維部門です。伊藤忠商事のブランドビジネスを行う部隊です。余談ですが、伊藤忠商事本体からの出資ということでノインにも注目が集まり色々お話をいただくようになってきました。

ブランドと化粧品メーカー

ということで本題ですが、以下の化粧品のブランドは知っていますか?

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おそらく女性なら全部知っているのではないでしょうか。これらのブランドのメーカーは全部わかりますか?

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化粧品のプレイヤーランキング

日本で一番大きい化粧品メーカーはどこでしょう?まぁこれが資生堂なのは誰でも分かりますね。

資生堂、コーセー、花王、ポーラ・オルビスホールディングスの上位4社でシェアは40%程度あります。

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では、世界で一番大きい化粧品メーカーどこでしょうか?答えはロレアルです。(参考)8位のバイヤスドルフはニベアを扱っている企業です。ニベアは日本では花王が販売していますね。

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化粧品の販売市場は世界で約34兆円、日本は約4兆円あります。また、広告宣伝費はその10-20%程度と化粧品メーカーは毎年多額の投資を行っています。ノインが狙っているのはこの販売市場と広告市場の両方です。

長くなってしまったので続きはまた書きますが、次回は販路についてちょっと整理してみようと思います。

化粧品業界について網羅的に理解するために参考になる本が少ないですが、下記はざっくり勉強するには良いと思います。もうちょっと深い洞察も含まれる本があると良いんですけどね。成分について勉強するには化学者が執筆している本はたくさんあります。


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Chiba Hisayoshi
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