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【シン•エヴァンゲリオン劇場版:|| 感想】愛が届く可能性のエネルゲイア、もしくは25年のシュワルツシルト半径を超えた先に待つ世界から
繰り返しの物語 エヴァンゲリオン旧劇場版(Air/まごころを君に 以下EOEで統一)で、一度は終劇を迎えた、庵野秀明監督の代表作品。
主題に当たるものは様々だが、AT(アブソリュート•テラー)フィールド、つまり心の壁が意味する所は、受け入れ難いことも多い他者の存在が無ければ人は人足りえないということ。否が応でも認め、一歩を踏み出すべきだというメッセージは間違いなく、1997年に提示された。
そ
【JOKER 感想】その宿命は笑顔で語りかける
オススメ度 ★★★★★★★
1.主観のスティグマとモダン・タイムス 私は縁(えにし)を信じている方だ。だから、この映画がこのタイミングで日米同時公開になったのも何かの縁なのだ、と思った。別に消費税とか香港のデモとかは関係なくて、私の職業との関連性だ。私はある意味で、社会的弱者と言われがちな人々と共に生活することで収入を得る職業にある。実際には様々なレベルの家庭層と関わる職業なのだが、私が今配属さ
【劇場版仮面ライダージオウ Over Quartzer 感想】過去の意思は嘘では欺けない。誰の為か 何の為の夢か?
オススメ度 ★★★★★
1.「お前たちの平成って、醜くないか?」
時代は常に未来から過去への視線という形状を取る。それは遡及の概念にライドし我々が今この瞬間を見失わないようにする重要な能力であると共に、常に歴史学的なパラドクスを内包する。いわば物語られた過去である。過去とは不変のもののようで、むしろ常に変化し続けるものだ。なぜなら、その過去を見る我々の道徳や常識といったライフレベル(価値観)