遺伝子の活動を制御する新しいコード「空間文法」を発見 ワシントン州立大学&カリフォルニア大学サンディエゴ校
ワシントン州立大学(WSU)とカリフォルニア大学サンディエゴ校の研究者たちは、遺伝子の活動を決定する新たなコード「空間文法」をDNA内に発見しました。この画期的な研究は、長らく仮定されてきた遺伝子発現の制御に関する隠されたルールを明らかにし、遺伝子変異がどのように病気に影響を与えるのかを理解する手がかりとなる可能性があります。
従来の遺伝子学では、転写因子は遺伝子のスイッチをオンまたはオフにする「アクティベーター」または「リプレッサー」として働くと考えられてきました。しかし、この研究によると、実際には転写因子の役割はそれほど単純ではありません。WSUの分子生物学准教授サシャ・ダットケ氏の指導の下、研究チームは、ほとんどのアクティベーターがリプレッサーとしても機能する可能性があることを発見しました。
この発見は、転写因子の機能がそれらの位置や間隔によって決定されるという事実を浮き彫りにしました。つまり、転写因子が遺伝子の転写開始点の上流に位置する場合は遺伝子発現を促進しますが、下流に位置する場合はその逆の効果を持つことがわかったのです。この「空間文法」を理解することで、科学者は遺伝子の発現パターンがどのようにエンコードされているのか、さらに深く理解できるようになるでしょう。
カリフォルニア大学サンディエゴ校の准教授クリストファー・ベナー氏は、この新しい知識が遺伝子発現の研究方法に大きな影響を与えると期待しています。特に、遺伝子の変異やバリエーションがどのように疾患に関与するのかを解明するためのツールとして重要になるでしょう。これは医学的な応用が期待されるだけでなく、遺伝子研究の基本的な理解にも変革をもたらす可能性があります。
今回の発見は、科学者たちが新たな視点から遺伝子の複雑なメカニズムに取り組む必要があることを示しています。遺伝子研究は今後、単なる要素の研究にとどまらず、その「文法」をも解き明かす必要があります。
詳細内容は、ワシントン州立大学が提供する元記事を参照してください。
【引用元】
【読み上げ】
VOICEVOX 四国めたん/No.7
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