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アルテミス計画で月の南極地域に3つのペイロードを送る準備をしている マサチューセッツ工科大学(MIT)

マサチューセッツ工科大学(MIT)のエンジニアたちは、2025年に予定されている月面ミッションに向けて、3つの革新的なペイロード 深度カメラ「RESOURCE」、小型自律型ローバー「AstroAnt」、 1,000を超える音声メッセージディスク「HUMANS」を準備しています。これらの技術は、将来の宇宙探査における新たな可能性を示すものであり、月面での人類の活動を支える重要な役割を果たすことが期待されています。

最初のペイロードは、RESOURCE(Regolith and Environment Science and Oxygen and Utility Systems Cams)と名付けられたカメラシステムです。このカメラは、月面の南極地域で初となる3Dカラーデプスイメージングを実現します。タイムオブフライト技術を用いて、月面の地形や地質を高精度にマッピングし、将来の探査や基地建設の計画に不可欠なデータを提供します。RESOURCEカメラは、NASAエイムズ研究センターとの共同研究として、MITの航空宇宙学部の卒業生であるコーディ・ペイジ氏の博士課程研究の一環として開発されました。

2つ目のペイロードは、AstroAntと呼ばれるマッチ箱サイズの小型自律型ローバーです。このミニローバーは、メインローバーの表面を走行し、非接触でラジエーターの温度を測定するなど、メインローバーの運用をサポートします。将来的には、AstroAntが群れを成して、太陽電池パネルの清掃や月面基地のインフラ点検などの重要なタスクを遂行することが期待されています。AstroAntは、MITメディアラボのレスポンシブ・エンバイロメント・グループのアルテム・デメンティエフ氏の研究に基づき、SEIのディレクターであるアリエル・エクブラウ氏の博士課程研究の一部として開発されました。

3つ目のペイロードは、HUMANS(Humanity United with MIT Art and Nanotechnology in Space)と呼ばれる2インチのシリコンウェハー製ディスクです。このディスクには、世界中の人々の声が母国語で刻まれており、人類の多様性と団結を象徴しています。HUMANSディスクは、MIT.nanoの技術を用いてナノメートルスケールのエッチングが施されており、宇宙空間でのアートと技術の融合を示すものとなっています。

MITは、1961年にアポロ計画に関わる最初の契約を獲得し、1969年までに司令船と月着陸船の制御システムの構築に関与するなど、宇宙探査の歴史において重要な役割を果たしてきました。当時、MITの研究チームが開発したアポロ誘導コンピュータは、月への航行を支援し、船内の多くのデバイスと通信するなど、先進的な技術でした。

今回の月面ミッションは、MITが半世紀ぶりにNASAの月面探査に参加するものであり、その意義は非常に大きいとされています。

今回のミッションは、MITのスペース・エクスプロレーション・イニシアチブ(SEI)と宇宙技術企業であるLunar Outpostとの協力によって実現されます。Lunar Outpostの月面探査車「モバイル・オートノマス・プロスペクティング・プラットフォーム(MAPP)」に、RESOURCEカメラとAstroAntが搭載され、月面でのデータ収集や技術実証が行われます。SEIのミッションインテグレーターであるショーン・オーフィンガー氏は、Lunar Outpostと共に、これらのペイロードが極限環境で運用できるよう、統合およびテスト作業を監督しました。

今回のミッションでは、これまで着陸実績のない月面南極地域への挑戦が予定されています。この地域は、着陸が非常に難しい場所であり、大きな岩や深い粉塵が存在するため、探査機の運用には高度な技術と慎重な計画が必要とされます。しかし、この未知の領域への挑戦は、将来の月面基地建設や資源探査における重要なステップとなるでしょう。

詳細内容は、MITが提供する元記事を参照してください。

【引用元】

【読み上げ】
VOICEVOX 四国めたん/No.7


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