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ビッグデータ時代の神経科学を一変!膨大な情報からパターンを見抜く「Rastermap」の革新 ハワード・ヒューズ医学研究所(HHMI)

神経科学の進展はデータの飛躍的な増加をもたらし、研究者たちは膨大なニューロン活動データを解析し、脳の仕組みを解明する必要に迫られています。しかし、この「データの山」から有益なパターンを見つけるのは容易ではありません。そんな中、ハワード・ヒューズ医学研究所(HHMI) のジャネリア研究キャンパスの研究者が開発した「Rastermap」が、科学者たちの課題を解決するツールとして注目されています。Rastermapは、異なるニューロンの発火タイミングや活動パターンを視覚的に整理し、隠れた関連性を明らかにするツールです。この革新により、従来は観察できなかった脳の働きを明確にし、新たな発見の機会を提供します。

Rastermapの特筆すべき点は、異なる動物種(ゼブラフィッシュ、ハエ、マウス、霊長類など)の神経活動を視覚化し、各ニューロンの活動の類似性や差異を統合的に捉えられることです。これまで、個々のニューロンがどのように連携して活動し、行動や感情を引き起こすのかを理解するのは難しかったのですが、Rastermapにより異なる実験条件でも同一のパターンが浮かび上がり、行動と脳活動の直接的な関係が視覚的に示されるようになりました。

例えば、ニューロンが刺激に応答する特定の発火パターンが動物の行動変化とどのように関係しているのか、Rastermapを用いることで、リアルタイムで可視化することが可能です。この「パターン認識」能力は、従来の方法と比較して時間的にも効率的で、これまでの研究アプローチを革新するものであり、認知科学や神経科学の仮説検証に不可欠なツールとなっています。加えて、膨大なデータから微細なパターンを抽出し、その意味を見出すことにより、脳の新たな機能を明らかにする研究にも応用が広がっています。

このツールの開発に携わったカーセン・ストリンガー氏によると、「Rastermapは研究者に新しい視点を提供し、これまで見逃していた脳の仕組みや行動パターンを発見するための重要な役割を果たす」といいます。

詳細内容は、ハワード・ヒューズ医学研究所が提供する元記事を参照してください。

【引用元】

【読み上げ】
VOICEVOX 四国めたん/No.7


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