光だけで力を測る!超高感度ナノセンサーを開発 コロンビア大学
コロンビア大学の研究チームが、光だけで力を測定できる超高感度のナノスケールセンサーを開発した。この画期的なセンサーは、従来の技術では測定が困難であった微小な力や、細胞内の複雑な力学現象を解明する新たなツールとして期待されている。
これまで、ナノスケールでの力の測定には、様々な手法が開発されてきた。しかし、これらの手法は、測定対象に接触する必要があったり、測定範囲が限られていたりするなどの課題があった。特に、細胞内の微小な力や、深部組織内の力学現象を非侵襲的に測定することは困難であった。
研究チームは、ナノ結晶内に存在するランタノイドイオンの光アバランシェ効果に着目した。光アバランシェ効果とは、ナノ結晶内に単一の光子が吸収されると、連鎖反応的に多数の光子が放出される現象である。この現象は非常に非線形で、極めて微弱な力にも敏感に反応することが知られていた。
研究チームは、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて、ナノ結晶に微弱な力を加えたところ、光アバランシェ効果が予想以上に大きく変化することを発見した。この発見は、偶然の産物であったが、研究チームは、ナノ結晶の構造を最適化することで、力の変化に対してより敏感に反応するセンサーを開発することに成功した。
開発されたナノセンサーは、光だけで測定できるため、非侵襲的に様々な対象物の力を測定することが可能である。例えば、細胞内の力学現象の解明、生体組織内の圧力の測定、ロボット工学における高精度な力制御など、幅広い分野での応用が期待されている。
研究チームは、今後、開発したナノセンサーをさらに高性能化し、様々な応用分野への展開を進めていく予定である。また、自己較正機能を備えたナノセンサーの開発も目指している。
コロンビア大学の研究チームによる超高感度ナノセンサーの開発は、ナノスケールでの力の測定技術に新たな地平を開くものである。この技術は、生命科学、材料科学、ロボット工学など、様々な分野に大きなインパクトを与えることが期待される。
詳細内容は、コロンビア大学が提供する元記事を参照してください。
【引用元】
【読み上げ】
VOICEVOX 四国めたん/No.7