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AIとコネクトームの力を組み合わせて、脳細胞の活動を予測する手法を開発 ジャネリア研究キャンパス&テュービンゲン大学

脳の神経回路をマッピングする「コネクトーム」と人工知能(AI)を組み合わせた最新技術により、脳細胞の活動を驚くべき精度で予測できる新たな手法が誕生しました。ジャネリア研究キャンパスとテュービンゲン大学の研究チームは、ハエの視覚系の神経回路を対象に、AIを駆使して各ニューロンの活動を予測するモデルを構築しました。

従来、脳の機能を解明するには、生体動物を使って個々のニューロンの活動を測定する必要がありましたが、この研究により、接続のデータと回路の目標(この場合は運動検出)だけでニューロンの活動を推定することが可能になりました。ハエの神経回路モデルは、過去20年間にわたり行われた数十の実験を再現する精度を持ち、64種類のニューロンが視覚刺激にどのように反応するかを詳細に予測しました。

この研究の成果は、脳研究の進展に大きな一歩をもたらすものです。科学者たちは、今後、コネクトームを活用して脳の活動をシミュレーションし、仮説を立てることが容易になります。このアプローチにより、今までは実験が難しかった領域も、AIによってシミュレーション可能となり、予測された結果を実験で検証することができるようになりました。

さらに、この研究は、神経回路の新たな役割を発見する可能性も示しています。研究チームは、従来は運動検出に関与していないとされていたニューロンも、このシステムで新たに特定され、実験的に調べることができることを示唆しています。

AIとコネクトームの融合により、脳内の静的な構造とその動的な計算の間に存在していたギャップを埋めることが可能になりました。この技術が脳研究の未来をどのように変革するか、今後の展開が注目されます。

詳細内容は、ジャネリア研究キャンパスが提供する元記事を参照してください。

【引用元】

【読み上げ】
VOICEVOX 四国めたん/No.7

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