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最新研究で最後の大衝突時期が大幅に更新、天の川銀河の形成に関する理論が覆る レンセリア工科大学

レンセリア工科大学の研究チームは、銀河系の歴史に関する新たな知見を発表し、従来の理解を覆す発見を報告しました。欧州宇宙機関(ESA)のガイア宇宙望遠鏡によるデータを活用したこの研究は、銀河系が最後に大規模な衝突を経験したのは従来考えられていたよりもはるかに最近だったことを示しています。

この研究は、天文学教授のハイディ・ジョー・ニューバーグ博士と、同大学の客員研究者でアラバマ大学のトム・ドンロン博士を中心としたチームによって行われました。チームは、銀河同士の衝突によって生じる「しわ」(星の軌道の乱れ)に着目しました。このデータはガイア宇宙望遠鏡が観測しており、銀河系内外の10億以上の星の運動、光度、温度、組成を追跡することによって得られました。

「私たちは年を取るとしわが増えますが、銀河系の場合は逆です。新しい研究により、銀河系は時間とともにしわが減るというコズミックな『ベンジャミン・バトン現象』が明らかになりました」とドンロン博士は説明しています。しわが消える速度を観察することで、銀河系が最後に大きな衝突を経験した時期を推定できるのです。

これまで、銀河系の最後の大衝突は「ガイア-ソーセージ-エンセラダス(GSE)」合体として知られ、80億から110億年前に起きたとされていました。しかし、新しい研究によれば、この合体は30億年前以内に起こった可能性が高いとされています。ニューバーグ博士は「ガイアデータで確認されたしわの鮮明さから考えると、しわの形成は30億年以内に起きたはずです。もし80億年前に衝突が起きていたなら、しわが重なりすぎて分離した特徴として見えなくなっているでしょう」と説明しています。

チームは、この衝突の原因として「バージョ・ラジアル合体」という新しいシナリオを提示しています。この合体は、従来のGSE合体とは異なり、銀河系の中心を貫通したものとされています。この衝突によって、多くの星が異常な軌道を持つようになったと考えられています。

この発見は、銀河系の形成と進化に関する理解を深める重要な一歩となります。ガイア計画の科学者であるティモ・プルスティ博士は「ガイアは宇宙の見方を変える重要なミッションです。このような成果は、多くの科学者やエンジニアの協力によって成し遂げられました」と述べています。

レンセリア工科大学の科学部長カート・ブレネマン博士も「ガイアデータは、これまでにない詳細な宇宙の理解をもたらしています。このデータを活用したニューバーグ博士とドンロン博士の発見は、銀河系の歴史に関する驚くべき新知見です」と評価しています。

今回の研究には、ペンシルベニア大学やフラットアイロン研究所の研究者も参加しており、共同でさらなる宇宙の謎に挑んでいます。

詳細内容は、レンセリア工科大学が提供する元記事を参照してください。

【引用元】

【読み上げ】
VOICEVOX 四国めたん/No.7


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