![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/161373680/rectangle_large_type_2_3ad4bdfcb954e417be2c7932360289d4.png?width=1200)
記憶のリフレッシュメカニズムを発見!脳の“メモリ”再生の仕組みに迫る最新研究 マウントサイナイ医科大学
ニューヨークのマウントサイナイ医科大学の研究チームは、脳がどのようにして記憶を“リフレッシュ”しているのか、そのメカニズムを解明しました。記憶は、単に情報を保存するだけでなく、過去の経験を元にして新しい情報を再構成するダイナミックなプロセスが行われています。今回の研究により、脳の「エピソードメモリ」と呼ばれる記憶システムが、どのようにして過去の出来事を定期的に再確認し、アップデートしているのかが明らかにされました。
このリフレッシュプロセスは「記憶の安定化」とも呼ばれ、脳の海馬や前頭前野といった重要な領域が関与しています。海馬は短期記憶を一時的に保存する役割を果たし、その後、安定した記憶として前頭前野に移行します。ここで重要なのは、これが一回限りの移行ではなく、定期的に海馬と前頭前野の間で情報がやり取りされる「再訪」プロセスを含むことです。つまり、記憶は単なるアーカイブではなく、過去と現在を繋ぎ合わせながら絶えず“更新”されているというのです。
研究チームは、被験者に対して特定のシーンや出来事の記憶を喚起させ、その過程で脳の活動を観察しました。すると、時間が経つにつれて、記憶が最初に形成された際の活動パターンが再現されることが確認されました。これが「記憶の再生現象」と呼ばれるものです。記憶が再生されることで、脳は古い記憶を更新し、より長期的に安定した形に変化させていきます。
この発見は、特に認知症やアルツハイマー病といった記憶障害を抱える人々の治療法開発にも期待が寄せられています。これらの疾患では、記憶の“再生”機能が何らかの形で障害を受けている可能性があるため、今回の知見を基に新しい治療アプローチを設計する道が開かれるかもしれません。また、健常な人でも、記憶のリフレッシュプロセスがどのようにして日々の学習やスキルの習得に役立っているのかが、今後さらに解明されることが期待されます。
この研究は、脳の記憶システムの柔軟性と適応力を示す一例です。私たちが日常で経験する出来事や新しい情報は、ただ頭の中に“保存”されるだけではなく、常に更新され、再構築され続けているという驚きの事実が示されています。
詳細内容は、マウントサイナイ医科大学が提供する元記事を参照してください。
【引用元】
【読み上げ】
VOICEVOX 四国めたん/No.7