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東京のサラリーマンが米農家に!?(後編①)

前回の中編では、東京から岡山の備前に転職・移住後、環境ベンチャーが合わず、辞めてプー太郎に。

その後、子育てしながら小さな農&カフェ開業を目指し1年半かけてDIY改修。遂にOPEN〜!! そして、憧れのカフェオーナー & 有機農業を開始!けれども、、というところまで書きました。

カフェOPENから4年ほど、毎日忙しくお店を続けていたのですが、だんだん違和感が。。小さなお店を切り盛りしながら、畑をやり、子どもを保育園に預けて、下の子はおんぶして(汗)

周りになにもない田舎町で踏ん張っていましたが、目のまわるような毎日で、「自分たちは本当に何がしたかったんだろう?」という思いが生じ始めました。

立ち止まることはできないまでも、せめてお店の営業日を減らし(週5から週3に)続けながら、またしても夫婦で話し合い、違和感の正体を紐解いていく時間をとりました。そして、新たな道を模索していくことに!


これが、いわゆる 「スモールビジネスの罠!?」

起業の世界では「3年以内に50%の事業が存続できなくなる」というのは有名なお話。その頃、僕たちのお店は、まずは3年はクリアでき、どうにか食べていけて、もうすぐ5年が見えてきていました。

自分のお店(カフェ)にて

粘り強くやっていけば7年〜、10年〜と続けていくこともできたのかもしれません。ただ、当時、思っていたのは

●一つは、「暮らしの時間」の部分
どちらの両親からも遠く、小さな子どもを見てもらうことができず、夫婦で働き、暮していくという最小サイズの事業(雇用しないというか、雇用できないスタイル。。汗)をやっていたことが、時間的にも精神的にも、経済的にもタイトで、綱渡りであったこと。

●もう一つは、「働く意味」の部分
 お客さんや社会の課題ではなく、自分たちの「やりたい」が発の事業を進めてきたことで、カフェオーナーという「夢」は達成してしまい、徐々に光が見出せなくなってきたこと。

子どもが熱を出した時は、ワンオペでお店をやり、混雑時はシンクがお皿でいっぱいに。お客様への提供も遅くなり。。。しかし、暇な時もあるので、雇うことも難しく。

そして、いつの間にか何のために何をしているのかがわからなくなっていき、OPEN当初の気持ちとは裏腹に、熱が徐々に下がってきていました。

カフェは「自分の城」ではなくカゴ。自分は「飼われた鳥」ではないのか?

カフェのOPEN当時は、独立して「自分の城を築いた!」と思っていたのですが、その後、お店を続けていくうちに、おやっ?、これはもしや、自分がカゴ(お店)に「飼われた鳥」になってしまったのでは!?と気が付いたのです。

さぁ、、これからどうしようか?夫婦で考えたのが、
「自分たちがやりたいこと(want)」から
「自分たちが社会で役立てること(hope)」へ
の転換でした。

当時、いろんな起業家の本を読んでみては、事業というものは「自分の表現の場」ではなく(結果として自己表現になる場合はあるけれど)、「何のためにその事業をやるのか」、つまり、自分が捉える社会や地域の「課題」を解決するためにやるものなのだと、当時ハッとさせられました!

自分が何がしたいのか?ではなく
何のために仕事をするのか?が重要だと。
当たり前の話かもしれませんが、起業したい!という想いからスタートすると、案外見えなくなるものです。僕たちは特に。。汗)

そこから、夫婦でもう一度白紙に戻し、いろんなビジネスの可能性を考えてみたのですが、、どうも儲かりそうな仕事(投資やアフィリエイト、せどりなど)は自分たちにはできそうもなく(能力的にも、マインド的にも想いが入らなくて)

息子が小さかったこともあり、大幅にペースを落としながら、コトコト構想を練り続け、ようやくハッキリと自分たちが取り組むべきテーマを見つけました。

僕らができることで、お客さんの喜びになっていくものはなんだろう?と考えていくと、やっぱり「食」を大切にしたい。

そして、カフェで喜ばれていた「無添加のお菓子たち」を軸に、みんなが幸せに食べられるものをつくっていくことじゃないか。という話になっていきました。(これは今の(那須での)農園のコンセプトにもなっていきます)

当時のお菓子のプロトタイプ

事業を見直しても、やっぱり「食」を大切にしていきたかった

「食」を大切にしていきたいという想いは、「息子の誕生」と、僕自身の「体調不良(頻繁な頭痛、じんましん)」がきっかけでした。

日々、口にする食べ物が、良質だったら。しかし、どこに行けば買えるんだろう? 買えたとして、それって美味しいのかなぁ。そんな思いの方が、世の中にたくさんいる。

例えば、
小さなお子さんをお持ちのお母さん
食を大切にする方
アレルギーや病気をお持ちの方
ジャンクなものを食べて不快な気分になる方 など

僕たちができることは、小さなことかもしれないけど、そういう方たちの問題を解決できるんじゃないか?と。

素材にこだわり、添加物はなるべく控え、メーカーの都合で、売りたいおやつではなく、食べる人の健康や心地よさを想ってつくったお菓子をお届けしたい。

そう考えて、新しいお菓子ブランド「TINTS」を立ち上げよう!
ということに決めました。

TINTSとは、白と原色を足した色み全体のこと。
できるだけシンプルな加工をするお菓子を作っていきたいという想いと、素材そのものを生かしたブランドにしていく願いを込めて名付けました。
(ちなみに、これが今、販売会社の社名になっています!)

Wantではなく、Hopeを目指していこうと、夫婦で誓って。
2016年のことです。

岡山時代(当時)思っていた構想

決まったら即行動! 業態を変えて新たなスタート…しかし、

こうして、カフェ事業には一旦区切りをつけ、新たに菓子製造所をスタートすることに。(幸い借金がなかったので、この辺はスムーズに進めることができました!)

ここでもDIYで、近所のおじさんのヘルプをもらいながら、改修を進め

扉も自作でつくっていきました!
BEFORE 改装前(カフェの時)
AFTER  改装後(菓子製造所)

こうして、新しい加工場が完成!。
厨房許可も「飲食店営業」から「菓子製造業」へ変更し、保健所の許可も取得!いざ製造するぞ!と、材料を買い込み、意気込んで試作を開始した9月の朝。

那須の(妻の実家)母から1本の電話が鳴り。。。
「お父さんが、、。。。」

長いので、続きは次回に!
(なかなか「就農」まで行きつかなくて、すみません。。)

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