【ここ】全人類を幸福にする、たった一つの冴えたやり方
(なお、集団自決と薬物漬けによっても達成されるが、面白くないので無しとする)
そもそも、何を幸福とするのかは、人によって全く異なるので、幸福を次のように定義する。
「その人間が幸福だと思う状況の実現」
しかしながら、確実に利益相反・矛盾状態に陥る。(世界一の金持ちになりたい人間は、世界で一人だけではないはずだ)
そのため、この世界で、全人類の幸福を同時に実現することは不可能である。
それを解決する方法が二つある。
①全人類の幸福の定義を一致させ、それを達成する
一部宗教においての、地上天国の実現である。そこでは全人類が家族のように一体となり、互いに愛することが唯一絶対の幸福となる。
しかし、それが現実的でないことは容易に想像がつく。まだ全人類をアヘン漬けにした方が楽である。
②世界を増やす
全人類に必要な分だけ世界を複製し、配布する。こうすれば、全人類は、各個人の世界の中で、誰にも邪魔されず、独自の幸福追求と実現が可能になる。
いやいや、その方法も難しいだろうと、一見思われる。しかし、そうでもないのである。
解決策は二種類ある
①メタバース
コンピュータ上にシミュレーションとして世界を再現する。ただし、現実世界の全てを再現する必要はない。なぜなら、人間の人生の中で、直接関わる世界や人々はそう多くないからである。
田舎で農業を営んでいれば、その農業空間では高い解像度を求められるだろうが、世界的な金融・経済活動などは適当で良い。
世界中を常に旅行している人でさえ、必要な物は、旅行先の空間と最低限の人々である。移動中は、景色の方が流れていても問題ない。
ましてや多くの文明人は、変わらない景色と人々に囲まれて、退屈な仕事をして、自宅と往復し、少ない余暇の時間でさえ、スマホ内のバーチャルな世界に生きている。つまりは、極めてメタバースで再現しやすい。仕事の必要さえなくなれば、なおさらである。一日中ゲームをしていれば、再現が必要なのはその世界だけになる。
②夢
2〜3年ほど夢の記録を続けて判明したことがある。
・夢には五感がある(景色や音はもちろんのこと、味や匂い、手触りもある)
・明確な意識と思考力がある(文字や数字の認識、簡単な計算も出来た、そもそも人との会話もできる)
・感情がある(食欲に性欲、不思議なことに、疲労感や眠気もある、怖い夢を見る人は恐怖を感じることもあるそうだ)
これだけリアルに現実空間が再現されているのだから、夢であるとは気付けない。
その一方で、突拍子のないことが起こっても、夢であるとは気付けない。
なので、現実世界を夢で代替しても問題ないと結論付ける。
仮に、夢が現実世界となった後、これが夢だと気付く人が出てくるかもしれないが、証明のしようがないので、すぐに慣れる。慣れなければ発狂するかもしれないが、この現実世界にもそういう人は一定数いるので仕方ない。
ところで、現実世界がシミュレーションゲームになると仮定して、その自由度はどの程度が適切なのか?
例えばやりたいことが全てできるゲームがあったとする。多分面白くないし、しんどい。
1からゲームを作るとしたら、かなりの技術と時間と労力がかかるだろう。そうやって作ったゲームで、ワンボタンでどこにでも行けて、なんでも出来るとする。全く面白くない。
それに全員が1からゲームを作るのは非効率だ。
既にあるデフォルトの世界を、複製した方が良い。
さらに、取れる行動についても、ある程度制限を設けた方が良い。(急に空を飛べないなどの)物理的制約だけでなく、他者の行動によって自己の行動が制限される、社会的制約も。
ここに、世界と行動の不自由が完成した。
しかし、これは不変ではない。
デフォルトの世界を書き換えるだけの能力があれば、自分好みの世界が実装できる。
また、社会的に制約を上回るほどの行動力があれば、好きなことが実行できる。
それは一般には、努力と呼ばれる。
努力すれば、自分の行動と世界を変えられる。大雑把には、そういうルールのゲームが完成した。
それはただの現実世界であった